“末摘花” ヒカルが地球にいたころ……(5)(野村美月)の書評/レビュー


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“末摘花” ヒカルが地球にいたころ……(5)

画面越しに伝わる感情
評価:☆☆☆☆☆
 式部帆夏と交わした約束を守るため、赤城是光は彼女と一緒にプールに行くことになった。しかしそのスケジュールを相談しているところを若木紫織子に目撃され、暫定妹の特権を最大限に生かして甘えられてしまい、紫織子も一緒にプールに行くことになった。
 偶然、互いに新しい水着を買いに来たところを紫織子と帆夏は鉢合わせしてしまい、是光の領有権を巡って女のバトルを繰り広げることになる。帆夏も紫織子の意図するところを知り、彼女を隔離するため、級長の花里みちるの力を借りて戦いに臨むのだが…。

 一方、幽霊となった帝門ヒカルの心残りの次の相手は、本名も顔も知らないネット上だけでの付き合いだという、サフルールだ。彼女との待ち合わせの場所である喫茶店に行ったところ、ヒカルの異母兄の帝一朱に監禁されかけたところを助けてから初めて再会した左乙女葵がバイトをしており、それを保護すべく頭条俊吾と斎賀朝衣が客として監視していた。
 待ち合わせの顔も知らない相手をほったらかして葵と久しぶりの会話をすることになり、それからもこの店を舞台として、帆夏も紫織子が騒ぎを起こしたり、右楯月夜子が衆目を集める言動を取ったり、中々、本筋に入ることが出来ない。

 そんな状況の裏側では、帝門一族の今後の主導権の行方を争い、派閥の緻密な離合集散が繰り返されていた。

 相変わらず都合の良い女ポジションを受け継いだ式部帆夏が上げたり下げたり大変。是光もヒカルの言葉を反復したことでまた一人、少女を誑し込んでしまい、愛情と友情の葛藤も要素に盛り込まれてきそうだ。

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