藤八景作品の書評/レビュー
星とハチミツの存在証明(テスタメント)
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友人の群青寺蒼介や篠崎三輪と共に遊びに出かけた一番星光世は、最近、街を騒がせる神隠しに遭遇する。その正体は、声在狂奏のミリーという、相手を燃やし溶かす力を持つ存在と出会う。危うく殺されそうになった時、彼の前に現れたのは、千衣密音という少女だった。
千衣密音の導きにより、父の一番星光琳と、母の一番星世改から授かった、ザイという存在の力を覚醒させた一番星光世は、辛くもミリーから逃げることに成功する。そして、彼の学校に転校してきた千衣密音から、ザイの力を操る修正者と、それに対抗するイグザムを操る証明者の闘争の歴史を教えられるのだった。
意思を力に変える異能と、それを悪用するものたちから世界を守るために戦い始める少年たちを描く。だが、正直言うと、未だ素人の中二病という域を脱してはおらず、プロの作家には成りきれていない文章と感じた。「独りごちる」などという表現がお好みらしく、多用されている。
イラストの力で引き上げてもらうのは結構ですが、それに見合う描写力・構成力を目指して不断の努力を続けてほしいところだ。しかし、中二病は上手くはまれば一流のストーリーテラーに早変わりするので、期待したい。
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