上智一麻作品の書評/レビュー

仮想領域のエリュシオン 003 セルリアン・レクイエム

再び親友対決
評価:☆☆☆★★
 天陵冬姫と鴉羽紫緒が和解し、西園寺涙を含めて遊ぶようになったものの、天陵大河は切燈巴夜への借りを返すため、無償労働することになった。 一方、ネットワーク上には天使の後継となるような攻性プログラムが頒布され始める。
 そんな時、アイオライト通称イオラが奇妙な行動を見せ始める。そして彼らの前に姿を現したのは、イオラのモデルとなり、死んだはずの阿菫青子、切燈巴夜の親友だった。

 シリーズ最終巻。

仮想領域のエリュシオン 002 ハイドランジア・ガーデン

最初の友達
評価:☆☆☆★★
 構造体(アリエス)で天陵大河が出会った少女は、かつて天陵冬姫と確執のあった鴉羽紫緒という少女だった。そんなことも知らず、明らかに初心者っぽい振る舞いをする鴉羽紫緒を放っておけず、西園寺涙から初心者向けチュートリアルのレクチャーを受け、天陵大河は鴉羽紫緒をサポートする。
 トラブルを切り抜けながらゲームを進めていく二人だったが、切燈巴夜の依頼で探し始めた、プレイヤーに力を与えるという謎の存在「天使」と関わったことで、再び天陵冬姫との確執を再燃させることになる。彼らに幸せな結末は訪れるのか。

仮想領域のエリュシオン 001 シンクロ・インフィニティ

チート兄妹が暴れまわる
評価:☆☆☆★★
 八年前に引き離され別々の養親に引き取られた兄妹は、成長して親元を飛び出し二人で生きていくことを決意した。傭兵一族である連城に引き取られた天陵大河は家出を妨害してくる構成員たちをなぎ倒し、ネットワーク会社である鴉羽に引き取られた天陵冬姫はクラッキングで生じた混乱の隙に脱出した。
 電脳世界(エリュシオン)を管理する切燈グループの設置した学園に入学した兄妹は、天陵冬姫が懇意にする友人の西園寺涙とチームを組み、構造体(アリエス)に生じるバグ退治をすることで生計を立てることにする。電脳世界ではバグがモンスターとして表示され、それを狩ることでデバッグができるのだ。これならば、ネットワークに詳しい冬姫だけでなく、力技が中心の大河にも活躍の余地がある。

 ちょっとした偶然から生徒会長の切燈巴夜と知り合い、彼女とその親友が開発した仮想人格構成アイオライト、通称イオラの話し相手を務めることになった大河だったが、それが原因となり西園寺涙の身に危険が生じることになるのだった。

 第9回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作だ。

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