ご主人様は山猫姫 (9) 帝国崩壊編(鷹見一幸)の書評/レビュー


 ご主人様は山猫姫 (9) 帝国崩壊編(鷹見一幸)の書評/レビューを掲載しています。

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ご主人様は山猫姫 (9) 帝国崩壊編

呆気なく訪れる崩壊
評価:☆☆☆☆☆
 月原弦斉が基盤を築いたシムールと延喜帝国の融和の象徴である侘瑠徒から北域を平定した泉野晴凛は、延声の元領主・犂山随細の協力を得て勢力を広げていた。そんな彼のプライベートは中々に大変。シムールのシャン・クム・ミーネが怪我をしたのは自分が至らなかったからだと思い込んだタッケイ・ラム・シャールが、寝ずの不審番で自分を追い込んでいたのだ。
 一方、次の手を考えるために、アンギュトヌス・アイリーンと共に帝都へと赴いた皇伏龍こと神流千斗は、南域の反乱が思った以上に破滅的な状況になっていることを知り、危機感を強める。そして彼自身にも、アイリーンとの関係で転機が訪れようとしていた。

 帝国の内部でも政変が発生。南域の戦況が悪化するにつれて足並みを乱し始めた官僚たちは、苑山燕鳳を排して自分たちが長嶺帝の摂政・菰野盛元を神輿に担ごうという勢力も現れ始める。一方、沢樹延銘が主導する南域反乱軍は、帝国軍の補給不備をついて戦線を拡大。ついには近衛連隊長・泉野聡凛の再派遣が決まっていた。
 神流千斗と練涯塾の和解、泉野光凛とミリンのあれこれ、皇帝付き女官の紫芹に蒙を開かれる苑山燕鳳など、物語を彩る登場人物たちのエピソードを盛り込みつつ、一気に帝国崩壊寸前まで雪崩込んでいく。

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