“朝顔" ヒカルが地球にいたころ……(6)(野村美月)の書評/レビュー


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“朝顔" ヒカルが地球にいたころ……(6)

朝露の行方
評価:☆☆☆☆☆
 右楯月夜子と斎賀朝衣の話を立ち聞きしてしまった左乙女葵は、ショックを受けていた。それを見る赤城是光は心配するのだが、是光には弱いところを見せたくない葵は、事情を打ち明けない。
 一方、式部帆夏は、友人の花里みちるが赤城是光に恋をしたことに悩んでいた。そして、赤城是光にしばらく距離を置きたいと告げる。しかし、赤城是光にはその事情がちっとも分からず、混乱してしまう。

 帝一朱を後継としないために画策する斎賀朝衣だったが、頭条俊吾の父の頭条雅之は帝一朱支持に回り、孤軍奮闘の状態に陥っていた。起死回生の一手として、帝門家に影響力を持つ五ノ宮織女の助力を請うのだが、話は聞いてくれるものの首を縦に振ってはもらえない。
 帝門ヒカルの遺された約束を代わりに果たすために奮闘する赤城是光が応じる次の約束は、斎賀朝衣との間に交わしたものだ。嫌がる朝衣に無理矢理つきまとい、正面突破を図ろうとするのだった。

 次なる赤城是光の攻略対象は、氷の女王とでも称すべき斎賀朝衣だ。しかしそんな彼女を、帝門ヒカルは朝顔の君と称する。鉄壁に見える彼女には、優しさが隠されているというのだ。そして優しさゆえに氷結した彼女を、解かしてあげたいという。
 だが赤城是光にも悩みは多い。自分を怖がらずに話してくれるクラスメイトの式部帆夏の態度が理解不能なのだ。しかし、左乙女葵の様子がおかしいのも気になる。結局は、ヒカルのためだけで無く、自分のためにも、帝門家の跡継ぎ争いに関わっていくことになるのである。

 是光が頑張って字を書くシーンには、ちょっと泣かされてしまう。でもこれは、一定以上の年齢の人が抱く感想だろうなあ。

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