楽聖少女 (3)(杉井光)の書評/レビュー


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楽聖少女 (3)

執着と非情、そして決別
評価:☆☆☆☆☆
 悪魔メフィストフェレスにより、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテとなった現代の高校生の幸は、少女になっていたルドヴィカ・ファン・ベートーヴェンに魅せられ、彼女のお世話をしていた。ナポレオンと彼を守護する悪魔を何とかかわし、ウィーンを戦火から守ったユキだったが、ルドヴィカの耳が聞こえなくなってきたことに気づく。
 初演した「フィデリオ」が不評で落ち込むルドヴィカに、プロイセンの王妃ルイーゼ・アウグステからの招待が届く。ベルリンで「フィデリオ」を再演して欲しいという。しかし、ザルツブルク闘魂烈士団のカール・マリア・フォン・ヴェーバーによれば、主戦派である王妃はナポレオンと戦う戦力を欲しており、ポリーヌと善戦した彼らの力を利用しようと考えているという。

 とにかく、ルートヴィヒの記憶を取り戻しかけ、彼の病状も引き継ぎはじめたルドヴィカを回復させるため彼の足跡を辿り、ハイリゲンシュタットの遺書に辿り着く。
 一方、ザルツブルグの復讐に萌えるフランツ・ヨーゼフ・ハイドンの弟ミヒャエル・ハイドンは、ユキにポリーヌの戦力を問いただすと、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトと何やら相談し、戦場へと去って行くのだった。

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