銀河乞食軍団 黎明篇 (3) 激戦!蒼橋跳躍点(鷹見一幸)作品の書評/レビュー


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銀河乞食軍団 黎明篇 (3) 激戦!蒼橋跳躍点

軍隊はひとつの生物、自死する細胞たち
評価:☆☆☆☆★
 母星系を空にする全戦力の投入により、連邦宇宙軍派遣艦隊を撤退に追い込むことに成功した<紅天>星系政府だが、戦略的優位性を築いたにもかかわらず、なぜか無用な攻撃を仕掛けてくる。政治力学の常識から考えれば、一地方星系政府が完全に東銀河連邦政府を敵に回す様な愚を犯すはずはないのだが…。そこに政治の欺瞞を見たキッチナー中将は、圧倒的多数を誇る敵に対する攻撃作戦の決行を決意する。その戦いの結末は?

 軍隊が軍隊として機能する所以は、上意下達が徹底されているからだと思う。もし中級指揮官が司令官の指示に疑念を持ち従わないとすれば、一気に戦線は崩壊してしまうことだろう。このシステムが維持されている根底には、違反すれば罰則があるという以上に、自分たちの上司は自分たちよりも深い考えに基づいて行動しており、その判断は自分以上に正しいはずという信頼関係があると思われる。
 それではなぜキッチナー中将は、自分の職責を逸脱しかねない判断を下したのか。もちろん現場の判断は尊重されてしかるべきではあろうが、逸脱は責められるべきことであろうし、自らが依って立つ権威を否定することにつながりかねない。それでもあえてその行動をとったのは、命令を下す政府が自分よりも正しい判断をしているという確信・信頼関係がなかったということなのだろう。

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