三原みつき作品の書評/レビュー

魔技科の剣士と召喚魔王(ヴァシレウス) (14)

評価:☆☆☆☆★


魔技科の剣士と召喚魔王(ヴァシレウス) (13)

評価:☆☆☆☆★


魔技科の剣士と召喚魔王(ヴァシレウス) (12)

評価:☆☆☆☆★


魔技科の剣士と召喚魔王(ヴァシレウス) (11)

評価:☆☆☆☆★


魔技科の剣士と召喚魔王(ヴァシレウス) (10)

アメリカへの旅路
評価:☆☆☆☆★
 日本を統一し王となった一樹は、英国王アーサーや梁山泊の呂尚香と共に、未だ旗色を鮮明にしていないアメリカの情報を得るため、騎士学院の仲間たちとともに豪華客船で出航する。
 楽しい旅路の終盤、魔境化した幽霊船と遭遇した一行は、そこで死んでいる多くの奴隷を発見し、ただ一人、動いていた少女を助けてステラと名付ける。

 アメリカ沿岸を警備していた船と戦闘の末、ようやく上陸を果たした一行は、ラスベガスで歓待されながら、北アメリカ大陸が、インディアン神話とアメリカンジャスティス神話に分かれて内戦中であることを知るのだった。
 いずれの神話と手を結ぶべきか。それを知るため、双方と接触を図る一樹は、醜い真実を知ることとなる。

魔技科の剣士と召喚魔王<ヴァシレウス> (9)

母の思い
評価:☆☆☆☆★
 八咫鏡、八尺瓊勾玉は大和側に奪われてしまった。一樹は草薙剣を確保するため、極寒の富士山へと挑む。魔力がないためパーティメンバーから外されそうになった鼎は、自身の剣技を研ぎ澄まし、魔力の中心を切断して魔法を中断させる技、神域を開発するのだった。
 そんな鼎の前に、七十二柱の悪魔のうち、唯一契約者を持たないベレスだった。

魔技科の剣士と召喚魔王<ヴァシレウス> (8)

神器争奪戦
評価:☆☆☆☆★
 三種の神器争奪戦へと変化した大和と日本の戦い。チームを組んで富士山樹海へと潜入する一樹は、龍瀧姉妹と共に最奥部を目指す。一方、ロキの力を受け入れることにした移香斎は、レベル1を省略してレベル2へと潜入、神器を手に入れようとしていた。

 英王がのんきにしている中、露王が大和につき、伊王がバトルを楽しもうとしている中、ベアトリスクは部下に扇動され、大和について一樹を手に入れようと画策を始める。果たして神器の行方はいずこに?そして最奥部で一樹を待つ存在とは?

魔技科の剣士と召喚魔王<ヴァシレウス> (7)

大国の介入
評価:☆☆☆☆★
 中華道国の介入が明らかになり、他の魔法大国は日本と大和の間の戦闘を停止させるため、日本に乗り込んできた。正式な停戦を迎える前に、少しでも大和の戦力を削るため、ロッテと林崎一樹は大和の神器庫である石上神宮を襲撃する。
 待ち受けていた第36代愛洲移香斎と戦闘になるものの、中華の戦士孫小龍とロシアの王イリヤエリア・ムーロメツの介入により強制停戦となってしまう。

 日本では魔法や宗教が政治的な主導権を握っていないため、魔法大国との交渉から締め出される一樹だったが、そんな彼の前に英国の王アーサー・ヴァシレウスが姿を現す。

魔技科の剣士と召喚魔王<ヴァシレウス> (6)

影流の開祖
評価:☆☆☆☆★
 高杉孝允と背後の中華道国によって東西分割された日本を元に戻すため、香月花音や八雲茜のいる騎士団と連携し、西日本へと攻め込んだ林崎一樹、音無輝夜、星風光、天咲美桜、氷灯小雪、疋田琥珀、塚原一羽らは、愛知を取り戻し、桂華玲を味方に引き入れた。
 大和に味方する日本神話の荒神を正気に戻すため、アマテラスのいる伊勢神宮に潜入した林崎一樹と塚原一羽の前に、アマテラスの斎王である神邑いつきの使う八咫烏と、アマテラスを取り込もうとする出雲のスサノオの契約者である第36代愛洲移香斎が現れる。

魔技科の剣士と召喚魔王<ヴァシレウス> (5)

国を割っての戦乱
評価:☆☆☆☆★
 総生徒会長戦挙三位決定戦は、音無輝夜と星風光という、魔技科生徒会の因縁の対決となった。
 そして決勝は、林崎一樹、天咲美桜、疋田琥珀、塚原一羽のチームと、桂華玲や林志静ら大陸のスパイ容疑のかかるチームとの対戦となる。新理事長の高杉孝允によって妨害がなされる中、林崎一樹は総生徒会長の座を勝ち取れるのか。

 統一選後、しばしの休息の後、再び混乱が訪れる。騎士団中部管区師団から敗走してきた元魔技科生徒会長の香月花音と副会長の八雲茜が、西日本独立の報を伝えてきたのだ。日本神話の神々を荒神かさせて操り、騎士団を敗走させて独立を宣言した組織の首班は、学園から失踪した高杉孝允だった。

魔技科の剣士と召喚魔王<ヴァシレウス> (4)

総生徒会長戦挙はじまる
評価:☆☆☆☆★
 日本政府の勢力図が変わり、ベアトリクス・バウムガルトら北欧騎士団はシャルロッテから手を惹かざるを得なくなった。校長となった天咲美桜の養父の推薦で総生徒会長を目指さざるを得なくなった林崎一樹は、中国拳法の使い手の襲撃を受けて心臓を止められてしまう。
 新たに理事長となった高杉孝允は、天咲校長の意向に反し、魔技科と剣技科から二人ずつ選抜したチーム戦によって総生徒会長を決めるように主張する。さらには、魔技科生徒には武器使用禁止の、剣技科生徒には魔法使用禁止のルールが課されてしまう。

 事前の調整で、林崎一樹、音無輝夜、星風光のそれぞれをリーダーとするチーム編成をしていたものの、林崎一樹のチームは天咲美桜、疋田琥珀、塚原一羽という個性派ぞろいで、ルール上は不利になる面が多い。さらには、桂華玲や林志静という剣技科や魔技科でこれまで目立たなかった生徒たちが総生徒会長戦挙に出馬を表明してくる。そこには新理事長と、その裏にいる中華道国の思惑があった。

魔技科の剣士と召喚魔王<ヴァシレウス> (3)

打破すべき陰謀
評価:☆☆☆☆★
 国立騎士学院魔技科に入学した林崎一樹は、日本が契約する神魔である七十二柱の悪魔を統べる王たるレメゲトンと契約した。しかし、レメゲトンの存在を知った日本国政府は林崎一樹が王となることに拒否反応を示し、天咲理事長や音無校長は、彼が北欧騎士団に命を狙われるロッテを助けたのを利用し、彼を犯罪者に仕立て上げて追われる身とした。
 そんな彼らは剣技科の疋田琥珀と、彼女が懇意にする塚原一羽によって匿われることになる。一羽はフツヌシノカミという日本神話の神との契約者であり、琥珀は魔技科を打倒する目論見に利用できると見たのだ。

 生徒会長の音無輝夜や副会長の星風光と対立することになった林崎一樹は、自身の濡れ衣を晴らすため、天咲美桜や氷灯小雪と共に、学院地下にある謎の施設へと潜入していく。そこで彼が見た、日本政府の暗部とは何か?

魔技科の剣士と召喚魔王<ヴァシレウス> (2)

庇護欲をそそられる
評価:☆☆☆☆★
 男性で初めて謎痕(エニグマ)を発現した剣士の林崎一樹は、国立騎士学院魔技科に入学し、日本が契約する神魔である七十二柱の悪魔を統べる王たるレメゲトンと契約した。しかしレメゲトンの存在は一般に知られてはおらず、しかも能力を使用するためには、他の契約者たち、即ち女子を攻略してデレさせなければならない。
 早速、幼なじみの天咲美桜をデレさせ、生徒会メンバーである音無輝夜、星風光、氷灯小雪を攻略対象とする林崎一樹の前に、ドイツからの留学生ロッテが現れる。彼女は王族でありながら、国の定める以外の神魔と契約したために、亡命してきたのだ。そんな彼女を処刑するため、北欧騎士団の女騎士が来日する。

 攻略対象に世間知らずで幼い金髪少女を加えてみました、というラブコメ路線を展開しながら、レメゲトンを疎ましく思う既得権益者たちの陰謀により追い詰められていく林崎一樹を描いている。

魔技科の剣士と召喚魔王<ヴァシレウス>

ハーレムを作って日本を守る
評価:☆☆☆☆★
 十五年前、ヴァシレウス・ヴァシレオーンを名乗る錬金術師が人類の歴史にもたらした賢者の石は、一部の人々を魔法の力に目覚めさせた。歪界から神魔を召喚する資格を持った人間は、十四歳になると謎痕(エニグマ)が生じ、神魔との契約によって聖痕(スティグマ)とすると、聖痕魔法使いとなり召喚魔法を行使できるようになる。
 剣の才能を見込まれ、なのはな院から林崎家に引き取られた林崎一樹は、魔眼鬼人と呼ばれるほどの剣士に成長した。しかし、その手に謎痕が生じたことで、剣士の夢を捨てて国立騎士学院魔技科に入学しなければならなくなってしまう。

 同じく剣技科で生徒会長を務める林崎家の実子であり、風神子猫の異名をもつ林崎鼎には、魔技科を辞めて剣技科に移るように再三ねだられるものの、せっかく授かった才能を生かすべく、魔技科で修業を積むことにする。しかし、これまで謎痕が生じたのは全て女性であり、当然、林崎一樹の生徒は女子ばかり。加えて、魔技科は剣技科を見下す傾向があり、魔力が少なく剣術を得意とする林崎一樹は、虐げられる対象になりかけてしまう。

 だが、日本政府の契約する神魔であるソロモン七十二柱との神魔契約において、フェニックスと契約した天咲美桜、ウェパールと契約した氷灯小雪に続き、謎の神魔レメゲトンと契約した林崎一樹は、一年生で契約に成功した3人の一人として、生徒会役員の暮らす魔女の館に住むことになるのだった。
 生徒会長にしてアスモデウスと契約する音無輝夜、バールゼブルと契約する副会長の星風光らと暮らすことになった林崎一樹だが、レメゲトンからその能力が、デレさせた女の子の契約している神魔の召喚を可能にする能力だと聞かされ、意に沿わないながらも、ハーレム王を目指すことになるのだった。

 剣と魔法のファンタジー設定でありながら、学園ラブコメでハーレム王を目指すという、ハイブリッドな物語となっている。しかしそれが下品な結びつき方ではないので、それぞれに楽しむ余地はある。
 現状ではファンタジー分が強く、ラブコメ分は添え物程度であるが、個人的には良いバランスだと思う。

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