水瀬葉月作品の書評/レビュー

鮎原夜波はよく濡れる

びしょびしょに濡れるほど強くなる
評価:☆☆☆★★
 かつて溺れかけた影響で今も水に対する恐怖がある新高校生の渚野陽平は、ある日、子供を噴水に突き落としたと思しき少女と遭遇する。子供の母親である女性に叱責されているのを横目に見つつ、その場を後にした渚野陽平は、その後、その少女が学校のプールに飛び込んで浮き上がってこないのを目撃し、決死の思いでプールに飛び込んだ。
 そして目を覚ました渚野陽平が見たのは、一面が海に覆われた世界に浮かぶ、学校の姿だった。再会した少女の鮎原夜波や、彼女の友人のミト(水戸兼貞)、そして彼女たちのボスだという見た目が幼女のウンディーネであるガラテア・ネレイデスから、ここが並行世界であり、彼女たちが戦士であると教えられる。

 戦士とはどういう意味かよく分からないが、とにかく、元の世界に変えるまでにはもう少し準備が必要と言うことで、周りの海におっかなびっくりしながら、農園を管理する少女の檻崎塔子に罵倒されたりしながらうろうろする渚野陽平は、突如鳴ったブザーと、その後に起きた出来事から、彼女たちの役割と、自分たちの世界に起きている危機を知ることになる。

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