近村英一作品の書評/レビュー

ノノメメ、ハートブレイク (3)

幸せの行方
評価:☆☆★★★
 東雲芽吹に弟子入りを希望する有明命という少年が現れる。師匠として3つの教えを授けた東雲芽吹だったが、有明命はその教えを受け、天王洲に告白する。
 生徒会長の恵比寿が暗躍し、天王洲との一日デート権をかけたバトルロワイヤルが開催される。

 シリーズ最終巻。

ノノメメ、ハートブレイク (2)

横入りする闖入者
評価:☆☆☆★★
 天王洲のミツの回収が甘いという最高神6人の決定に従い、ナナシという回収者が送り込まれている。恵比寿会長の黙認を取り付け、天王洲から東雲芽吹の回収者のポジションを奪ったナナシは、神様の栄養ドリンクで東雲芽吹のドーピングを行い、回収量を増やしていく。
 一方、ツンデレて東雲芽吹から離れた天王洲は、天界へ帰還しなければならなくなる。

ノノメメ、ハートブレイク

不幸な運命を切り開く
評価:☆☆☆★★
 神々からミツと呼ばれる人間がいる。それは、不幸な目にあうと金色の霞を出す人間だ。この靄は、神が食べると美味しい。嗜好品だ。この嗜好品を得るために、不幸な運命を課される人間が、ミツと呼ばれる。
 東雲芽吹はそんなミツの一人だ。下っ端の神である天王洲と学園生活を送りながら、日々、金色の霞を回収されている。彼に運命づけられた不幸とは、女性に振られまくるという不幸だ。だが、芽吹はそんな運命をものともせず、女性たちに告白をしまくり、玉砕しまくっている。

 学園で神を統括する恵比寿会長からの指示を受け、天王洲は芽吹を振られるための状況へと放り込んで行く。崩壊の危機にある野球部のマネージャー大崎円を助けるミッションを課されたり、同じくミツである後輩の十条友と仲良くなるよう仕向けられたり、その友の管理神であった木場真と漫才コンビを目指してみたりして、女性たちとの距離を順調に縮めていくにも関わらず、最後には必ず振られてしまう。

 第7回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作だ。コメディなのだからキャラクターがコメディになるのは仕方ないと言えば仕方ないのだが、コメディにならないシーンもあってこそ、コメディは生きるという気がする。

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