曽我部浩人作品の書評/レビュー

ベニ・コンプレックス (2)

半神半人の職業選択
評価:☆☆☆★★
 妖怪の力を高める「紫禁の血脈」の持ち主である緋野慶次は、母の将美を亡くし「紅炎大聖」緋野紅子に育てられ、「天魔大聖」「呑海大聖」「獄界大聖」の指導を受けてきた。高校に入学した機会に姉離れを志し、鶴崎礼一郎の手引きもあって、「銀蛇神君」沙羅宗蛇の娘である長里巳緒、黄金蝦蟇の生まれ変わりである妙高寺来弥、紅子の3人を守護者兼嫁候補とすることになった。
 そんな彼の前に、母の時代からの因縁を挙げて襲ってくるナイアルラトテプV世こと黒井乙子が現れる。

ベニ・コンプレックス (1)

ラブコメる妖怪大戦争
評価:☆☆☆☆★
 妖怪の力を高める「紫禁の血脈」の持ち主である緋野慶次は、十年前に亡くなった母の将美に代わり彼を育ててくれた姉の緋野紅子にべったりだ。大きくなったら結婚すると言い、紅子もそのつもりで色々と教育をしてきたのだが、高校二年になった途端、慶次は婚約を破棄すると姉に言い放つ。
 ショックを受ける紅子だったが、慶次が高校を卒業するまでに嫁候補を見つけられなければ、姉を嫁にするという約束で、何とか折り合うことができた。二年以内に嫁候補となる彼女を作るため、友人で女遊びの激しい鶴崎礼一郎に依頼して全校女子に彼女募集のメールを打ってもらったところ、長里巳緒という少女と、妙高寺来弥という少女がやってくる。彼女たちには慶次と親密になりたい、ある理由があったのだ。

 第1回講談社ラノベチャレンジカップ佳作受賞作「赤猫のベニさん」を改題。ここまでなら何のことはない、単なるラブコメなのだが、ヒロインたちがただものではなく、慶次にも秘密があるため、妖怪大戦争になっていく。ちょっとサンデーっぽいファンタジーラブコメという感じだ。
 もう少しテンポ良い文章になれば、もっと読みやすくなりそう。ちょっと詰め過ぎな感じがしなくもない。

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