真代屋秀晃作品の書評/レビュー

レベル1落第英雄の異世界攻略

へっぽこパーティ
評価:☆☆☆★★
 父親がかつて救った異世界アストラフトに召喚されたケータ・アサギリはレベル1だった。父親のかつての仲間であり英雄養成学校の校長のローリエ・アシュトンクラウの庇護を受け学校に通い、元の世界へ帰る方法を探すものの、クラスメイト達からは馬鹿にされる日々を過ごしている。
 そんな時、帰還のヒントを探すため、父親の冒険をベースにしたゲームをプレイすることにしたケータは、ゲームオタク少女、リゼラ・シャルノーラと出会うのだった。

 ゲームをプレイしてレベル上げをする意欲を得たケータは、リゼラと共にかつて父親がレベル上げをした場所に赴く。しかしそこは観光地化しており、守銭奴の行商人のマレッタ・ハイ―ドマーチからぼったくられたり、魔族のハーフのナルミエ・ベルトワーズから魔王認定されたりしてしまうのだった。
 はたして彼が元の世界に戻れる日は来るのか?

韻が織り成す召喚魔法 (2) ―クレイジー・マネー・ウォーズ―

もう一本のマイク
評価:☆☆☆☆★
 音川真一の幼馴染である朝日奈緋奈が大阪から転校してくる。大悪魔マミラダ・リファソラ・メフィストフェレスと同格の悪魔であるアビゴールと契約していた彼女は、ラップバトル空間で負けるとお金を取られる魔道具「サタニックマイク」を手に入れていた。
 司馬坂軍馬を下しバスタ・リリッカーズの部長となった朝日奈緋奈は、音川真一も含めて厳しい練習を課す。一方、朝日奈緋奈にばかりかまう音川真一に対し、マミラダも不満を抱くのであった。

 さらには、新聞部の梨田公造にそそのかされた中学生の綿良辺良が、サタニックマイクを手に入れようとする。

韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ―

ヒップホップな悪魔少女
評価:☆☆☆☆★
 校則を順守させることに固執する生徒会長の音川真一は、夜原麻里子が校内に作った魔法陣をいじってしまい、大悪魔マミラダ・リファソラ・メフィストフェレスを召喚してしまう。契約するだけでは魂を取らないというマミラダが差し出してきたマイクを使うと、自動的にフリースタイルでのヒップホップバトルが開幕してしまい、それに勝てば相手に自分の意思を押し付けることができるという。
 自身のスキャンダルを暴こうとする新聞部の梨田公造や、問題児の司馬坂軍馬が所属するヒップホップ部の解散のためにそのマイクを利用してしまった音川真一は、悪魔の罠にはまっていくのだが、その悪魔が可愛く健気で悪気がないので憎めない。

 だが、生徒会長が悪魔に染められていくのを、エクソシストで副会長の森崎留華は許せなかった。強引な手法を使い、相手の意思を無視して自分の正義を押しつけようとする。それに対し、音川真一はどんな選択をするのか。

 第20回電撃小説大賞金賞受賞作品。単純に面白いところを伸ばして行った方がよさそう。変な教訓とかは似合わないのでいらない感じがする。

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