御影瑛路作品の書評/レビュー

僕らは魔法少女の中 ―in a magic girl's garden― (2)

復讐の時
評価:☆☆☆☆★
 魔法少女ホワイトノワゼットから魔法少女レッドザーネとの戦いに協力を要請された水無月岳哉は、伊集院麗歌の復讐のために危険な任務を受けることを決意する。だが、水無月岳哉を死なせたくない瀬戸リリィや岸波斬はそれに反対するのだった。
 前の戦闘で捕らえた魔法少女ボムホーニッヒに関して発生した事件から魔法少女レッドザーネとの戦いに多数の生徒たちを送り込むことが可能になったものの、その襲撃を察知していた魔法少女レッドザーネによって多数の生徒が死に、水無月岳哉は捕らわれてしまう。このまま人間は魔法少女の家畜となるしかないのか。

 第1部完的な終わり方。でも続巻はなさそう。ホワイトノワゼットの正体は最後まで読めば推理可能らしい。

僕らは魔法少女の中 ―in a magic girl's garden―

檻か籠か
評価:☆☆☆☆★
 魔法少女ホワイトノワゼットが作り出した閉鎖的象形空間に存在する学園「空殻ファーム」で、生徒たちは飼われていた。一週間に一人犠牲者が選ばれ、魔法少女の魔力を維持するために食われるのだ。
 水無月岳哉は愛する伊集院麗歌が次の犠牲者に選ばれたことで、魔法少女ホワイトノワゼットを殺し、この空間から脱出する計画を立てる。瀬戸リリィや岸波斬の協力を得て、魔法少女の側近である生徒会長の鬼崎暦を説得した水無月岳哉は、容疑者の集められたクラスを監禁し、怪しい生徒を殺す作戦を実行するのだった。

 しかしこの空間の外には、十三年前に起きた世界の終焉以降、彼らの知らない秩序が生まれていた。

Fランクの暴君 (2) ―天才の華麗なる暴虐―

ゲーム要素の絡む頭脳戦
評価:☆☆☆☆☆
 七星七海や乙坂芽衣の協力を得て神楽坂エリカを下した藤白カンナは、茅ヶ崎ユキトから奪った【虚構】のエフの仮面と「アンチリヴァイアサン」の組織を足掛かりに、さらに勢力を拡大しようとしていた。
 それを妨げるべく、神楽坂エリカの取り巻きであったフレンズ7序列二位の持田ユリアと序列五位の鴻巣桃が、乙坂芽衣を人質に藤白カンナを脅迫する作戦を実行する。

Fランクの暴君 (1) ―堕ちた天才の凱旋―

呪縛からの解放
評価:☆☆☆☆★
 頭脳、知力、体力、カリスマ性、統率力、容姿、素性のステータスが価値観の全てであり、七つの大罪を冠する君主たちによって統治される七星学園は、ランク上位者からの命令にはCCCモバイルにより強制力が与えられ、レイティングバトルによって生徒の優劣が定められる弱肉強食の世界である。
 現在、その学園に君臨するのは神楽坂エリカだ。中学時代、彼女の下で右腕を務めていた藤白カンナは、入学試験でミスを犯してしまい、最下位のFランクとして入学することになってしまう。その結果、エリカに突き放されたカンナは、七星七海や乙坂芽衣を味方に引き入れ、エリカを打倒しようとする。

あなたが踏むまで泣くのをやめない!!

良いとこばかりが好きなわけじゃない
評価:☆☆☆☆★
 亭主関白のパクメンを目指す高校生の岩下寿也は、色々あって自宅に9歳の幼女・白波瀬有澄を住まわせることになり、ドSに振る舞う彼女から踏みつけられる関係になった。しかし、その異常な関係にも慣れ、その中で上手くアリスをコントロールできるようになった気がする今日この頃。
 そんなある日、クラスメイトのネガティブ巨乳少女・黛千代子から、ポジティ部という部活に入ってネガティ部さを直したいと相談を受ける。彼女の部活見学に付き合うことになった寿也は、そこで小野田信平、苑原玲華、芹沢新奈という、またもや濃い人物たちと知り合いになってしまう。

 ポジティブに生きるために、リア充たちが生息するという原宿に遠征に出かけた部員たちだったが、そのあまりの威力に息も絶え絶え。真正ロリコンだがイケメンの河内亮を水先案内人にしようとするも失敗。そしてランチをしに入ったオシャレなカフェでは、千代子の中学時代のクラスメイト・三嶋久姫と遭遇し、人間関係崩壊の幕が開けることになる。
 アリスとの関係が安定期に入ったと見た寿也は、ネガティブでめんどくさい千代子の攻略に乗り出すことになるのだが、そこには彼の様々な誤算があった。

 隣人部っぽい活動を始めたり、めんどくさい女子に絡まれたり、知りたくない事実を知ったり、諦めずに突っ込んで行ったり、手に入れたものを失わないためにがむしゃらに活動する寿也。それは功を奏すわけだが、ラストは続巻がなければ、ギャルゲーのバッドエンドみたいな感じにもなっている。
 喫茶店のチェックリストは、チャックリストだったから恥ずかしいんだと思う。誤植が爆笑を生んだな。

あなたが泣くまで踏むのをやめない!

それってアウト?グレー?
評価:☆☆☆☆☆
 高校入学から一人暮らしをはじめた岩下寿也のところに、見ず知らずの9歳の少女アリスが現れた。しかも、寿也にイタズラされている風な自作自演の動画まで撮影し、それをネタに自分を泊めろという。家出をしてきたらしい。
 同じクラスで最近話すようになった黛千代子に現場を押さえられ、その誤解を解くためもあって、結局アリスを泊めることになる寿也。しかしアリスは、凄まじくセリフがドSだった…意味もよく分からず。

 えー、なに?ロリコンのコメディ?やっちゃった?しかも幼女の毒舌って…!見たいな感じではじまり、相当そのままの流れで行くのだけれど、最後はなぜかハートフルな家族物語みたいになり、しかもそのままでは終わらない!
 同じ年頃の黛千代子は、巨乳だけどとてつもないネガだし、まじめに見える委員長は真性のロリだし、どこをどう取っても、まともな登場人物は一人もいないかもしれない。

 今回はアリスメインのストーリーだったので、きっと次回は千代子メインのストーリーになるのかな。

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