神様のメモ帳 (5)(杉井光)の書評/レビュー


 神様のメモ帳 (5)(杉井光)の書評/レビューを掲載しています。

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神様のメモ帳 (5)

大人率が高めの短編集
評価:☆☆☆☆☆
 短編集なので普段はメインに来ないような人をメインに、ということなのかもしれないが、エピソードの中心にいる人の大人率が高め。ミンさんや彼女の同級生二人(酒屋&ゲームセンター)に巻き起こる事件への、ニート探偵の活躍が描かれる。

 ミンさんの狙われたさらしとはなまるの新作スープの関係にまつわるエピソード「はなまるスープ顛末」、近所の酒屋さんで起きた異物混入事件とその背景にある人の想いを描く「探偵の愛した博士」、四代目不在の平坂組にかかってきた脅迫電話から始まる「大バカ任侠入門編」の既出短編3本とと書下ろしが1本。
 この書下ろしが、アーケード型ネットワーク対戦野球ゲームを巡って起きるヤクザとのリアル野球対戦に関する話なのだけれど、最後にきちんとネットワークゲームに話がつながっておさまるところがきれいだった。あと、過去に登場したヒロインもちょこっと登場するしね。

 新聞に載るような大きな事件ばかりではないけれど、そこに関わる人たちにとっては人生を左右するような大きな事件であって、その助けを求める小さな声に応えるところにニート探偵の価値がある。
 どうしようもない状況だと思っても諦めずに探せば、ギリギリ切り抜けらられる細い道はどこかに残されているのかもしれないと思えるストーリーだ。

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