森田季節作品の書評/レビュー

神聖魔法は漆黒の漆原さん (2)

ぱんつが見えると魔力が上がる
評価:☆☆☆★★
 幼なじみの漆原眞如花は、神聖な暗黒魔法の魔女だった。魔女たちの勢力争いに巻き込まれることになった竹林大介は、《黒い狗》という秘密結社に身体を奪われ、魂を死神に駆られる寸前で、暗黒魔法によって仮の体に魂を入れることが出来た。そもそも、竹林大介の妹の竹林小秋も巫女であり、彼自身も魔女の世界と縁が深かったらしい。
 仮の体で松森章介と名乗り、神宝学園の学園長である高田良子の協力も得て、高校生活を送ることになった大介だったが、灰島縁と身体が入れ替わるというトラブルに見舞われてしまった。それを何とか切り抜けたものの、また問題に見舞われることになる。生徒会長の猪上涼鹿と副会長の舞茨蝶子により、女子生徒のスカートが、うんと短くなったのだ!

 それだけならば目の保養になるだけのことなのだが、その後、急激に眞如花の魔力が上昇する現象が発覚する。物事を素直に受け取る眞如花は、魔力が上がったことを喜び魔法を使いまくるのだが、灰島縁は都合が良すぎると事態を怪しむ。そしてそんな不信と同時期に、生徒会長たちの陰謀を探り出そうとしていた委員長兼担任の海龍寺きりんの魂がくまのぬいぐるみに入り、代わりに大介の魂がきりんに入るというアクシデントが発生してしまうのだった。

 入れ替わりもののハーレム系ラブコメとしか言いようがない。

神聖魔法は漆黒の漆原さん

幼なじみは魔女だった
評価:☆☆☆☆★
 竹林大介はとんでもない不幸体質だ。幼い頃から色々と不幸な目に遭ってきたが、今回は極めつけ。7年ぶりに幼なじみの漆原眞如花に会いに出かけたら、間違った駅で電車を降り、しかも突風で崖から転落してしまう始末。リサイクルの死神さんに魂を持って行かれる寸前で、目を覚ました大介の魂は、別の体に入っていた。
 実は眞如花は代々続く神聖な暗黒魔法の魔女であり、ふわふわと浮かんでいた大介の魂を捕獲して仮の体に入れてくれたらしい。直ぐに元の体に戻れるはずだったのだが、元の体は何者かに盗まれてしまい、仮の体で松森章介として学校に通うことになる。

 学校では委員長兼担任だという海龍寺きりんにからまれたり、授業をサボってばかりいる灰島縁と知り合ったり、目立たなく過ごすはずがとてつもなく目立つことになってしまい一苦労。しかも、実は魔女だった縁によってクマのぬいぐるみに魂を入れられたり、縁と体が入れ替わったりしてしまい、別の意味でも苦労することになる。
 そもそもなぜ大介はこんな目に遭うのか、妹の竹林小秋から意外な真実が明かされ、彼も魔女同士の争いに無関係ではなくなってしまうのだった。

 ご覧の通りの学園ラブコメ。久しぶりに会った幼なじみは美少女になっていたのに中身は昔と変わらず大介にべったりしてきたり、無愛想で怖いと思っていたクラスメイトの意外な素顔を知ることになり気持ちが近づいたり、権力志向の少女をへこましたことで懐かれたりする。
 普通の少年はこんなおいしい目に遭うことはないから、ずっと仮の体で過ごすがいいよ!

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