ヒカルが地球にいたころ……(1) "葵"
- 残された人に想いを伝える
- 評価:☆☆☆☆★
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本当はお人好しなんだけれど、赤髪で目つきが悪くて、周囲からは恐怖のヤンキーだと思われているから友達もいなくて、高校に入ったら友達を作るぞと意気込んでいたのに、交通事故で入院してスタートを一ヶ月も遅らせることになってしまった赤城是光は、その初日に、皇子と称されるモテモテの男、帝門ヒカルと言葉を交わす。そのときに、頼みがあるといっていたヒカルと是光が再会したのは、ヒカルの葬式の席上だった。彼はその後すぐに、亡くなってしまったのだ。
これにて物語は一巻の終わり、とはならない。なぜならヒカルは幽霊として是光にとりつき、彼に願いをかなえて欲しいという。その願いとは、許嫁だった左乙女葵にヒカルの本当の想いを伝えること。しかし葵は、ヒカルの生前も女たらしな性格に反発し、死後はヒカルにまつわる話を聞こうともしない。それが入学前から有名になっていたヤンキーならなおのこと。葵の保護者的な位置づけである生徒会長の斎賀朝衣も、是光を葵に近づけさせようとはしない。
誤解されたまま死にたくないというヒカルの強い思いに感じるところがあったのか、ほとんど知り合いでもなかったヒカルの幽霊に付き合い、ハプニングから知り合った式部帆夏の協力も得つつ、是光は葵にヒカルの想いを伝えようとする。
だがその試みは難航し、是光の評判はどんどん悪くなっていく。そんなとき、報道部の近江ひいなが気になる話を是光にしてくる。それは、ヒカルが事故死ではなく殺されたというものだった。
…是光のキャラクターが小鷹に見えて仕方がない。
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