剣の女王と烙印の仔 (5)(杉井光)の書評/レビュー


 剣の女王と烙印の仔 (5)(杉井光)の書評/レビューを掲載しています。

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剣の女王と烙印の仔 (5)

役者たちが決戦の舞台に上がる
評価:☆☆☆☆★
 冥王オルクスの力が取り戻されていくのと呼応するように、急激に高められていく全ての烙印の力。その時を待ち望んでいたかのように、聖都では王太伯や大院司が、そしてそこから遠く離れたアンゴーラでも、テュケーの血を求めた策動が本格化していく。
 本国へと戻ったニコロ、未だ黒薔薇章を外すことのないジルベルト、そして、テュケーとオルクスに翻弄されるミネルヴァとクリストフォロ。緩やかにバラバラになって行くかの様に見える銀卵騎士団は、コンクラーベ出席により、絶対的指揮官のフランチェスカまでも軍団から欠くことになる。その隙を突く、王配候ルキウス。
 一方、シルヴィアを護り、無益な戦いを止めさせるため、一つの決断をしたジュリオの下にも危機が迫っていた。明らかにされる、テュケーの女神の真の力とは何か。

 本当の戦いが始まる前の、役者たちが決戦の舞台に上がる前哨戦という感じがする。だから、前巻の様な派手な戦闘はあまりなく、その分、各所で繰り広げられる出来事の描写が多い。複数に分かたれた流れが時の果てに一つに集まる。その時は次巻以降に訪れるだろう。
 シリアス成分が多い代わりに、ほんわか分やいちゃいちゃ分は少なめ。

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