真崎まさむね作品の書評/レビュー

そして不滅の神域封剣(レグナーレ) II

欲望の少女
評価:☆☆★★★
 如月武琉をルシア国に勧誘すべく、エリヴィラ・パラジャーノフとアーニャ・イリンスキーという少女が姿を現す。そして、神剣刀争に参加する武琉に、密かに妨害を仕掛けてくるのだった。

そして不滅の神域封剣(レグナーレ)

異世界から問題児が来たそうですよ?
評価:☆☆☆★★
 高校生ながら既に人生に飽いた如月武琉は、気づくと並行世界の神霊浮遊都市(エーテル・フロート)に召喚されていた。召喚したのは、最後の若いヤマト人である此塚咲耶だ。責任を感じた此塚咲耶は、元の世界に戻す方法が分かるまで、神霊浮遊都市における唯一の領土である自分の部屋に武琉を住まわせることにする。
 咲耶から、この世界に於いて科学を駆逐した最高兵器である神域封剣(レグナード)とその模倣物である偽剣(レプリカ)の存在と、その使い手を養成する封剣学園(デウスアトル・アカデミア)の存在を聞いた武琉は、元の世界では出すことの出来なかった自分の全力を出せる場を求めて学園に行きたいと言い出す。

 断り切れずに変装させて武琉を連れ出した咲耶だったが、ノエル・リーヴェンに見とがめられてしまい、理事長の仲裁の結果、武琉がノエルに勝利すれば入学を認めると言うことになるのだった。
 剣を持たないはずにも拘わらず、偽剣(レプリカ)をふるう実力者のノエルを圧倒する武琉。その姿に、咲耶の持つ【龍刀薄紅桜】に並ぶ神域封剣(レグナード)である【焔獅剣レーヴァティン】の持ち主オリヴィアが興味を持つ。

 とにかく、学園に入学を許された武琉だったが、ヤマト人の強力な遺伝子を求める女子たちにちやほやされ、一方、同じ理由で咲耶を求めるアルベルト・ブルーフォレストの陰謀に巻き込まれてしまうことになる。

失敗禁止! 彼女のヒミツはもらさない! (2)

秘密を守り切れ
評価:☆☆☆★★
 清水ショウの同学年の妹である清水聖が加入する聖流学園第二華道部は、部長の流泉寺クリス、スポーツ少女の海城カエデ、中二病気味の後輩の湊かりんという、美少女たちを有する謎の部活動である。その加入条件は、発動条件を満たすと失禁してしまうことだ。
 大好きな妹の秘密を守るために奮闘するショウではあるが、引っ越した幼馴染の犬居亜季が戻ってきたことで、騒動が巻き起こる。幼い時のある出来事で聖を恨むアキは、聖の秘密を暴こうというのだ。そしてアキには、それを可能にする人並み外れた嗅覚があった。

 シリーズ最終巻。色々と限界に達してしまったのでしょう。

失敗禁止! 彼女のヒミツはもらさない!

もらしてはいけない
評価:☆☆☆★★
 清水ショウの同学年の妹である清水聖が加入する聖流学園第二華道部は、美少女たちばかりを集めた部活として有名らしい。しかし、どんな活動をしているのか、全く表には出てこない。妹ラブな兄としては、妹が怪しい活動に巻き込まれていないか心配で、部活の様子を伺いに行くことにした。
 出会い頭に後輩の湊かりんの平らな胸をもみしだくという事故があったとはいえ、部長の流泉寺クリスにもあっさりと追い返されてしまったショウだったが、帰宅後に妹がある誤解をした結果、入部試験を受けられることになった。

 湊かりんとの壮絶な入部試験を経て無事に入部したショウは、初任務として、聖やかりんと同じ特性を持つスポーツ美少女の海城カエデを勧誘しに行くことになるのだった。

 出落ちに近いネタではある。そのネタをあっさり書いても良いのだが、“漏らして”はいけないヒミツで、ヒロインたちの名前が水に関わるということから想像して欲しい。そう、小さい頃にはしても仕方ないアレである。
 その秘密にまつわり、主人公がヒロインたちに関わってグショグショ寸前にまで追いこんじゃうことが繰り返されるわけであり、それ以外には特に中身はない。そういうシチュエーションと、恥ずかしそうな表情を楽しむという作品だろう。

 一応次巻に向けて、新たなヒロイン、犬居亜季が登場するようだ。

 第8回MF文庫J新人賞優秀賞受賞作品。

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