半熟作家と“文学少女”な編集者
- 垣間見えるのは、しあわせな空気
- 評価:☆☆☆☆☆
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高校生作家・雀宮快斗は井上ミウが嫌いだ。
オレの方が天才だし売れっ子だし、あいつよりも優れているのに、いつも比較される。第2の井上ミウって、なんだ?やつらはオレの方が井上ミウより才能で劣っていると思っているんだろうが、いずれ跪かせてやる。そんな調子で編集者と対していた快斗についた5人目の編集者の名前は、天野遠子といった。
表題作のほか、「半熟作家とスキャンダラスな淑女」「半熟作家と空騒ぎの学友達」「半熟作家とページを捲る“文学少女”」を収録した、ラストを締めくくる連作短編集だ。無事に薫風社の編集者となった天野遠子が、彼女にひとめぼれしながら、周囲の人間たちとトラブルを起こしつつ、シリーズの終着点まで突っ走る。
シリーズのもうひとりの主役である井上心葉は直接登場しないのだけれど、天野遠子や他の人物たちの口を通して伝えられる彼の動静は、なかなかに面白い。だいぶ裏側が表に出るようになっているみたい。
そしていつものように作品に仕掛けられているトリックだが、彼女は読者の知らない人ではありません。
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半熟作家と“文学少女”な編集者(野村美月)の書評/レビュー
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