葉村哲作品の書評/レビュー

バロックナイト #3 Memory of Baroque: 幻象都市

気づきの旅路
評価:☆☆★★★
 幻象都市化した世界でキョウコを探し探偵事務所を開いている守部京耶の許に、自称悪の科学者レイニーデイズがボンデージ姿でやってくる。バロック、楠木瑠璃子、如月早香らと共に、その依頼にある「ニコラ・テスラの鉄金螺旋」を求めて死者の館へ旅することになった守部京耶だったが、トラブルにより、3チームにはぐれてしまうことになる。

 意味がわからんので、読んでいてとても眠いです。

バロックナイト #2 Fallen Angele:歪曲天使

剣をとる少女
評価:☆☆★★★
 バロックによってレガシーを用いたバトルゲームの世界に誘われた守部京耶は、キョウコによって自らが死神だったことを思い出さされた。影男として恐れられ、それでも殺人衝動に耐えながら普通の人間でいようとする守部京耶の前に、辻斬りジャックを名乗る少女が現れる。
 楠木瑠璃子から紹介された少女剣士の如月早香から、山城美佳という少女を助ける手伝いを頼まれた守部京耶は、それを成すために自らを危険にさらす。しかしそれは、彼が世界の敵となる第一歩だった。

 意味がわからんので、読んでいてとても眠いです。

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その9 最後の一年より

逆襲の宗司
評価:☆☆☆☆★
 《零白夜》白崎宗司のハーレム宣言により、《煉獄》森塚一乃、《道化師の栄光》沢村キリカ、《第一世界》白崎リリス、《煉獄》第一罪フェル、《煉獄》第二罪リアは白崎家に住み着いてしまった。
 女性陣はパジャマパーティをして結束を深めたり、隙あらば宗司を籠絡すべく、様々なシチュエーションで誘惑してきたり、完全に気が休まる時がない。しかし、宗司も現実として状況を受け入れ始めたので、将来について真面目に考えたり、逆に女性陣を攻めてみたりして、中々にバランスが取れてきた感じだ。

 そんなわけで今回は、主に自宅内で宗司とヒロインたちのいちゃらぶっぷりが繰り広げられる。そして新たな《煉獄》の人化も…。

バロックナイト

言い寄る少女が三人
評価:☆☆☆★★
 守部京耶はろくに話したこともないクラスメイトの銀髪紅眼の美少女バロックから、突然、愛の告白をされる。そして連れて行かれたのがゲームの世界だ。そのゲームで課されるクエストをクリアすると、レガシーと呼ばれる、過去の偉大な遺産を手に入れ、自分の力に変えることができる。それを駆使して最後の一人まで勝ち抜けば、「あたらしいかみさま」になれるというのだ。
 とくに興味がなかった京耶は即断るのだが、いつの間にかバロックは京耶の嫁ということになってしまった。さらには黒髪瑠璃色の瞳の美少女の楠木瑠璃子が現れ、突然京耶にキスをしてくる。加えて、混沌をつかさどるキョウコという少女も現れ、京耶を混乱に陥れていくのだった。

 基本的に作者の前作と同様に学園異能ラブコメという感じだ。設定的には「オーバーイメージ(遊佐真弘)」と近しいものを感じる。特に、主人公が過去の記憶を失っており、彼の過去を知っている少女たちが付きまとうところなどはそっくりと言えるだろう。
 一応異能バトルということにはなっているが、おそらくはそのうち、ラブコメ主体の展開になるに違いない。

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その8 ハッピーエンドプロローグ

なし崩しの成り行きまかせ
評価:☆☆☆☆★
 「ハーレム王に、オレはなる!」宣言した世界の敵たる《零白夜》白崎宗司に現実を思い知らせるため、《煉獄》森塚一乃、《道化師の栄光》沢村キリカ、《第一世界》白崎リリス、《煉獄》第一罪フェルは、これ見よがしに結婚情報誌を見て、新婚旅行の行き先などを話題にしたりする。…胃が痛い。
 ゲーム同好会の部室にはこたつが配備され、みんな仲良くこたつに入って楽しく遊ぶのだった。そしてヒロインたちの溝が十分に埋まり、宗司に対する共同戦線が確立されてきた頃、《煉獄》第二罪リアの声が響く。「…お布団、温めておきましたわ」もはや退路は断たれた!

 そして至るハッピーエンドとは、なし崩しの結果だった。このままだと、もう部室に行く必要はなくなるんじゃないかなぁ。

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その7 結末へ至る恋の病

ついでだから遊んじゃえ!
評価:☆☆☆☆★
 森塚一乃、沢村キリカ、白崎リリス。彼女らが持つ異能は無用の長物ではなく、世界の敵を打ち倒すために必須の力だった。その世界の敵の名は、白崎宗司。彼女たちが愛する少年である。そのことが明らかになった後も、これまで通りのラブコメる日常を続けるわけではあったが、そのひずみは確実に現れていた。
 ひずみそのいち、リリスが一人になって成長した。通称デカリス。しかし成長してびじんにはなったが、部分的には成長していない。ひずみそのに。キリカが小さくなって子どもになった。通称ロリリカ。小さくなったので、色々と小さくなった。そんな二人を見て勝ち誇る一乃。

 そして、全てをふっ切って楽になった宗司は、そんな彼女たちに対して攻勢に出る。しかしやはり敵はさるもので…。
 元々は自分たちに備わった異能に役割を見出さなければ、それに対して支払った犠牲が報われないと思っていた少女たちではあったが、その役割が少年を殺すことだと知ると、それに対する対応は分かれていくことになる。でもやっぱり、ただ一つ共通するのは、宗司のことが好きだということなのだ。

 今回は普段と違う外見をヒロインたちが持つので、それを利用して色々と遊んじゃっている感じに見受けられる。

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その6 End Time / End Game

新年は始まりの時
評価:☆☆☆☆★
 自分自身の異能<煉獄>を取り戻した森塚一乃に、白崎宗司は告げる。俺がお前の敵だ、と。しかし一乃はその現実から目をそむけ、「日常継続ゲーム」を提案する。敵であることを忘れ、今までと同じ様に日常を送ろう、と。
 食欲の秋、ダイエット、クリスマス、年越し、そしてお正月。沢村キリカや白崎リリスも含めて、いつものように宗司を誘惑してからかう日々を過ごしていた一乃だったが、宗司はリリスやキリカの前にも、打ち倒すべき敵として姿を現すことになる。

 基本的に、前巻から大きく何かが進展するわけでもなく、表面上はこれまでと同じ様に、部室で、家で、コスプレし、ロールプレイし遊ぶ展開となっている。
 また番外編として、モバイルサイトで公開されていたという短編を2本収録。日常でポジションが入れ替わった4人やら、不思議の国でファンタジーをする4人やらが描かれる。

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その5 この夜に奏でられるフィナーレ

いまさら気づいちゃったか
評価:☆☆☆☆★
 異能・煉獄<カサルティリオ>を失った森塚一乃が部活に出て来ない。心配して見に行った沢村キリカが見たのは、これまで白崎宗司にした数々の行為を思い起こし、変態妄想女だと思われているのではないかと悶絶する一乃の姿だった。…えー、だいたいあってる。
 そしてその宗司は、妹の白崎リリスに内緒で、拾った女の子を自室で飼ってる!異能を手放してしまった女の子と、異能自身、そしてその双方を知りながら互いに秘密にしている男の子。彼の目的とは一体何なのか?

 ブルマとか浴衣とかメイドとか、そして何とまさかの宗司コスプレまで登場する。エンディングは近いか?

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その4 彼女だけの「エピローグ」

部室じゃこんなことできないよ
評価:☆☆☆☆★
 夏休みに入り、森塚一乃と沢村キリカは白崎宗司の家に居候することにした。妹の白崎リリス×2も含めて、女の子たちに翻弄される毎日を送る。(基本的におうちの中でのプレイのみ)

 ただでさえハーレム状態なのに加えて、父親が送りつけてきたというネコ耳巨乳ロリ少女フェルが増えたため、混乱にはよりいっそうの拍車がかかり、宗司はそうとうに壊れ気味。果たして彼女の目的はどこにあるのか?
 お家の中だからこそ可能な、部室ではできないプレイが繰り広げられます。

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おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その3 エンドオフ・エンドレスエンド

同意があるからOKです?
評価:☆☆☆☆★
 夏休みを迎えて会う機会が減るかと思いきや、森塚一乃や沢村キリカは白崎宗司に会うために、おうちにだって行っちゃいます。それを迎え撃つのは、白崎リリス×2!
 夏休み前の部室掃除でいちゃいちゃしたり、夜の学校で花火をやったり、孤島で宝探しを楽しんだりしながらも、どこか壊れそうなものを必死で守っている様な感が否めない。

 リリスと宗司のファーストコンタクトの物語や、白崎父のあまりに親子なダメっぷリなども紹介される第3巻です。

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おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その2 さよならの週末はささやかな終末

役立たない異能の代償
評価:☆☆☆☆★
 見かけはクールビューティーぽいけれど思考は純情な森塚一乃と、銀髪でいつも元気に笑っている沢村キリカが、部室で白崎宗司をからかったりいちゃついたりする感じの作品です。宗司の妹の白崎リリスも乱入してきたりします。
 みんなそれぞれ異能持ちなんだけれど、大概くだらないケンカにしか使わないのであんまり意味は無い…と思っていたんだけれど、今回はそれに関して沢村キリカの哀しいエピソードが語られます。まあでも基本的には、男子1名女子4名による嬉し恥ずかし物語です。

 構成は14話に細かく分けられているけれど、ほとんど話はつながっているので、普通の章立てでも全く構わないんじゃないのかなとは思います。

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おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その1 ごく個人的な世界の終わり

日常にあこがれる少女たち
評価:☆☆☆☆★
 メンバーは男子が1人に女子が2人。ゲーム同好会の日常を描くと見せかけて、登場人物は全員が異能持ちで、女子メンバーは武器を振り回して必殺技名を叫ぶという非日常っぷり。でも、悪の大魔王も秘密結社も登場はしない。そこにあるのは、非日常の能力を持ちながらも日常にあこがれる少女たちの日々の記録だ。

 森塚一乃は白崎宗司に異能の秘密を知られてしまう。秘密を守らせるため、二人だけの同好会を作った一乃は、二人だけで放課後を過ごす。ゲーム同好会といいながら、ゲームなんてほとんどしない。宗司の人の良さにつけ込んだ、一乃による宗司イジリが活動の実態だ。
 そんな二人だけの活動に、沢村キリカが入り込んできて、宗司に対する攻撃力は2倍強になるのだった。

 世に多くある、いわゆる日常系の物語は、一見すると日常の学校活動を描いているように思えるけれど、少年キャラが多くの美少女キャラに囲まれていたりして、有り得ない状況になっているのがほとんどだと思う。つまり、日常に対する男子の願望がこれでもかというほどに詰め込まれている。
 他方この作品は、普通の少年が美少女にもてるという意味では他の日常系と同じなのだが、原点として、非日常の運命を持った女子が普通の生活にあこがれるという部分に違いがある。どちらも現実から程遠い点では似ているのだが、後者の方が少女の動機として妥当性が感じられるかも知れない。

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天川天音の否定公式 (4)

引き起こされる惨劇
評価:☆☆☆★★
 他の女の子と自分を比べたり、自分の依存体質を自覚してしまった天音がちょっとだけ弱気になってしまい、その隙間を埋めるように英子が前に出てくるようになっている気がする。シロコはいつものまんまだけど。
 文化祭の出し物は担任の強権発動でコスプレ喫茶に決定し、その準備や文化祭のイベントに心ときめかせる天音や英子だけれど、その裏では領域が雪道を狙って着々と包囲網を狭めてくる。そして引き起こされる惨劇。

 各キャラクターが持ち味を生かしているところは良いと思うけれど、最後の展開がボクの好みではなかった。

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天川天音の否定公式 (3)

避暑地の出来事
評価:☆☆☆☆★
 雪道、瑛子、天音、シロコの四人は瑛子の別荘を訪れる。部屋割も済んで自室に引き上げた雪道の目の前には、またしても少女が寝ていた。自動人形である彼女にコッペリアと名付けた雪道は、成り行きから、彼女に恋というものを教えることになる。
 雪道の一挙手一投足を見張り、少しでも怪しからん行動と思えば介入してくる瑛子、天音、シロコの三人。彼女たちの怒りが最高潮に達したとき、不思議な出来事が起きる。

 今回は学校からもバトルからもほとんど離れ、雪道と女性陣のからみがお話のメインになっている。しかし次は派手なバトルが予定されているので、嵐の前の静けさというところだろう。

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天川天音の否定公式 (2)

驚きの吸引力
評価:☆☆☆★★
 否定公式とか、虚構式とか、領域とか、本筋に関わるお話はあまり進まない。最後に少しだけ変化があるけれど、あとは雪道にまとわりつく女性キャラが増えて、それに天音や瑛子が嫉妬するという様な展開なので、キャラ同士のやりとりを楽しむ感じ。
 毎回いろんな話し方をするキャラを考えるのは大変だろうと思う。こうやってどんどん増やしていったら、大変なことになりそう。

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天川天音の否定公式

独自の理論を作るなら、説明しないまでもきちんと構築しきるべきなのでは?
評価:☆☆☆★★
 超常現象を再現するための否定公式を処理するデバイスとして巨大な剣を振り回し、何故か学校内で暴れまわる少女と、それに巻き込まれた形の少年の物語。何のために暴れまわっているのかは未だによく分からない。ゆえに、同意も否定も出来ない。
 個人的好みで言うと、キャラクターを作りこみすぎ。まともなしゃべり方をするやつが一人もいないのはいかがなものか。また、猫かぶりキャラも、猫をかぶる相手がいるから意味があるのに、すぐに登場人物全員にばれてしまっては意味がないのではなかろうか。せっかく舞台を学校にしたにもかかわらず、事件と無関係な人物が登場しないためなのだけれどね。
 そもそも、人間同士が争っている時点で、近代兵器による集団戦の方が勝率が高まるのではないかと思ってしまう。独自の戦理論を展開するならば、近代兵器が有効でないロジックを物語の中に組み込むべきだと思うのだが…。

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