橘公司作品の書評/レビュー

いつか世界を救うために -クオリディア・コード- (2)(Speakeasy)

欺瞞の終わり
評価:☆☆☆★★
 いきなり、紫乃宮晶が女性だったことが明らかになる。そして、天河舞姫と凛堂ほたる、もう一人の少女・依藤真里香の関係が明かされ、欺瞞の時に終わりがやってくる。

いつか世界を救うために -クオリディア・コード-(Speakeasy)

ストーカーたちの宴
評価:☆☆☆★★
 管理局からの命を受けた紫乃宮晶と凛堂ほたるは、神奈川序列第一位の天河舞姫を暗殺するため、神奈川学園に転入した。そしてそこで、彼女の隙を伺うため、のぞきとストーキングに明け暮れる。
 結果、遠距離からの暗殺は難しいと悟った紫乃宮晶は、彼女に近づくため、神奈川四天王の八重垣青生、音無柘榴、佐治原銀呼、隠谷來栖の立場を手に入れようとする。

デート・ア・ライブ (13) 二亜クリエイション

次元の壁を超えよう
評価:☆☆☆★★
 年末の街中で行き倒れている女性を発見した五河士道は、彼女から自分が精霊だと告げられて驚愕する。その精霊、二亜は、自分をデレさせるため、秋葉原デートを要求してくるのだった。
 いつものように選択肢を選びながらデートをするものの、ちっとも変動しない感情値。その原因は、彼女が二次元にしか恋をしたことがないことだった。そんな相手をどうやってデレさせる?

デート・ア・ライブ (12) 五河ディザスター

逆転
評価:☆☆☆★★
 精霊をデレさせて封印してきた五河士道に異常が生じる。精霊力のパスが細くなり、精霊に循環しなくなった力が暴走しだしたのだ。しかも暴走した結果、五河士道はタラシに変貌し、出会う女性を口説き始める。
 暴走を収めるため、五河士道とキスすることになった精霊たちだが、思い出作りを主張する五河士道は雰囲気づくりを要求し、精霊たちは五河士道をデレさせるため奮闘することになる。

デート・ア・ライブ (11) 鳶一デビル

過去改変の余波
評価:☆☆☆★★
 鳶一折紙を救うため、狂三の力で五年前の天宮市にやってきた五河士道は、鳶一折紙の絶望が、精霊化した自分で自分の両親を殺してしまったことだと知る。
 再度、過去へ飛び、悲劇を回避しようと奮闘する中で、事態の中心にいるはずのファントムと遭遇するのだった。

 ようやく破滅を回避し、彼らとの接点をなくして普通の女子高生になったはずの鳶一折紙だったが、とあるきっかけで、未だ彼女が精霊としての力を保持していることを知る。その理由とは?

デート・ア・ライブ アンコール (2)

短編集
評価:☆☆☆★★
「士道ハンターズ」
士道にキスすべく迫ってくるヒロインたち占い。

「未確認サマーバケーション」
士道たちが温泉旅行に出かけたところを、おいて行かれた折紙が追跡してくる。

「未確認ブラザー」
温泉旅行の続き。女性ものの下着を着けていると琴里に勘違いされ、琴里は女を意識させようとあの手この手で迫ってくる。

「精霊キングゲーム」
王様ゲーム。

「天央祭コンテスト」
ミスコンに出場する精霊たち。

「エレン・メイザースの最強な一日。」
休暇で街に出たエレン・メイザースが、山吹亜衣、葉桜麻衣、藤袴美井に振り回される。

デート・ア・ライブ (10) 鳶一エンジェル

絶滅天使メタトロン
評価:☆☆☆☆★
 自衛隊から懲戒処分を課せられそうになった鳶一折紙は、精霊と戦う力を得るためにエレン・M・メイザースの手を取る。新たな力を手に入れた鳶一折紙は、両親の敵である精霊だけでなく、全ての精霊を殺すため、八舞耶倶矢、八舞夕弦、誘宵美九、夜刀神十香を襲撃するのだった。
 五河琴里の指揮するラタトスク機関所属空中艦〈フラクシナス〉はエレン・M・メイザースの操る空中艦によって封殺されてしまい、十香たちのサポートはできない。五河士道は鳶一折紙に監禁され、やはり彼女たちを助けることはできない。

 絶体絶命の中、夜刀神十香が本来の力を取り戻し、鳶一折紙を返り討ちにするのだが、そんな彼女のもとには、かつて五河琴里や誘宵美九を精霊にした存在が現れていた。

デート・ア・ライブ (9) 七罪チェンジ

マイナス思考を取り除け
評価:☆☆☆☆★
 〈ウィッチ〉七罪によって幼女の姿に変えられてしまった鳶一折紙、四糸乃、五河琴里、八舞耶倶矢、八舞夕弦、誘宵美九、夜刀神十香を元の姿に戻すため、五河士道は七罪との接触を目指す。未だにいたずらを仕掛けてくる七罪は、必ず近くにいるはずなのだ。
 一方、DEM(デウス・エクス・マキナ)社の取締役であるロジャー・マードックは、最強の魔術師エレン・M・メイザースが護衛するMDサー・アイザック・レイ・ペラム・ウェストコットを暗殺するため、彼の滞在する街に人工衛星を落とそうとしていた。

デート・ア・ライブ (8) 七罪サーチ

デートして正体を暴け!
評価:☆☆☆☆★
 DEM(デウス・エクス・マキナ)社のサー・アイザック・レイ・ペラム・ウェストコットの命を受けたエレン・M・メイザースの攻勢を切り抜け、デレさせた誘宵美九の尋問がラタトスク機関所属空中艦〈フラクシナス〉で行われた後、警報が鳴った街で、五河士道はエリオット・ボールドウィン・ウッドマンという男性に出会う。
 その男性から精霊を託された直後、彼の前に現れた〈ウィッチ〉七罪は、五河士道のべた褒め攻勢に満足していたのも束の間、突如態度を豹変させ、彼を地獄に突き落とすと宣言して消えた。

 翌日、遅れていった五河士道を待っていたのは、周囲の冷たい目立った。夜刀神十香は胸を揉まれ、山吹亜衣はキスをされかけ、葉桜麻衣と藤袴美井はスカートをめくられる。そして何もされなかった鳶一折紙は、逆に五河士道を誘惑してくる。変身能力を持つ七罪が、五河士道に化けてわいせつ行為を行っていたのだ。
 困惑する五河士道のもとに、七罪から手紙が届く。そこには十二人が写った写真が同封されており、みんなが消える前に、その中にいる自分を見つけろという。そうこうするうちに、写真の中に写っていた八舞夕弦が消え、四糸乃とよしのんも消えていく。残されたのは、五河琴里、八舞耶倶矢、鳶一折紙、誘宵美九の四人だけ。果たして誰が七罪なのか?

デート・ア・ライブ アンコール

評価:☆☆☆☆★
 デート・ア・ライブ アンコールって、短編集のことだったのか!各話それぞれに個別のヒロインが設定され、そのヒロインと主人公である五河士道のデートっぷりが描かれる。

「十香ゲームセンター」
 鳶一折紙との口論で機嫌が悪くなった夜刀神十香を楽しませるため、五河士道は十香をゲームセンターに連れて行くことになる。クラスメイトに誤解を振りまきつつ、ゲームセンターに行った士道だったが、誤解は誤解じゃなかった!

「折紙インポッシブル」
 鳶一折紙から恋人になったと思われている士道は、折紙に嫌われるため、デート中に彼女が嫌がりそうなことをすることになる。だが、例え、スク水イヌ耳で首輪をつけられても、折紙が折れる事はなかった!

「四糸乃ファイヤーワークス」
 四糸乃からのお誘いで、花火を見に行くことになった士道。十香も我慢して、二人っきりの縁日と花火を楽しむはずだったが、よしのんを切っ掛けとして、ヘンな方向に話が進んでしまう。ノーパン浴衣にお尻ペンペン!

「琴里バースデー」
 誕生日くらい兄に甘えて欲しいと思う村雨令音は、誕生日プレゼントとしてある仕掛けを五河琴里に施す。黒妹から白妹に変わった琴里は、徹底的に兄に甘え…。一緒にトイレやお風呂、ベッドに入っちゃう。

「八舞ランチタイム」
 八舞耶倶矢と八舞夕弦に挑戦状を叩き付けたのは、購買四天王という怪しげな生徒たちだった。彼らの挑戦を受けた八舞姉妹は、士道を巻き込んで特訓する…ブルマ姿で。

「狂三スターフェスティバル」
 士道の前に現れた時崎狂三は、いつもとは違っていた。七夕の思い出作りをしたいという彼女に従い、二人で街を歩いて楽しむ。そんな彼女には、苛酷な運命が忍び寄っていたのだ。

デート・ア・ライブ (7) 美九トゥルース

男嫌いの理由
評価:☆☆☆☆★
 誘宵美九の天使の力によって、山吹亜衣、葉桜麻衣、藤袴美井ら同級生、五河琴里や村雨令音ら機関の人間、八舞耶倶矢と八舞夕弦、四糸乃の精霊たちが洗脳されてしまった。彼らの追撃をかわしていた五河士道だったが、サー・アイザック・レイ・ペラム・ウェストコットの命で現れたエレン・M・メイザースにより、夜刀神十香が連れ去られ、鳶一折紙は重傷を負ってしまう。
 その後、突如現れた時崎狂三が五河士道に協力を申し出てきたため、夜刀神十香救出作戦の邪魔をされないよう、誘宵美九と話をつけに行くことが出来るようになった。その交渉を有利にするため、誘宵美九の個人情報を探りに彼女の家に無断侵入することになる。

 美九編のクライマックス。やはり最後はデレるのか。そして、ウェストコットの狙いも明らかになる。

デート・ア・ライブ (6) 美九リリィ

祭が呼ぶ争乱の気配
評価:☆☆☆☆★
 来禅高校文化祭は、近隣十校の合同文化祭である天央祭の一環として開催される。実行委員の山吹亜衣、葉桜麻衣、藤袴美井の強行採決により、文化祭実行委員となった五河士道は、竜胆寺女学院の天央祭実行委員長の誘宵美九が〈ディーヴァ〉と呼ばれる精霊であることに気づく。
 ラタトスク機関所属空中艦〈フラクシナス〉司令の五河琴里は、すぐさま士道に攻略を命じるのだが、美九は徹底した男嫌いだった。結果、攻略は五河士織に託されることになる。

 一方、陸上自衛隊対精霊部隊AST隊長の日下部燎子は、DEM(デウス・エクス・マキナ)社からの出向者10名を受け入れていた。しかし彼女に指揮権はなく、出向者たちはサー・アイザック・レイ・ペラム・ウェストコットとエレン・M・メイザースからの指示により、〈プリンセス〉夜刀神十香と五河士道の捕獲作戦を決行しようとしていた。
 崇宮真那三尉の顕現装置〈ホワイト・リコリス〉を無断利用したことで謹慎していた鳶一折紙一曹は、五河士道と共に天央祭の準備に明け暮れていたものの、その天央祭に不穏な気配があることを知り、戦場に赴くことを決断するのだった。

 次巻が気になるところでの引きとなっており、ちょっと落ち着かない感じがする。春にアニメ化を控えているらしいので、色々と大人の事情もあるのでしょう。

デート・ア・ライブ (5) 八舞テンペスト

迫られて挟まれて
評価:☆☆☆☆★
 陸上自衛隊対精霊部隊AST隊長の日下部燎子の擁護もむなしく、五河士道の実妹を名乗る崇宮真那三尉の顕現装置〈ホワイト・リコリス〉を無断使用した鳶一折紙一曹は、懲戒免職の決定を下されようとしていた。士道の義妹の五河琴里であり精霊〈イフリート〉である彼女が両親の仇でない可能性が出てきたいま、顕現装置(リアライザ)に乗れなくなるのは慚愧の念に絶えない。
 だがそんな彼女の前に現れたのは、DEM社サー・アイザック・レイ・ペラム・ウェストコットとエレン・M・メイザースだった。彼らは防衛大臣を通じて陸上自衛隊に圧力をかけ、彼女の処分を二ヶ月の謹慎にまで軽減させてしまう。

 その間に、士道や〈プリンセス〉夜刀神十香、折紙らは修学旅行へと行くことになっている。だがその行き先は沖縄から急遽、或美島という離島へと変更になっていた。部屋割りや飛行機の座席でもめながらも、ようやく到着したその日、彼らの前に精霊〈ベルセルク〉と称される八舞耶倶矢と八舞夕弦が現れる。彼女たちはいずれが八舞を継ぐ精霊となるかで、これまでずっと対決してきたのだ。
 その決着をつける最後の勝負は、どちらが魅力ある女かを決めること。その審判に選ばれたのは士道だった。現場の村雨令音解析官とラタトスク機関所属空中艦〈フラクシナス〉との連絡が途絶える中で、士道は二人の精霊を同時にデレさせるという難関に挑むことになる。ここに、変態副司令の神無月恭平の真価が示される?

 今回は精霊にアプローチするのではなく、精霊からアプローチされるという変形バージョンで進行する。いつもの三択展開もなく、どちらかというと通常のハプニングラブコメに近い感じ。女の子たちに振り回された士道は、結果、新たな力を自覚することになるのだった。

デート・ア・ライブ (4) 五河シスター

ラブコメからファンタジーへの転換点?
評価:☆☆☆☆★
 第三の精霊である時崎狂三の前に、鳶一折紙一曹や五河士道の実妹を名乗る崇宮真那三尉が敗退し、夜刀神十香、四糸乃という二人の精霊も破れたいま、五河士道は絶体絶命のピンチに陥っていた。そんな彼の前に現れたのは、ラタトスク機関司令にして士道の義妹の五河琴里だ。彼女は真っ赤に燃える炎を纏う精霊として現れ、あれほどの力を誇った狂三を一蹴してしまう。
 しかしその代償は大きかった。士道が庇ったおかげで狂三には逃げられ、精霊の力に抑圧されて、琴里は自我を失いそうになってしまう。それを強烈な精神力で耐えているものの、もってあと二日だと村雨令音解析官はいう。それを解決するためには、妹をデレさせるしかない!

 琴里とのデート先はプールに決まった。女子の水着姿になれるため、十香や四糸乃と水着を買いに行こうとしたところ、折紙も現れて、誰が士道をドキドキさせることが出来るかの競争になってしまう。

 前半部は、お見舞いに行った病院で折紙とお医者さんごっこ的なプレイをすることになったり、水着姿の女子に悩殺されたり、いつもより脳天気に展開するのだが、事態は相当に深刻だ。我慢強い琴里は士道にそれを悟らせないが、それとは別に、彼女が五年前に精霊になった事件の余波が、現在の怨恨につながってきてしまう。
 というわけで、現状を引き起こした影の存在が仄めかされ、物語は新たなステージへと進みそうだ。

 …しかし折紙はしれっと相当にエロいことをやるよな。士道はよく耐えられるな。

蒼穹のカルマ (8)

あっさりとシリーズ最終巻
評価:☆☆☆★★
 意外にあっさりとシリーズ最終巻。色々とバラ色の奇跡が起きまくる。少年漫画の打ち切りエンドみたいな展開とも言えるかも。

 鳶一槙奈の黒歴史解禁という悲しい犠牲を以て、平行世界から来た成長した在紗であるリサとの和解も済み、いまの鷹崎駆真の目下の大問題は、在紗の授業参観をいかに盛大に出来るかと言うことだ。友人は言うに及ばず、異世界からはアステナ、神さまからは地宮院天由良・霊由良、空獣の女王にして母の冬香と、あらゆる伝手を使って声をかけ、準備は万端!
 …のはずだったのだが、なぜかみんな急用が入り、授業参観に行けなくなってしまったと言い出す。在紗の授業参観より大切なものなどこの世にはない!と思う駆真なれど、さすがに相手の用件を片付けなければ無理。それぞれ、重大事件を抱えているのだけれど、それらをまとめて解決して、無事に授業参観に行かせようとする。しかし、それぞれは単独では解決が困難な問題ばかりで…。

 在紗至上主義の駆真の無茶苦茶な活躍というか、それぞれの鍵を組み合わせてそれぞれの問題を解いていくというパズルのような構成になっている。そして最終巻なのに新キャラ登場となるわけだが、それはトゥルーエンドにどうしても必要な人物と言うことらしい。個人的にはやり過ぎだと思わなくもないけれど、設定的には無理というわけでもないか…。

デート・ア・ライブ (3) 狂三キラー

救うべきか、救わざるべきか
評価:☆☆☆☆★
 来禅高校の五河士道が通うクラスに突然転入してきた少女・時崎狂三は、自己紹介の挨拶で自分が精霊であると告げた。夜刀神十香、四糸乃に続く第三の精霊は、当たり前の人間の様な顔をして、高校へ転入してきたのだ。
 陸上自衛隊の対精霊部隊に所属する鳶一折紙一曹は、狂三がナイトメアというコードネームで呼ばれる、数多くの人間を虐殺して来た精霊であり、それをずっと追いかけて殺して来た関係上、崇宮真那三尉が着任したことを知るのだった。

 一方、士道の能力を使って精霊をデレさせ、その能力を封印することを目的とするラタトスク機関は、司令にして士道の義妹の五河琴里を中心に、狂三をデレさせる作戦を立てはじめる。しかし、別の女の子に士道が気を取られると嫉妬する十香や、士道の自称恋人となった折紙がそこに絡んで来て、いつもに増して士道のギャルゲー作戦は、綱渡りを強いられることとなる。

 デレさせる精霊も3人目で少しマンネリになって来たんじゃないかと思いきや、少し方向性を変えて来た。今回はむしろ、精霊の側から士道に積極的に接触して来たのだ。そして落とすつもりがあわや落とされそうになる展開に。
 だがそこで物語はまた趣を変える。これまでは、十香にしろ四糸乃にしろ、人間を傷つけたくないのに傷つけてしまう精霊がターゲットだった。しかし狂三は違う。既に多くの人間を殺し、そして今も楽しんで人間を殺す精霊なのだ。果たしてそれは救う価値があるのか。士道は悩むことになる。

 士道の実妹の真那が属するDEMインダストリーという組織が登場し、ラタトスク機関と共に、精霊に関して背後でうごめく人々がいることを感じさせる。そしてラストでは、なぜ琴里が士道の精霊を封印する能力を知っていたのか、これ以上ないほど明らかな形で示されるのだ。
 まあでも、次巻へ続く展開とは思わなかった。途中から怪しいな、とは思ったけど。あとやっぱり、前半はちょっとマンネリ気味。

デート・ア・ライブ (2) 四糸乃パペット

精霊が悪という幻想を打ち砕く!
評価:☆☆☆☆★
 隣界からこの世界に突然現れた時の衝撃で意図せずに世界を破壊してしまう存在、精霊。そのうちの一体で、プリンセスと呼称されていた最強の精霊は、五河士道のキスによって霊力を封じられ、女子高生・夜刀神十香として暮らすことになった。
 今後も精霊を助けるため、女の子に慣れる訓練ということで十香と一時同居することになった士道には、妹の琴里の仕掛けで様々なハプニングが課せられる。

 そんな士道が新しく出会った精霊・四糸乃。よしのんというウサギのパペットを使って会話する彼女は、精霊を倒そうとする陸自ASTにも反撃をしないやさしい性格だ。その彼女が苦しんでいるのを見て、士道も助けたいと思うのだが、他の女とイチャイチャしているのを見て十香が嫉妬し…。
 物静かなASTの魔術師・鳶一折紙にもアプローチをかけられる士道には危険がいっぱい。そもそも彼の持つ能力の起源とは何なのか?

 1巻に比べればゲーム的な要素は減っているが、その分、士道のヒーロー性が上がっている気がする。何となく、禁書の上条さんかと思うほど。というか、最後の方とか完全に禁書展開じゃなかろうか?

デート・ア・ライブ 十香デッドエンド

世界の運命を賭けてデレさせろ!
評価:☆☆☆☆☆
 精霊。こちらの世界に出現する際に空間震と呼ばれる災害を引き起こす謎の存在。少女の形をしている精霊を無害化する方法はふたつ。
 ひとつは武力で圧倒して殲滅すること。ただしこの方法は、精霊が桁外れの戦闘能力を持っているため、上手くいっていない。

 もうひとつ、人類に残された最後の手段は、精霊とデートしてデレさせること!その困難な任務に挑むのは、高校生・五河士道。妹の琴里が司令を務める秘密組織ラタトスクのバックアップを受け、命を賭けた三者択一による、精霊・十香の好感度上げが開始される。
 しかしそこに介入してくるのは、陸上自衛隊の対精霊部隊・AST。その隊員にして士道のクラスメイトである鳶一折紙が、士道を心配して十香に武力行使しようとする。圧倒的存在との恋のバトルの行方はいかに?

 莫大な予算を投入して作られた精霊対策組織の最新兵器は、精霊に対してギャルゲ風の三択を示すシミュレーション装置。様々な人生経験を持つ隊員たちが、真面目に、しかしどこか面白半分に、世界の運命を決める。
 真剣さとガジェットのバカバカしさの対比がおもしろさを生むラブコメは、次巻も刊行されるようだ。

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蒼穹のカルマ (7)

絶望から来る殺意の至る先
評価:☆☆☆☆☆
 鷹崎駆真が死んだ並行世界から来た在紗(リサ)に命を狙われている駆真は、鳶一槙奈とアステナの盟術ミスで記憶を失い幼児化してしまう。
 何とか記憶を戻さないと彼女を守れないため、地宮院天由良・霊由良の持つ神器ヴェクサシオン(=ピコピコハンマー)を使って戻そうとするのだが、それには最後に駆真の記憶に触れた槙奈が神器を使わないといけない。しかし、普通の人間には神器は使えない。

 万策尽きたかと思われたが、ノリの良い神器ヴェクサシオンは、槙奈が自分を使う条件を出した。それは、彼女が中学時代に書いていた自作ファンタジーの設定資料集を10万人に読ませること。自分の黒歴史を公にするなどという考えられない恥辱に耐えられない槙奈だったが、上官命令により出版することになってしまう。
 槙奈があまりの恥ずかしさに身もだえしている間、幼児化した駆真は思う存分に在紗に甘え、リサは蒼穹園にウロヴォロス級という巨大空獣を呼び寄せる。果たして槙奈の犠牲は報われるのか、それとも…。

 中学時代の黒歴史を出版して、テレビCMなどで大々的に宣伝されたり、新設された小説賞の大賞をとったことにされたり、あげく内容をネットで酷評されたり、槙奈が徹底的に恥ずかし攻めをされてしまう。

 一方、冬香から女王の権限を奪ったリサは、ディアボロ級の空獣たちを味方につけて、確実にカルマを殺そうとする。
 その絶望から来る殺意の至る先に、彼女たちはどんな未来を見つけるのか?そして、天由良・霊由良はどこからどんな助っ人を連れてきたのか?また最後に、意外な人物の存在が明らかにされる。

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蒼穹のカルマ (6)

在紗、増量中です
評価:☆☆☆☆★
 未来から17歳の鷹崎在紗がやって来た。いつもなら一人の在紗が今だけ2倍ということで、鷹崎駆真は大喜びの状況なのだが、未来の在紗が告げる事実は想像以上に深刻だ。なにせ、「ねえさまは今日死にます」なのだから。
 駆真にかけられた弱体の呪。興奮したりストレスを受けたりしたら死んでしまうというその呪いに対し、在紗2倍のボーナス状況はむしろ地獄?数々の未来在紗の失敗の果てに、ようやくたどり着く、駆真の命を狙う存在とは?
 まだまだお話は続きます。

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蒼穹のカルマ (5)

次巻への引きもスゴイ
評価:☆☆☆☆☆
 突然登場した在紗の母、冬香。女王の血筋に秘められた力のため、自ら身を引かざるを得なかった彼女は、今度は在紗に選択を迫る。そんな時、彼女を溺愛する駆真は何をしているかというと、何故か魔法少女になっていた!

 表紙を見てもあらすじを読んでも内容の想像がつかないけれど、これまでの巻で登場した要素が色々と関係してきて、在紗のピンチに一筋の希望の光を見せてくれます。
 天由良、霊由良にも活躍の時がようやくやってきました。

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蒼穹のカルマ (4)

ふざけた感じで始まりながら
評価:☆☆☆☆★
 在紗との生活を守るため、騎士団での合宿生活を忌避し除隊した鷹崎駆真。だが、無職では楽しい生活を守れるはずもなく、求職活動に励むことになる。事務員やメイドカフェのメイドさんを経て、ようやくたどり着いた就職先は、転職ともいうべき魔王さま。
 レーベンシュアイツに君臨する駆真は、在紗との旅行費用を手に入れるため、様々な政策を実行する。果たして彼女を止める勇者は現れるのか?

 ふざけた感じで始まりながら、最後にはそれらが有効に機能して、張られていた伏線が収束する。

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蒼穹のカルマ (31)

女子高生になった
評価:☆☆☆☆★
 蒼穹園騎士団団長である少女、草薙音音の思いつきがきっかけで、女子高生になった鷹崎駆真をはじめとする、騎士団の精鋭たち。駆真は駆真で在紗の不審な行動の理由を探るのに好都合。
 ところがこの状況を利用して、騎士団上層部には不穏な動きが生じていた。

 いつものように見えて、少し物語の核心にも近づいていく。

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蒼穹のカルマ (2)

騎士団内部のエピソード
評価:☆☆☆☆★
 蒼穹園騎士団の騎士の誇りがぶつかる大会、蒼穹園武会への参加を申し込まなかった鷹崎駆真。その理由はもちろん、在紗との団欒を守るため。しかし、騎士団上層部は彼女に申し込みをさせるため、あの手この手を駆使する。武会に込められた裏の目的とは何なのか?

 駆真とは対称的な真面目さを持ちながら、それゆえにライバル意識をむき出しにしてくる鳶一槙奈との微妙にかみ合わないやりとりや、空気を読めない系の新人などが登場し、前巻よりも騎士団内部のエピソードが多い。

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蒼穹のカルマ (1)

様々な世界観がカオスに混じりあう
評価:☆☆☆☆★
 空獣が高空を支配する世界。彼らがもたらす被害を防ぎ、彼らを資源として利用するため、蒼穹園騎士団は空獣を狩る。鷹崎駆真は17歳の女性でありながら、近接戦闘で圧倒的な実力を誇る騎士の一人だ。そんな彼女が何よりも尊重するもの、それは国でも騎士の誇りでもなく、ただ一人の姪、在紗だ。

 解説でやたらとギャップを強調しているのでもっと堅い部分があるのかなと思ったけれど、ほとんど初めからテンション高くストーリーが繰り広げられる。
 在紗のシーンと駆真のシーンが交互に繰り返されながら、互いの出来事が微妙にリンクする。これが偶然でなければ、どちらかには世界にとって重要な人物がいることになるんだけどね。

 様々な世界観がカオスに混じりあうので、次の展開に向けての実験的手法という見方もできるかもしれない。

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