なめこ印作品の書評/レビュー

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? (16)

評価:☆☆☆★★


俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? (15)

評価:☆☆☆★★


いづれ神話の放課後戦争〈ラグナロク〉(2) ―魔眼の王と三神同盟―

戦力の増強
評価:☆☆☆★★
 孤島の学園で雷火が再会した妹は、ギリシア神話の主神ゼウスによって奪われていた。そんなゼウスたちギリシア神話と同盟を結ぶように強制された雷火は、いつかゼウスを下して天華を取り戻すことを誓う。
 そんな時、学園で生徒連続失踪事件が表ざたになり始める。そして雷火の前に、妹の櫛鉈姫子を探す櫛鉈撫子が現れる。妹を心配する姉の姿に協力を約束する雷火は、放課後、建速須佐之男命を宿す少女と争う赤髪の少年レオン・ブレイトブライトと出会う。

転生魔王の異世界スローライフ おいでよ魔王村!

異世界転生、勘違い魔王
評価:☆☆☆★★
 コモドオオトカゲを助けようとして車にひかれて死んだ、顔は怖くても心は優しい少年・道連佐丹は、異世界ルルナアンジュの女神インフェリアによって転生させられた。女神は自分の娯楽のために、彼を勇者として転生させ、今は何もしていない魔族を滅ぼさせようというのだ。
 ところが、魂にコモドオオトカゲが混じってしまったため、サタンの見た目はまるでドラゴンの様な姿になり、それに驚いた女神は彼を魔族領へと落としてしまう。

 先代魔王四天王のエルフのルッカの入浴場に落ちたサタンは彼女に魔王の生まれ変わりと見初められ、あれよあれよという間に魔王として即位させられてしまう。そのことに衝撃を受けながらも、人間と魔族の共生に希望を見出したサタンは、廃村を共存のための村として再興させようと思い立つ。
 廃村に住み着いていた盗賊を配下とし、元四天王のドワーフのペコンの協力を得て村の再興を始めた魔王の前に、女神が無理矢理勇者にした村娘アリカ・ブラウンがやってくるのだった。

いづれ神話の放課後戦争〈ラグナロク〉 ―魔眼の王と屈服女神―

神を屈服させて隅々までチェック
評価:☆☆☆★★
 十年前に降臨した神々による戦争の中で神の一柱により妹を奪われた神仙雷火は、その神に復讐するため、教会で戦う能力を磨いていた。
 戦後、世界において支配的力を持つようになった聖餐管理機構の背後関係を探るため、マリア・ミントと共に絶海の学園に派遣された神仙雷火は、鹿金涙々や天華と遊んだ放課後、人払いをした中で、神々に精神を乗っ取られた人々により、7つの神話の代理戦争が行われていることを知る。

 シャルロッテ・ラブペインにとりついたブリュンヒルデとの戦いの中、魔眼の王バロールの力を得た神仙雷火は、ブリュンヒルデを支配し、彼女をスパイとして神話代理戦争の内情を知ろうとする。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? (14)

平穏な日常の違和感
評価:☆☆☆☆★
 波乱烈火は、波乱の血の宿命に従い、生徒会長からの依頼で妖怪問題解決に駆り出されたり、文芸部の先輩の送り迎えをしたりして、平穏な非日常を過ごしていた。もちろん、彼には幼馴染の魔法使いはいたりしないし、宇宙人の知り合いもいたりはしない。異世界なんてない。…あれ?
 そして、街を襲うために現れるロボットたち。烈火たちは住民を逃がすために奮闘するが、ロボットの襲撃目標は烈火だった。やがてピンチに陥った烈火の前に、助っ人が現れる。

俺と彼女が下僕で奴隷で主従契約 (4)

お色気勝負
評価:☆☆☆★★
 学内ランク1位のピア・レイシスは、急速に実力をつけるハヤテとシェリーに興味を持つ。そして、シェリーのいう訓練を自分でも実践するために、ハヤテにお色気で迫るのだった。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? (13)

チートヒロイン
評価:☆☆☆★★
 烈火の通う三橋高校と響の通う十文字高校の合同文化祭がメイン。いきなりゲーム世界に閉じ込められたり、文化祭爆破予告に対処するために犯人の出す謎を解いたり。そして現れる黒幕とは?
 今回登場するヒロインのヨルンや不言冬子は、物語解決後の事後談も物語になりそう。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? (12)

時間を超えて
評価:☆☆☆☆★
 行き倒れの侍、四ノ宮ちりかを拾った波乱烈火は、彼女が過去からやってきて、仕えるいずこ姫をさらった黄金夜叉を倒そうとしていることを知る。
 そんな烈火の家に、チェルシー・マーガレットがシャーレン・ドットアイズを連れてくる。怪盗である彼女は、アトランティス王家に伝わる遺産の冠をかぶってしまい、取れなくなってしまったのだ。

 解呪のカギを探るため、アトランティス遺跡に向かった烈火たちは、亡霊の様な少女ニャニャン・アトランティアと出会う。彼女は滅亡したアトランティスの最後の王女であり、烈火たちにアトランティスの住民を救ってほしいという。
 その要望を入れて過去へと旅立った烈火たちは、当時のニャニャンと出会い、ラピュータ王に会いに行くことになる。

俺と彼女が下僕で奴隷で主従契約 (3)

ご褒美はハヤテ
評価:☆☆☆★★
 ディアスペル王立学院の学院祭であるエインヘルヤル祭が開催されることになった。メイド喫茶でバイトをしているシャーリー・シャルラッハロートを中心にコスプレ喫茶を行うことになり、ハヤテ・ミツルギはシャーリーがクラスに溶け込めるきっかけになれば良いと思う。
 そんな学院に、アリア・ヴァイスハイトの従姉で魔獣学者のリンネ・ブランケッシュがやってくる。表向きはハヤテに興味を抱く彼女だが、その真の目的は?

俺と彼女が下僕で奴隷で主従契約 (2)

お家の事情
評価:☆☆☆☆★
 ディアスペル王立学院で魔女騎士を目指すシャーリー・シャルラッハロートは、召喚獣として召喚したハヤテ・ミツルギと共に、八大饗宴のトップに立って、失墜した家の威信回復を目指すことにした。
 その第一歩として、ビクトリア・ヴェルデの姉であり当主でもあるシルヴァーナ・ヴェルデのクエスト依頼を受け、契約獣大好きなアリア・ヴァイスハイトや貞操観念が強い耳年増妄想女のキルル・デーメテールと共に、彼女の実家の近くへ魔獣狩りに出かける。ところがこのクエストには、ヴェルデ家のある思惑が隠されていた。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? (11)

身近の出来事
評価:☆☆☆☆★
 波乱烈火の身近で起きた出来事をつづる連作短編。

 波乱烈火の地元の教会に赴任してきたシスターのユリアと仲良くなったスズランだったが、彼女はエクソシストだった。スズランの主人であるロザリンド・C・バートリや、吉備桃音の保護する妖怪たちを狩ろうとするユリアに、スズランの言葉は届くのか。
 ハリッサ・ホウプの魔法で無人島に飛ばされてしまった波乱烈火と大友皐月は、仲間が助けに来てくれるのを待ちながら一夜を明かす。風邪で学校を休んだ常盤緑里の見舞いに出かけた波乱烈火は、熱っぽく潤んだ先輩の魅力を再認識する。

 恒例の家族行事である大友家とのバーベキューに、アイリス・フィネリタス・サイファーコールやエルも参加した。行き先の森の中で、地元の子供たちにいじめられている妖精のポピーを発見した波乱烈火たちは、ポピーたちに子供が近づかないようにするため一芝居打つ。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? (10)

宇宙ヒーロー誕生
評価:☆☆☆☆★
 波乱烈火が新たに遭遇したヒロインは、愛と情熱の天使ラシュエルだ。修羅場がエネルギー源だというラシュエルは、イリスや大友皐月らをあおりご満悦。
 烈火を連れて宇宙へと脱出したイリスだったが、特撮監督ヅィータ・ゼロニアの起死回生の特撮作品の撮影をポシャらせてしまい、撮影のお手伝いをすることになってしまう。

 ところがその撮影とは、本物の怪獣を相手に戦うヒーローを撮影するもので、特殊能力がない烈火の手には余り気味。そこに、魔法少女の格好をした林原霧という女子中学生が現れ、怪獣に戦いを挑むのだった。

俺と彼女が下僕で奴隷で主従契約

互いを預け合う関係
評価:☆☆☆★★
 ディアスペル王立学院で魔女騎士を目指すシャーリー・シャルラッハロートは、学院に秘密裏に契約獣召喚を行い、人間のハヤテ・ミツルギを召喚してしまう。
 記憶がないハヤテを契約獣だと学院に認めさせ、同居生活を行うことにしたシャーリーに対し、当初ハヤテは戸惑いを覚える。シャーリーがあまりにも無防備で、ハヤテの目を意識していないように思えるからだ。しかし、契約獣大好きなアリア・ヴァイスハイトや、貞操観念が強い耳年増妄想女のキルル・デーメテールと出会い、シャーリーの事情を知っていくことで、彼女の行動が理解できるようになっていく。

 そんなシャーリーを蔑むビクトリア・ヴェルデと模擬戦をすることになったハヤテは、自身の力を覚醒させることになる。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録(アポカリプス)!? (9)

忙しい夏休み
評価:☆☆☆★★
 波乱烈火の夏休みはとても忙しい。ヒロインたちみんなとプールに出かけ、一人ずつウォータースライダーを滑り降りたり、急遽開催されることになった軽文部の合宿で、常磐緑里と青春ラブコメをして吉備桃音や他のヒロインたちに怒られたり、昔エサをあげた仔猫が成長した猫又のアイが陥っている危機を助けたり、小さいながらもイベントが目白押しだ。
 そして未来からは、アールの一世代前の人工生命体であるエルが、波乱烈火を殺して戦争を回避しようとやってくる。

 今回は短編集の趣が強いけれど、いずれも夏休み期間中のイベントばかり。プールに、合宿に、夏祭りと花火大会と、夏らしくスタイルを気にするヒロインたちの戸惑いと、特に校内の準ヒロインたちの奮闘が中心だ。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録(アポカリプス)!? (8)

取りこぼしたものも取り戻す
評価:☆☆☆☆☆
 魔法の大家であるマーガレット家の秘宝を盗み、当主のナルテシア・マーガレットの逆鱗に触れた超能力組織の残党であるヤンと、彼が計画する世界に対する復讐であるサイキック・ハザードを止めたい壁抜け超能力者のエリシア・オットーに関わり、一度きりのタイムリープ能力を発動させた人気アイドルの言塚澪を助けた波乱烈火は、ハリッサ・ホウプの開発した里帰り魔法で言塚澪を異世界アブラアムに避難させようとして、先代勇者にして元魔王のザイア・ガルディン・ドゥス・コロナを封印から解くことになった。そして、元の世界に戻るため、コロナの能力で精霊界へと渡った波乱烈火は、風精霊リュン・シルフィードの妹を助け損なってしまう。

 複雑に入り組んだ物語を解きほぐし、それぞれに迫った、あるいは過ぎ去った危機からヒロインたちを助けるため、大友皐月、万丈響、アイリス・フィネリタス・サイファーコール、ロザリンド・C・バートリ、スズラン、リア・リヴァイアサン、望野つみき、シャーリー・マダガスカウェル・ブラッドという過去のヒロインたちの力を結集し、順番に解決していく。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録(アポカリプス)!? (7)

初めての挫折
評価:☆☆☆☆☆
 故郷である異世界アブラアムへ里帰りする魔法を開発したハリッサ・ホウプと共に、ちょっと異世界へ行こうということになった波乱烈火。しかしその前に、超能力者の組織に追われている女性エリシア・オットーと、彼女を追っていた人間に記憶を封じられたアイドル言塚澪に遭遇し、彼女たちの物語に巻き込まれてしまう。
 大友皐月、万丈響、アイリス・フィネリタス・サイファーコール、ロザリンド・C・バートリ、スズランがエリシアの事件に、波乱烈火、ハリッサ・ホウプ、リア・リヴァイアサン、望野つみきがハリッサの故郷に言塚澪を匿おうとしたことで新たな異世界に、それぞれ物語を展開することになる。

 超能力者と魔法使いの宗家ナルテシア・マーガレットとの争いに響らが関わっている間に、烈火は元勇者ザイア・ガルディン・ドゥス・コロナや、風精霊リュン・シルフィードと知り合い、絶望する彼女たちに希望をもたらそうとするのだが、烈火は初めての挫折を経験することになる。
 そして次巻へと続く。果たして烈火はハッピーエンドにたどり着けるのか?

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録(アポカリプス)!? (6)

思春期の手強い敵
評価:☆☆☆☆☆
 波乱烈火の日常は騒がしい。教室で居眠りをしていればアイリス・フィネリタス・サイファーコールがちょっかいを出してきて、それをたしなめてくる大友皐月と争いになり、そこにロザリンド・C・バートリが加わる。自宅ではハリッサ・ホウプと暮しつつ、アールからのセクハラ攻撃に耐えなければならない。街に出れば、テトラ・メトラ・レトラから料理を教わっている望野つみきの殺人的作品を食さねばならないし、リアが人間社会に溶け込むサポートも必要だ。

 今回は、物語の崩壊のような危険なイベントは発生しない。しかし、日常でも憎しみで人は殺せる。たくさんのヒロインたちと無自覚に戯れる主人公は、敵意の対象となるのだ。自宅の倉の掃除をしている最中に奇妙な壺を見つけた烈火は、不用意にそれを開けてしまう。だがそこには、散恋鬼咲耶姫という少女の怨霊が封じられていたのだ。
 そんな怨霊のせいで保健室の常連になってしまった烈火は、同じく常連の先輩、常磐緑里と知り合う。声が小さいために体を寄せて巨乳を当てながら話す彼女は、軽文部の部長だといい、廃部寸前の部活存続に協力して欲しいと烈火に依頼する。

 一方、万丈響から、カップルの男子をアフロにする幽霊を捕まえる手伝いをして欲しいと頼まれた烈火は、響とデートをすることになった。緑里に依頼してデートプランを練ってもらった烈火は、彼女の観察の下、響とデートをすることになるのだが、同じくアフロ幽霊を捕まえるために見回りをしていた生徒会長の吉備桃音に遭遇してしまうのだった。

 ヒロインを助けすぎると言うよりもヒロインに助けられる感じの展開となっている。まあそれはいつものことかもそれないが、今回はパーソナルサークルの狭いヒロインたちの活躍が多く、烈火はあまりの柔らかさに劣情と戦うことになる。それが最も手強い敵だね。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録(アポカリプス)!? (5)

弱者の最適戦略
評価:☆☆☆☆★
 フィネリタ星の王女アイリス・フィネリタス・サイファーコールのお誘いで、一泊二日の日程で常夏の惑星ベラノへ泳ぎに行くことにした波乱烈火。一緒に行くのは、大友皐月、ハリッサ・ホウプ、望野つみき、テトラ・メトラ・レトラ、万丈響、ロザリンド・C・バートリ、シルバースレイヤー改めスズラン、そして見えないけれどアールというメンバーだ。
 ベラノは大銀河連邦七十二議席の一角を占めるエスタシオンンの保護惑星であり、人魚族が住む星。偶然、王女レイン・ウォーターチャイルドの侍女マーレを暴漢から救ったことで、烈火たちは竜宮城へと招待されることになる。

 海底都市を観光中に知り合った研究者の少女シャーリー・マダガスカウェル・ブラッドと一緒に行動することになり、竜宮城で美味しいご飯を食べていたところ、彼女たちの秘宝である人魚の涙を狙い、宇宙海賊シーガイストが襲撃してくる。
 その騒動の中、宇宙海賊の一味である少女ファムを捕らえた烈火は、彼女に道案内をさせ、ロザリンドやスズランと共に、宇宙海賊の首領スクアーロに捕らえられたテトラやシャーリーを救出すべく、戦いに赴くのだった。

 今回はいくつものストーリーが複合的に絡み合うというよりも、ひとつのストーリーに複数のヒロインが登場するという方が適しているだろう。そしてそこには、宇宙における格差と、それに翻弄されながらも、精一杯生き抜いてきた歴史があったのだ。
 まあとりあえず、またもヒロインは増え、手に負えない度はますます上昇中であることは間違いない。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録(アポカリプス)!? (4)

思い出になり切れない思い
評価:☆☆☆☆☆
 本来の主人公をなくした“物語”が最後に頼るという「波乱の血筋を受け継ぐ波乱烈火は、「森羅の大魔法」大友皐月、「異世界の魔導士」ハリッサ・ホウプ、「宇宙人のお姫様」アイリス・フィネリタス・サイファーコール、「大衆食堂の看板娘」望野つみき、「地底人の娘」テトラ・メトラ・レトラ、「万丈の血筋」万丈響、「最強の獣」リア・リヴァイアサンというヒロインたちを救って来た。
 そのうち半分くらいは彼と同じ学校に転校して来て、ひとりは居候する始末。どのヒロインも烈火にアプローチをしてくるので、教室はデフォルトで修羅場だ。そんな修羅場に、ロザリンド・C・バートリが転校してくる。

 初めから烈火にべたべたしてくるロザリンドに、皐月やアイリスはおかんむり。しかし、ある瞬間から、皐月もアイリスも烈火にかまわなくなり、ハリッサも含めて、トリプルブッキングしたデートの約束すら忘れてしまう。
 響の示唆によって、それが“物語”の影響だとようやく察した烈火のもとに、「ホムンクルス」シルバースレイヤーと「トレジャーハンター」チェルシー・マーガレットがやってくる。シルバースレイヤーはロザリンドを殺す使命を帯びており、チェルシーは弟の病気を治すための「悪魔の壺」を求めていた。

 今巻は新ヒロインがたくさん登場する。しかし、これまで新ヒロイン同士は積極的に関わらず烈火のみがアイテムを共有する構成だったのに対して、今回はヒロイン同士が密接に関わってくる。それゆえに、ヒロイン同士の利益相反が主要テーマになるのだ。
 そんな厳しい状況を解決するのは、奇跡的な手段。そこだけがご都合主義的な気はするんだよなあ。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録(アポカリプス)!? (3)

一緒にいても良いかな?
評価:☆☆☆☆☆
 本来の主人公をなくした“物語”が最後に頼るという「波乱の血筋」。その血を受け継ぐ波乱烈火は、これまで異世界を含む多くの物語に巻き込まれ、泣いたままで終わるはずだったヒロインたち6人を助けてきた。そんな主人公としての生活にも慣れた気がしていた頃、烈火の前に万丈響という新たなヒロインが現れる。彼女は「万丈の血筋」という、波乱のヒロイン版の血を受け継ぐ人物だった。
 突然現れ、烈火に結婚しろと迫る響。意味が分からないながら、ひとまず話を聞くことにした烈火は、頭をぶん殴られたような気分にさせられる。波乱にしろ万丈にしろ、他人を巻き込んで傷つける迷惑な存在だから、自分たちが結婚して子供を作らなければ、誰も傷つかなくて済むだろうというのだ。

 その言葉を裏付けるように、響を狙って現れた異世界の魔科学者カルト・グラフィモアの攻撃で、ハリッサ・ホウプが覚めない眠りについてしまい、烈火は自責の念にかられる。そして、騒ぎを聞きつけて駆けつけた幼なじみの大友皐月についてくるなと厳しい言葉を継げ、響と二人、烈火はカルトを追って旅立った。
 残された皐月は、烈火の言葉に深く傷つき、頭が真っ白になってしまう。そんな彼女の目を覚ましたのは…。

 烈火と同じような運命を背負い、しかし子供の頃から自らを鍛えてきたヒロインが登場。そして烈火に対し、これまで彼が考えてもみなかった冷酷な考え方を披露する。烈火もその考えに従い、一度はこれまで助けたヒロインたちを突き放そうとするのだが、しかしヒロインたちの考えは彼とは違っていた。
 一巻と同様、他の異世界で見つけた方法が、また別の異世界を救うために利用可能だという構成になっている。一巻と一番大きく違うのは、烈火の姿勢の変化だろう。逆に、今回のヒロインは若干暴力的なので、ラブコメ的な描写は少ないかもしれない。デレるまでの被害が甚大。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録(アポカリプス)!? (2)

日常にもヒロインはいる
評価:☆☆☆☆☆
 波乱烈火は、16歳の誕生日に「波乱の血筋」に目覚めてしまった。この血筋は、救世主亡き後の物語に、最後の希望として介入してしまうという、究極の巻き込まれ体質だ。つまり、烈火に見捨てられたヒロインたちは、絶望の中で死んでいくしかない。
 それじゃあ、見捨てたりなんかできない、というところだけれど、あいにく烈火は一般人に過ぎず、それなのに巻き込まれる物語は魔法もあれば怪物もいるというハードなものばかりだ。

 幼なじみの大友皐月が継承する森羅の大魔法の過酷な運命から彼女を救い、国の犠牲になろうとしていた宇宙人のお姫様、アイリス・フィネリタス・サイファーコールに希望を与え、処刑されそうになっていた異世界の魔導士、ハリッサ・ホウプに生きる可能性を見せたことで、何とかピンチは乗り切った…はずだったが、烈火に惚れてしまった彼女たちが巻き起こす鞘当てで、精神が擦り切れそうになる毎日を送っている。

 それもこれも、未来から来た人工生命体の少女アールが、将来、烈火を巡ってヒロインたちが最終戦争を起こすなどと脅してくるからだ。何とかヒロインたちからひとりを選び出し、その子とゴールインすることが烈火に与えられたミッション。だけれども「波乱の血筋」は彼に次々とヒロインをあてがっていく。
 今回は、潰れる間際の大衆食堂の看板娘・望野つみき、魔物の封印を守ってきた地底人の娘であるテトラ・メトラ・レトラ、なにやら復讐に囚われる捕われの女性・リアがヒロインとなる。

 主人公自身には少しも特別な力はないのだけれど、彼に行為を寄せるヒロインたちはそれぞれ物語の主役になれる特別な能力の持ち主たちばかり。
 1巻で、最強の防御魔法の使い手と、超科学力の兵器群と、使い勝手の良い魔法の持ち主を手に入れた烈火にはもはや敵なしかと思われたが、今回のヒロインは力技ばかりでどうにかなる相手だけじゃない。潰れかけた店を建て直したいのだけれど、破滅的な料理センスの持ち主に看板メニューを作らせるという無理難題をどうにかしないといけないのだ。そしておそらく、そのメニューが完成する前に試食係の烈火は遠くへ旅立ってしまいそう…。

 だが今回も、前回と同様、それぞれの難題とそれぞれのヒロインを組み変えることで、何とかギリギリで解決していくことになる。しかし、前回のヒロインたちが強力すぎたため、彼女たちの影響を制限するために一時排除せざるを得なかったり、それぞれの難題の組み合わせが前回ほどスッキリとはまらなかったり、少し物足りない部分も正直言ってある。
 それに今回は、バトル物から少しだけ離れてギャルゲーっぽい展開も用意されているが、この部分もちょっとインパクトが薄い。次回ヒロインとして万丈響というキャラも登場したので、まだ続編はあるのだろうから、力技ばかりでない要素ももう少し加えて欲しい気がする。

 見返しの爆滅魔法少女のイラストは、あまりにも凄まじい破壊力だ。僕と契約して爆滅魔法少女になってよ…男だけど。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!?

世界が変われば常識も変わる
評価:☆☆☆☆☆
 波乱烈火は、16歳の誕生日に父親からある秘密を告げられる。それは、主人公が失われた物語に巻き込まれるという、波乱家の血にまつわる特性だ。その場では一信九疑くらいで聞いていた烈火だったが、それが本当であることを、翌日に思い知ることになる。入学式の真っ最中に、彼の目の前に旧陸軍の軍服を着た少女が現れたのだ。それも逆さまに浮かび、他の人間には見えない状態で。

 その少女、未来から来たという人工生命アールによれば、今後、波乱烈火が巻き込まれる物語において、彼がヒロインのフラグを立てっぱなしで回収しなかったばかりに、将来、それぞれのヒロインが烈火をめぐって争う「全ての戦争」が起き、メチャクチャなことになるというのだ。
 何せヒロインたちは物語の主役。魔法使いやら宇宙人やら、その力はとんでもないもの。本来ならば悪を倒すために振るわれるそれらが、ただ、男をめぐる対立に使われるというのだ!

 幼なじみでありながら、実はアカシック・レコードにアクセスできる魔法使いだった大友皐月に始まり、宇宙人のお姫様であるイリス・フィネリタス・サイファーコール、そして、異世界の召喚魔術師ハリッサ・ホウプと、今回彼がフラグを立てるヒロインたちは、とても多様だ。
 しかし、ただそれらが順番に彼のもとにやってくるわけではない。それらは入り乱れ、彼を巻き込み、同時に進行していく。そしてそのことが、巻き込まれ体質であるだけで普通の人間に過ぎない波乱烈火が、ヒロインを助けることができる、重要な伏線になっているのだ。


 タイトルからして最近の流行に乗った感があり、何となく敬遠したくなるところなのだが、ネット書店で軒並み品切れになっていたので買ってみたところ、意外に面白かったというのが本当のところ。
 まあでも、1巻で主人公はかなり強力な道具(=ヒロインたち)を手に入れてしまったので、今回と同様の流れていくなら、2巻は1巻ほど面白くならないかもしれない。しかしそれを良い意味で裏切り、さらなる驚きを生むことを期待したい。

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セイギのミカタ いちご模様は正義の印

変態たちの住む街
評価:☆☆☆★★
 じいちゃんの住む街に呼び寄せられた大小森正樹。そこは、変態怪人と露出狂の正義の味方が出没する街だった!
 街に入った途端に、変態怪人に追いかけられ、(精神的な意味で)絶体絶命のピンチに陥る正樹だったが、それを救ってくれたのが、爆乳のセイギのミカタ、ストロベリー・パンツァー。その正体は、正樹のクラスメイトの晴家いちごであり、彼女をそうしたのが正樹の祖父だったのだ!

 いろいろと人生を見つめ直したくなる事実を突きつけられ、全てを投げ出したくなってしまうものの、結局はセイギのミカタ見習いとして働くことになる正樹。その彼の体に隠された真実とは?

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