清水苺作品の書評/レビュー

今日、となりには君がいない。

他力本願な解決
評価:☆☆☆★★
 荻野卓也はある日、恋する朝霧凜を見失ってしまう。彼女は、彼以外の、誰の記憶からも消えてしまったのだ。なぜそうなったのか、なぜ彼女が消えたのかは、どれだけ調べてもわからない。そして二年がたち、彼は彼女がいつか帰って来ると信じ、ただ待つだけの日を過ごしていた。
 そんなある日、彼のクラスに成宮詩花という転校生がやってくる。彼女は自分が朝霧凜だと名乗り、荻野卓也に接触するのだった。

 第3回講談社ラノベ文庫チャレンジカップ佳作受賞作「僕と凜の、危険な日常。」を改稿改題。ほとんどが回想シーンで埋められるという構成となっている。また、荻野卓也の幼少期に影響を及ぼした神田麻利亜という少女も登場するのだが、存在意義が薄い。
 主人公が自ら動くことはなく、ただ待っていたら、たまたま朝霧凜のことを覚えている少女が帰ってきて、ブレイクスルーを与えてくれるという、他力本願な解決がイラつく。

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