永原十茂作品の書評/レビュー

God Bravers 君の勇者に俺はなる!

神様との生き残りを賭けた勝負
評価:☆☆☆★★
 ある日突然、神様によって世界はプログラムであることが暴露された。本来、世界は退屈な神様が楽しく暮す環境を探るための実験場だった。人間は約六百万年前に神様の一人が紛れ込ませたウイルスであり、それを駆逐する作業をイベント化、人間の一人を魔王に選び、それを守り切れれば人間の勝利、魔王が殺されれば人間は滅亡ということになった。
 神様の一人コスモスにより、魔王に選ばれたことを知らされた高校生の榊ユウトは、翌朝の登校中に、白魔道士となった後輩の星崎湊に出会う。彼女と共に襲い来るモンスターを倒そうとしたのだが、魔王であるはずのユウトのレベルはなぜか1で、あとからやって来た格闘家の望月波に助けられる。

 ひとまず周囲には魔王ということを隠し、委員長で召喚士となった大空明音がクラスで組織したパーティからも距離を置きつつ、四天王と魔王軍を組織するため人材探しをすることにする。
 星崎湊の様子を探って黒魔道士の遠野美香と知り合いになったり、予言士の賀古都実雷の言葉に背中を押されたりしながら、彼がようやく手に入れる四天王の一人とは?

 別にそれが悪いというわけではないが、キャラクターの多くを他のライトノベルからモデルにもらっているように感じる。例えば「変態王子と笑わない猫。」の筒隠月子とか。借り物から初めてそれが自分の物になれば、たぶんもっと良くなる印象はある。
 世界全体に対する改変なのに、なぜ大人が出てこないかという理由付けがされているところは、設定的に良いところだと思う。

 第11回SD小説新人賞特別賞受賞作品だ。

ホーム
inserted by FC2 system