竜ノ湖太郎作品の書評/レビュー

ミリオン・クラウン (2)

評価:☆☆☆☆★


ラストエンブリオ (5) 集結の時、暴走再開!

評価:☆☆☆☆★


ミリオン・クラウン (1)

評価:☆☆☆☆★


ラストエンブリオ (4) 王の帰還

評価:☆☆☆☆★


ラストエンブリオ (3) 暴走、精霊列車!

評価:☆☆☆☆★


ラストエンブリオ (2) 再臨のアヴァターラ

評価:☆☆☆☆★


ラストエンブリオ (1) 問題児の帰還

二つの帰還
評価:☆☆☆☆★
 カナリアファミリーホームで暮らす西郷焔と彩里鈴華は、ようやくできた論文を久藤彩鳥に渡そうとしたところ、赤道を越えてやってきた台風に襲われる。その中から現れたミノタウロスに殺されそうになった彼らを救ったのは、逆廻十六夜だった。
 ミノタウロスから逃れるため、クイーン・ハロウィンの招待を受けた西郷焔、彩里鈴華、久藤彩鳥は、修羅神仏の住まう箱庭へと召喚されるのだった。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です!

次巻へのプロローグ
評価:☆☆☆☆★
 魔王アジ=ダカーハを倒した英雄となった逆廻十六夜だが、その勝利の仕方に対し、彼は葛藤を抱えていた。その葛藤を、御門釈天こと帝釈天は解きほぐす。
 一方、久藤飛鳥は、春日部輝は、新たな決意と共にそれぞれの道を選択するのだった。

 そして地球では、カナリアファミリーホームの西郷焔や彩里鈴華が、ホーム廃止の危機を迎えていた。そんな時、御門釈天が新たな出資者、久藤彩鳥を連れてくる。

 女王騎士フェイスレスの正体が明らかになり、ジン・ラッセルはノーネームを離れて封印された魔王を集めだす。第一部完、そして「ラストエンブリオ 1 -問題児たちの帰還(仮)-」の始まりへ。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く!

恐怖を抱えて踏み出す一歩
評価:☆☆☆☆★
 拝火教の三頭龍の魔王アジ=ダカーハが課す人類最終試練は、ついに審判の時を迎えた。帝釈天をはじめとする天軍の援軍は望めない。逆廻十六夜は、人生で初めて、自らの力だけでは勝てない相手に対して立ち向かっていく決意を固める。
 一方、魔王連盟の殿下やリンこと彩里鈴、ジン・ラッセルとペストの前に、遊興屋(ストーリーテラー)を名乗る人物が現れる。彼は、ジンたちの身柄を盾に、殿下にアジ=ダカーハへと挑むことを強制するのだった。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? そして、兎は煉獄へ

セーフティーネット
評価:☆☆☆☆★
 黒ウサギは分身体の二頭龍と戦い、ウサ耳と力を失って久遠飛鳥と共にどことも知れない場所へ飛ばされた。春日部耀も同様に生命の目録の力を奪われ、無力のまま力尽きようとしていた。そしてそんなときに皆を救ってきた逆廻十六夜は、拝火教の三頭龍の魔王アジ=ダカーハの圧倒的な実力の前に、命の灯を消そうとしていた。
 絶体絶命の状況の中、ノーネームのメンバーを救うため、これまで気づいてきたつながりが一気に芽吹き始める。そして、名前を失う前のアルカディアのメンバーも、箱庭に帰還し始める。はたしてピンチを切り抜けることができるのか。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! 箱庭の日常ですっ!

のんびりとほのぼの短編集
評価:☆☆☆☆★
 本編が風雲急を告げているのにもかかわらず、のんびりとほのぼの短編集!

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 暴虐の三頭龍

絶体絶命の戦場
評価:☆☆☆☆★
 魔王連盟の殿下との戦いで満身創痍の逆廻十六夜は、拝火教の魔王アジ=ダカーハから黒ウサギを庇い、絶体絶命のピンチに陥った。春日部耀と山羊座の星獣アルマティアに黒ウサギを託し、逆廻十六夜は必死の戦場で逃げる時間を稼ぐ。
 だが三頭龍の魔王は、その決意をあざ笑うように、分身体の二頭龍を二体飛ばし、春日部耀や久遠飛鳥を襲うように命じた。

 混世魔王によって体を乗っ取られてしまったサラマンドラと共に、魔王連盟によってジン・ラッセルが拉致されてしまい、覆海大聖蛟魔王こと蛟劉も行方不明という絶体絶命の状況を、ノーネームは凌ぎきることが出来るのか?

 ここまでが本編で、残りの半分は短編集となっている。あとがきによると、元々は短編集だったのだが、前巻の本編のキリが悪かったので、こういう構成にしたらしい。

「異邦人のお茶会」
 異世界からやって来た問題児たち、逆廻十六夜、春日部耀、久遠飛鳥が、ヘッドフォンのモヤモヤにケリをつけ、一部屋に集まって、元の世界にいた時の昔話をする。

「リリの大冒険」
 ノーネームの狐耳幼女リリが、黒ウサギへのプレゼントを探して、不思議な店に辿り着く。その店は、ギフトゲームをクリアした者にだけ買い物を許すのだが、そのギフトゲームが怪しい。その正体とは?
 逆廻十六夜、春日部耀、久遠飛鳥の料理の腕前も披露される。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月

人生初のピンチ
評価:☆☆☆☆★
 煌焔の都を襲う魔王連盟の殿下、リン、マックスウェルの魔王、混世魔王らを一時退けたノーネームらだったが、神格武具を使いすぎた黒ウサギは、ウサ耳を失ってしまった。
 その犠牲が加勢だ時間を無駄にしないため、煌焔の都に集うコミュニティをまとめた逆廻十六夜は、魔王たちを迎撃するためのフォーメーションを、リーダーであるジン・ラッセルや久遠飛鳥、春日部耀たちに伝達する。

 一方、ノーネームの留守を預かるレティシアの前に、フェイス・レスが現れる。彼女は箱庭に訪れつつある危機をレティシアに伝えるのだった。
 覆海大聖蛟魔王こと蛟劉が到着するまでの隙をつき、再度、襲い来る魔王連盟をノーネームは凌ぎきることが出来るのか?

問題児たちが異世界から来るそうですよ? ウロボロスの連盟旗

若き頭首の度量比べ
評価:☆☆☆☆☆
 煌焔の都で開催される階層支配者会議に、魔王連盟と戦った経験を評価されて参加することになったノーネームのリーダーであるジン・ラッセルは、レティシアたちに留守を任せ、ペストと共に、先行する黒ウサギや問題児たちに合流するため出発していた。
 階層支配者が集合するまでの間、それぞれの方法で時間を使うノーネームのメンバーだったが、それは新たなる戦いに至る出会いを生むことになる。

 煌焔の都で発生する神隠しに興味を持った逆廻十六夜は、マンドラに案内された現場で、「混」の一字を持つ怪しい人物と遭遇する。一方、久遠飛鳥は、ディーンの修理を任せたウィル・オ・ウィスプの仮工房で、レティシアにまつわる因縁のある人物と再会するのだった。
 父である春日部孝明の痕跡を探す春日部耀は、その作品が残された星海の石碑で、その手がかりを知るらしいウィラ・ザ・イグニファトゥスに出会うのだった。

 そして、出発準備に追われる白夜叉に代わり東の階層支配者代行となった覆海大聖蛟魔王こと蛟劉は、逆廻十六夜の存在に懸念を抱きつつ、煌焔の都を目指す。

 サンドラと再会し行動を共にすることになったジンと、ジンとの距離感に戸惑うペストを中心として今回の物語は展開する。なぜなら彼らが出会う人物たちこそが、箱庭に騒動をもたらす中心人物であるからだ。もっともみんなちっちゃい子たちなので、一緒にお風呂に入ったりとのんきにしか見えないところがいやらしい。
 アニメ化にあわせてテンポアップしているようなので、きっと次も盛り上がることだろう。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 降臨、蒼海の覇者

誇りを傷つける者への怒り
評価:☆☆☆☆☆
 “龍角を持つ鷲獅子”の階層支配者就任を祝う収穫祭に、レティシアを利用してかけられた襲撃を退けたノーネームは、その功績を以て昇格を果たそうとしていた。しかしそのためには旗印がいる。ジン・ラッセルは“六本傷”のポロロ・ガンダックと交渉し、連盟旗を以てそれに代えようとする。
 一方、巨龍との戦いで傷ついた鷲獅子グリーを貶めた“二角”のグリフィスと騒動になった春日部耀は、ギフトゲーム“ヒッポカンプの騎手”で彼と対決することになる。同じく仲間を侮辱された怒りに燃える逆廻十六夜もゲームに参加することになるのだが、ついに彼は、箱庭で初めて、自身の身体能力を凌駕する相手、覆海大聖蛟魔王と対峙するのだった。

 また、神格を返上し東の階層支配者を一時下りることとなった“サウザンドアイズ”の白夜叉は、黒ウサギを連れて平天大聖牛魔王の許へと向かう。彼女の目的とは?

 春日部耀の戦闘能力が大幅アップ。久遠飛鳥や逆廻十六夜の能力の起源の話題や、ノーネームに隠された秘密が明らかになり、物語が新たなステージに進むための戦力増強がなされる回となっている。
 また、イベント的には全員水着着用のギフトゲームが開催されたり、いくつかの因縁が生まれたり、色々と仕込みがなされている。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 十三番目の太陽を撃て

ドラキュラが生まれた理由
評価:☆☆☆☆☆
 現在不在の南の階層支配者の就任を祝い開催された収穫祭に、最強種である純血の巨龍が召喚された。そしてそれを成した魔王は、ノーネームのメイドと化した元魔王レティシアを攫っていく。
 そのことに激怒した逆廻十六夜はレティシアを救出しに行こうとするのだが、時を同じくして巨人族が龍角を持つ鷲獅子の拠点であるアンダーウッドを襲撃してくる。そして、レティシアをゲームマスターとする、救いの見えないギフトゲームが開催されるのだった。

 十六夜の大切にしているヘッドフォンを壊してしまった春日部耀は、彼に許しを請うべく誠意を見せようと頑張り、父である春日部孝明がこの箱庭の有名人出会ったことを知る。そして彼の残した生命の目録の真価に気がつくのだった。
 一方、いつも安全な所に残されることにいたくプライドを傷つけられている久遠飛鳥は、今度こそ、激戦の渦中で戦うべく志願するのだが、十六夜ににべもなく断られ、もし前線に出たいのならば、ジンとペストに勝つようにと、模擬戦を言い渡されるのだった。

 久しぶりに箱庭の貴族としての活躍のしどころを与えられる黒ウサギだが、やっぱり(笑)や(恥)がつく残念な展開に…。かつてノーネームを潰した魔王も暗躍し、かつ、大物の実力者たちもわんさか登場して、ド派手な構成になっている。
 でも、耀と十六夜の問題が残されたままになっているのは気になるなあ。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? そう……巨龍召喚

導きの因果
評価:☆☆☆☆☆
 黒死斑の魔王を倒すなど、下層の旗なし名なしのチームとしては破格の実績をあげたノーネームには、様々な階層支配者からのギフトゲームへの招待状が届くようになっていた。
 地球の各時代から召喚された逆廻十六夜、久遠飛鳥、春日部耀の少年少女は大喜びなのだが、ジンと黒ウサギから、本拠地の防御が手薄になるので全員でいっぺんに行くのはダメといわれて不満顔。参加者を決めるためのゲームを催すことになるのだが…。

 そんな中、圧倒的な実績を誇る十六夜や、現実に実績をあげ続けている飛鳥に対し、及ばない耀は自分の居場所がなくなるような不安を感じ始めていた。それを察した黒猫が、十六夜に対してとある嫌がらせをしてしまう。
 結局、先発を耀に譲った十六夜は、一緒に残った吸血鬼のレティシアに、自分の子供の頃の思い出話をする。それは、金糸雀という人物との出会いと分かれ、そして箱庭への誘いの物語だった。

 今回のバトル編には十六夜はほとんど不参加。次回の大規模な戦いでの大活躍までお預けといった感じだ。そして今回は、十六夜の過去と箱庭の意外な接点が明かされる。そもそも彼は何者なのだろう?
 東の階層では昔話が、南の階層では新たな戦いの予兆が、二本のエピソードが並行して、やがてそれが合流していく。これまでの2巻に比べて、若干、技巧的な構成になっていると言えるだろう。また、黒ウサギの白夜叉による陵辱ネタは、今巻でもあります。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? あら、魔王襲来のお知らせ?

彼女が見つける自分の居場所
評価:☆☆☆☆☆
 様々な時代の日本から異世界・箱庭へとやって来た逆廻十六夜、久遠飛鳥、春日部耀の3人の少年少女。彼らは若干の問題児で、召喚した黒ウサギを無視しし、面白いことを求めてやりたい放題。それを危惧したコミュニティのリーダー、ジン・ラッセルは、彼らに意図的にある情報を隠していた。
 しかし彼らを気に入っている東の階層支配者・白夜叉が、黒ウサギたちが隠していた情報、北と東の階層支配者主催の火龍誕生祭に招いてしまったため、さあ大変。3人は自分たちを捕まえられなければコミュニティを抜けると言う置手紙を残して、お祭に向けてGO!さすがに怒った黒ウサギは、形振り構わず彼らを追いかける。

 そしてやって来た北の地では、3人を招待した白夜叉の意図が明らかになる。それは、火龍誕生祭に魔王がやってくると言う予言の存在だ。そしてその予言通り、グリムグリモワール・ハーメルンに連なる魔王ペスト、ヴェーザー、ラッテンが、ギフトゲームのルールの裏をついて白夜叉の主催者権限を封じ、参加者を人質に取ってしまう。
 待ちに待った大ピンチ、魔王との対決の舞台。3人の出方や如何に?

 今回は戦後間もなくの日本からやって来た久遠飛鳥が主役。他の二人に比べ、直接的攻撃力を持たない、支配系のギフトを持つ彼女が、ラッテンフェンガーと名乗る小妖精との出会いを通じ、自分のあり方を見直していく。
 傍若無人に見える逆廻十六夜だが、意外に仲間に対してはきっちりフォローするし、色々と気を使う。それに知識量もかなりのもので、今回も切り札は彼のひらめきから生まれる。一方で春日部耀は、一応見せ場は作ってもらえるのだけれど、最後はリタイアであんまり良いところがないかも。何とか彼女にもチャンスを与えて欲しいところです。

 様々なネタが大量に詰め込まれているので、もうちょっと分かりやすく整理されていた方が、色々と伝わりやすいかも知れない。

問題児たちが異世界から来るそうですよ?YES! ウサギが呼びました!

少しは俺を楽しませてくれ!
評価:☆☆☆☆☆
 「己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの箱庭に来られたし」
 どこからともなくやって来た封書に入れられていた手紙に書かれたその文言に興味をそそられ、異世界へと召喚されることとなった少年少女たち。
 もはや学校へ行く理由もなくなり、有り余る力のおかげで退屈をもてあましていた逆廻十六夜は初夏の世界から、財閥の令嬢として何不自由なく暮らし、誰も彼女の言葉に逆らえない世界に飽き飽きしていた久遠飛鳥は真夏の世界から、動物の言葉を解し、逆に人間の友人が作れなかった春日部耀は初秋の世界から、彼らは箱庭の貴族たる黒ウサギに召喚され、異世界、ギフトと呼ばれる能力がルールを形作る、神魔妖なんでもアリの箱庭に降り立った。

 しかし彼らは元の世界でもてあまされた問題児の集まり。その力は魅力的だが、案内役の黒ウサギを無視してやりたい放題。潰れかけのコミュニティを救ってもらおうと彼らを呼んだリーダーの少年、ジン・ラッセルの目論見は脆くも崩れ去ったに見えたが、彼らの目的が、箱庭を支配する魔王から名と旗を取り戻すことだと知り、面白そうだと協力することになる。
 最初の勝負の相手は、魔王の威を借る虎のガルド・ガスパーが率いるコミュニティ。そしてその勝負に介入してきた箱庭の騎士と呼ばれる吸血鬼レティシアは、かつての黒ウサギたちの仲間だった。


 財物や命、才能をチップにしたゲームで勝利することで、全てを手に入れられる世界・箱庭。全てを手に入れられるということは、全てを失うというリスクも内包する。しかしそんな世界こそが、ギフトに満ち溢れた十六夜たちの望む世界。神様よ、魔王さまよ、せいぜい俺たちを楽しませてくれ、という感じ。
 それに振り回される、ミニスカ・ガーターベルト・巨乳・ピンク耳の黒ウサギがさあ大変。常識はずれで思惑の斜め上を行く彼らの行動に振り回され、気苦労が耐えない。しかし彼らは、きっちりと結果を出してくるから、文句も言えない。

 強大な力に奪われたものを、全てをかけて取り戻す。弱小卑屈のコミュニティが、強力な才能を持った少年少女の加入で、自分たちの目的を達成するための道筋を見つけていく。  若干、文章が弱い部分もあるのだが、抜群のイラストと絶妙でどんな風にでも生かせる設定が相まって、期待値は大きい。

ホーム
inserted by FC2 system inserted by FC2 system