砂顔実作品の書評/レビュー

魔法使い、でした。 (3)

旅路の果てに
評価:☆☆☆★★
 バズ・ビズキットは失った魔法を取り戻すため、女戦士キリル、ニア・サンドラやシーマ、そして彼から魔法をヌいたジョセフィーヌことフィーナの妹リリナと行動を共にしていた。そして絶賛反乱中のジャハニ教徒の中心にフィーナがいるため、体制派の手伝いをすることになる。
 シリーズ最終巻。

魔法使い、でした。 (2)

魔法を失った理由
評価:☆☆☆★★
 赤炎のパズという二つ名を持つ名の売れた魔法使いだったバズ・ビズキットは、ある日、突然に魔法を使えなくなってしまった。魔法を使えるのは童貞か処女だけ。つまり彼が魔法を使えないということは、我慢できずにやってしまったということなのだ。
 そんな自覚のないバズだったが、クラン「堕天使の翼」の仲間に見捨てられたところを、幼なじみの女戦士キリルに助けられ、女盗賊の紅猫のシーマや白銀のニアことニア・サンドラという美少年魔法使いと知り合いになり、彼とニアが魔法を失った原因にジャハニ教徒と吸魔というものが関わっているらしいことが分かった。

 その謎を追うためにラーマ大陸へと渡った一行は、唯一、魔法使いが残るというカリクラという山村に向かう。そこにいたのは、老いた父親ナバールと、リリナほかたくさんの美しい娘たちが住む場所だった。
 ジョセフィーヌことフィーナの正体も明らかになり、彼らが魔法を失った理由も判明する。

魔法使い、でした。 (1)

もうお腹いっぱい
評価:☆☆☆★★
 クラン「堕天使の翼」に属すバズ・ビズキットは、赤炎のパズという二つ名を持つ、それなりに名の売れた魔法使いだ。彼の夢はただ一つ、魔法使いで大金を稼ぎ、引退して嫁を手に入れ幸せに暮らすこと。なぜなら、魔法を使えるのは、童貞か処女だけとされているからだ。
 その資金もあと少しで貯まるという頃、酩酊して意識がもうろうとしたバズが翌朝目を覚ますと、貯め込んでいた宝石全てと、魔力が無くなっていた。商売女の誘惑に負けて童貞を守れず、財布を落としてしまい、しかもその罪を他人になすりつけるという下衆と解釈されたバズは、クランからも追放され、一文無しになってしまう。

 ボロ雑巾のようになって路地裏に転がっているときに会ったのが、故郷の幼なじみである戦士の女性キリルだ。財産の半分を報酬として差し出すことを条件に、キリルは、奪われた財産を取り戻す手伝いをしてくれることになった。
 彼女にキリキリしごかれながら、盗んだと思われる謎の女性ジョセフィーヌを追って旅をするバズは、泥棒の紅猫のシーマ、白銀のニアこと、同じ様に魔力がなくなった高名な魔法使いニア・サンドラと仲間になる。そして流れに乗るまま、魔力の枯渇の背後にいると思われるジャハニ教に迫っていく。

 童貞ネタとかもうお腹いっぱいという感じ。同じレーベルで、しかも同時発売でネタを重ねてくるとか、編集部はどんだけラノベをバカにしているんだろう?こういうのやっとけば売れるんだろ、お前ら好きなんだろという、上から目線の蔑みを感じずにはいられない。この物語も、前半は特に、そういう悪意を感じる内容になっている気がする。
 そういう盤外は除いても、内容的に新味はない。都市伝説の童貞=魔法使いをファンタジー世界に持ち込み、魔法使いと童貞の因果と相関の違いを含みに持たせながら、ツンデレ幼なじみとのラブコメをしていると言えよう。

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