剣の女王と烙印の仔 (3)(杉井光)の書評/レビュー


 剣の女王と烙印の仔 (3)(杉井光)の書評/レビューを掲載しています。

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剣の女王と烙印の仔 (2) 剣の女王と烙印の仔 (3) 未定

剣の女王と烙印の仔 (3)

奇策と超人技のコンボ
評価:☆☆☆☆☆
 一万の聖王国軍を破り大教会を解放したものの、デュロニウス率いる二万の軍勢と遠征軍一万に包囲され、味方の軍勢に連絡を取ることもできずに孤立した銀卵騎士団。クリスを引き渡せばプリンキノポリは攻撃しないというデュロニウスの言に踊らされ、市当局と自警団はクリス狩りを始める。地下の一室に息をひそめて閉じこもるクリスとミネルヴァ。
 一方フランチェスカは、ニコロの力を借りつつ、起死回生の一手を放つための準備を始めていた。

 クリスが腹を決めて自分の道を選ぶという、作品的に大きな転換点になっていると思うのだけれど、クリスやミネルヴァのいちゃいちゃ描写よりも、フランチェスカの指揮官としての苦悩を描くのに紙幅が多く割かれているように感じた。
 戦況を考えれば指揮官の描写が増えるのは当然と言えば当然なんだけれど、少し意図的に増やされているような気もする。巻末もフランチェスカのイラストだったし。アンケート結果の影響かな?

 オルクスとテュケーの関係や烙印の役割、託宣女王の血に潜む力、そして他国の存在としてアンゴーラが明らかになり、物語の支柱がはっきりするとともに、世界も広がっていく気配を見せている。死を喰らう力を受け入れて、ミネルヴァと共にいることを選択したクリスには、次にどのような舞台が用意されるのだろうか。
 そうそう、ついにミネルヴァたちの剣の師匠、カーラ先生が登場しました。

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