裕時悠示作品の書評/レビュー

29とJK (5) 〜消えない模様〜

評価:☆☆☆☆★


29とJK (4) 夢のあとさき

評価:☆☆☆☆★


俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (13)

評価:☆☆☆☆★


29とJK (3) 〜社畜のいやしはJK〜

評価:☆☆☆☆★


29とJK (2) 〜大人はモテてもヒマがない〜

評価:☆☆☆☆★


29とJK 〜業務命令で女子高生と付き合うハメになった〜

評価:☆☆☆☆★


俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (12)

評価:☆☆☆☆★


俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (11)

評価:☆☆☆☆★


俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (10)

評価:☆☆☆☆★


踊る星降るレネシクル (6)

祭りの復活
評価:☆☆☆☆★
 ベツノカの結界によってミカホシに闘争心は無くなった。ランカーバトルも廃止されてしまう。
 三人の少女たちを救う手段を探すレンヤは、カクさんの協力を得て、ランカーバトルの復活にその可能性を見出す。そのためには、達人・鳴神うみみが持つ天津御統剣が必要で…。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (9)

新たな関係の模索
評価:☆☆☆☆★
 真涼を見捨てられずハーレム王になる決意を固めた鋭太は、愛衣とカオルに相談の上、生徒会長になることで様々な問題を同時に解決しようとする。
 しかし、ハーレムを作ることにヒロインたちが同意するかは分からない。そして姫香からは意外な答えが…。新年度が始まり、彼ら彼女らが新たな関係を模索する。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (8)

覚醒、偽装ハーレム王
評価:☆☆☆☆☆
 季堂鋭太が医学部を目指す理由が春咲千和の脚を元通りにするためだと夏川真涼から暴露された冬海愛衣はショックを受ける。予備校から飛び出した彼女を追いかける季堂鋭太だったが、追いついたところに現れたのは、男と失踪した母親の季堂美星だった。
 季堂鋭太を諦めきれない冬海愛衣に対し、遊井カオルは妹の遊井カオリや、秋篠姫香なども含めて、ハーレムを作ってしまえば良いとけしかける。

 保護者の桐生冴子と合意の上、二年生になるまでの期間を仮の親子関係復帰期間とした季堂鋭太は、母親との生活をこなしつつ、最上ゆらの紹介で現役の整形外科医の話を聞き、自分の将来について再度思いをはせる。さらには、どんどん壊れている夏川真涼の真実を知ることになるのだった。

踊る星降るレネシクル (5)

取り戻すための戦いの始まり
評価:☆☆☆☆☆
 乾闇鳴の妹・乾乾に乗り移った初代星柱の姉に石にされてしまった連動レンヤからレネシクルを託された舞波すまるは、彼を助け出したいという気持ちを、千陽院狼輝と千陽院莫迦奈の野望のために知らずに利用されてしまう。
 同じくレンヤを助け出したい沙良瑞希や七曜なななも、自らの命を賭けて行動すべきか悩み、自らのとるべき道を選択するのだった。果たしてレンヤは彼女たちが命を賭けるのに相応しい男になれるのか。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (7)

前向きになれない後ろ向き
評価:☆☆☆☆★
 季堂鋭太と夏川真涼の偽装恋人関係が正式に解消された。自演乙の会は、季堂鋭太と春咲千和が結ばれるように活動するというのが会長の意向だ。もっとも、冬海愛衣は自分の時代が来たと喜び、一人で盛り上がっているが。
 春咲千和は自分が出来ることを少しずつでも増やそうと努力をはじめ、秋篠姫香は自分の内側にわだかまっていた妄想を昇華し、外部に発信する活動を始める。みんな、成長した自分を目指して歩み始めている。

 もっともその一歩を踏み出しているかのように見える夏川真涼だが、実はもっとも後ろ向きになっているのが実情だ。自分の思いを諦め、代償行為によってそれを満たそうとしている。だがその事実を季堂鋭太は未だ知らない。

 そんなとき、季堂鋭太の前に夏川真涼の父親が現れる。

 遊井カオルと夏川真那の交流を描く短編も収録。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (6.5)

恋愛脳の復讐
評価:☆☆☆☆★
 「俺の彼女と幼なじみが修羅場過ぎる+H」を完全収録。季堂鋭太の親友、遊井カオルの双子の妹を名乗る遊井カオリが登場する書き下ろし短編も収録している。

 自演乙の会を立ち上げたばかりの頃。季堂鋭太と夏川真涼は、不良三人組に絡まれているフィフネル女子中学の少女、美空美春と遭遇し助ける。その美春は、鋭太をお兄ちゃんと呼び、いきなり抱きついてきた。
 春咲千和や夏川真涼の苦り切った顔を尻目に、美空美春は季堂鋭太に対する猛アプローチを開始。ノーブラでびしょ濡れの体操着で迫ったり、捨て身の攻撃を繰り出す。だがその表情は、恋に落ちた少女のものではないことに真涼は気づいていた。

 本編とは全く関係なく繰り広げられた修羅場のお話だ。そして書き下ろし短編では、遊井カオルの秘密の一端が明かされる。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (6)

破綻前夜
評価:☆☆☆☆★
 季堂鋭太と夏川真涼の恋人関係はフェイクであることが、秋篠姫香にばれてしまった。真実を春咲千和や冬海愛衣にばらされないため、夏川真涼は秋篠姫香の中二病設定を利用して口封じを行う。
 翌日、学校に出てきた秋篠姫香は、中二病的な振る舞いを前面に出す女の子になっていた。そしてその行動を問題視した風紀委員長の石毛まつりに呼び出されてしまう。

 秋篠姫香に対して罪悪感を抱きつつ、しかし、季堂鋭太との関係を周囲に強調することを止められない夏川真涼は、席替えで季堂鋭太の隣になった最上ゆらにも嫉妬を見せるのだった。

 これまで騙し騙しやって来たフェイクの関係がついに音を立てて崩壊をはじめる。それは、フェイクと言いつつ結んできた関係が、何か本物を生み出しはじめたからだ。それに名前をつけようとした時、自分を律してきたルールに反することに気づいてしまったため、元のフェイクのままですらいられなくなってしまう。
 本物と偽物のどっちが強いかを確かめるのではなく、本物と本物の戦いに物語は移行していこうとしている。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (5)

夏休みが終わる前に
評価:☆☆☆☆☆
 伯母の桐生冴子の仕掛けを切っ掛けにして、春咲千和は季堂鋭太に告白した。未だ彼女のことを幼なじみとしてしか見れないという鋭太に、千和は女の子として見てもらうための努力を開始する。一方、鋭太は遊井カオルに相談して心の平穏を手に入れようとするのだが…もうカオルについてはっきりさせちゃおうよ。
 自演乙を鋭太のハーレムサークルと解釈する風紀委員長の石毛まつりの誤解を解くため、冬海愛衣に連れられて風紀委員会に出向いた鋭太は、委員長の誘惑に耐えられたら合格という奇妙な試験を課せられることになる。

 そんな風に、残る夏休みを幼なじみと婚約者に追い込まれていた鋭太の家を、家出してきた秋篠姫香が訪ねてくる。姉の秋篠優華が、彼女が大切にしていたマンガなどを捨ててしまったのが家出の理由だ。偶然外で出会った夏川真那を巻き込み、非オタクを説得する策を練る3人だったが…。
 そして彼女の夏川真涼は、彼氏の季堂鋭太が他の女の子たちと遊んでいる姿を見て、なにやらモヤモヤした感情を抱えていた。フェイクのはずなのにフェイクじゃ無い。やがて、季堂鋭太を囲む少女たちは、それぞれの想いをぶつけ合うことになる。

 主人公が未だ立ち止まっている内に、ヒロインたちはそれぞれの想いに対するゴールを見据えて動き始めた。出遅れることは即敗北を意味する。しかし、季堂鋭太の前で喧嘩をすることは出来ない。奇妙な連帯感と、相反する利害が軋み合い、自演乙の部室を満たしていくのだった。
 そして、その奇妙な均衡状態は、ちょっとした気の緩みから崩壊していくことになる、かも。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (4)

合宿先で告白大会
評価:☆☆☆☆☆
 「自演乙」の部員は、夏川真涼、季堂鋭太、春咲千和、秋篠姫香、冬海愛衣の5人となった。真涼以外の女子が鋭太への思いを明らかにしていく中で、鋭太と真涼がつきあっているという事実が、フェイクだとばれそうになる。そのきっかけを作ったのは、鋭太の伯母の桐生冴子だ。そして、修羅場ルートかハーレムルートのどちらを選ぶのかと鋭太に選択を迫る。
 そんな彼女が「自演乙」にもたらしたのは騒動の種だけではなかった。合宿先として船瀬浜の保養施設を手配してくれたのだ。ただし、デレを自慢するミスコンに参加するのが条件。当然、いろいろと騒動が巻き起こることになるのだが…。

 真涼フェイク彼女疑惑が突如巻き起こり、姫香や愛衣、そして特に長い付き合いであることを拠り所にする千和は、本気で鋭太にアタックしていく。彼女たちの強烈な誘惑に、恋愛脳ではないはずの鋭太もちょっとくらくら。
 くらくら攻撃度合いでいうと、姫香が一番かも。千和はストレートに心に響く言葉を告げ、そして愛衣はツン子とデレ子のノリツッコミを開眼させる。

 だがそんなとき、真涼の妹の真那の話を聞いたことで、鋭太はルートを確定させる決意をする。それは他の全てを断ち切る決断のはずだったんだけど、結果は火に油を注ぐことになるんだなあ。
 親友の遊井カオルとも順調にフラグを立てていっている模様だ。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (3) 小冊子付き限定版

もしかすると最強のライバル登場?
評価:☆☆☆☆☆
 風紀委員の冬海愛衣が携えて来た、「自演乙」の廃部決定通知。まあそれはそれとしておいておいて、夏休みと言えば…夏期講習。恋愛アンチには夏だから起きるイベントなどないっ!
 と思っていたのだが、気分が悪くなって保健室で目覚めたら、元カノ(前世の恋人)を演じる秋篠姫香が真っ白な素肌を晒して隣に寝ている!?し、彼女(フェイク)を演じる夏川真涼や幼なじみを演じる春咲千和が押しかけて来て修羅場になりそうになるし、季堂鋭太には全く落ち着く暇がない。
 親友の遊井カオルと行く夏季講習は、鋭太にとっては安息の場所だったはずなのだが、カオルとは幼なじみであるという愛衣がいつも一緒にいるようになるし、妙に彼女を目の敵にする真涼が黒歴史をたてにスパイを強要してくるし、やっぱりこちらもイベントには事欠かない。
 それにしても、冬海の台詞には幼稚園の頃の思い出が刺激されるんだよな〜。アレってなんだったっけ?

 彼女、幼なじみ、元カノに続いて、幼稚園の頃の婚約者が登場する第3巻だ。見栄っ張りで、鋭太に負けず劣らず妄想癖がある愛衣は、もしかするとこれまでで一番、鋭太の隣にいてしっくりくる女の子なのかもしれない。
 そのあたりを敏感に感じ取ったのかは分からないが、千和は問答無用で焼きもちを焼くし、姫香は隙をついては「ギュッとして」と言ってくるし、真涼は記憶の上書きを求めて来る。いやあ、愛され過ぎですね。乱立するフラグを処理する時を思うと、怖いくらい。

 フラグと言えば、遊井カオルのも冬海愛衣が妙なフラグを立てた気配が…。もしかすると疑惑は疑惑じゃないのか?それじゃまるっきり「はがない」展開じゃないか!
 今回も感じたけれど、作者は伏線の張り方が上手いかもしれない。突然張り上げられる「愛衣ちゃん大勝利ぃぃぃぃぃっ!」のセリフにも、きちんと構成上の意図が隠されている。もしかすると他にも、気づかない伏線が張られているのかもしれないな。


 おまけの小冊子は、二十四歳になった季堂鋭太が受ける受難…かもしれない。ハーレム展開のバッドエンド?昼のメロドラマ?
 各キャラのミニ設定資料集付き。

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (2)

修羅場だけど破滅はしない
評価:☆☆☆☆★
 中二病時代の黒歴史ノートを抑えられ、夏川真涼に言い寄ってくる男どもを追い払うためのフェイクの恋人を演じさせられることになった季堂鋭太は、幼なじみの春咲千和と共に、もてまくりになるための部活、自演乙の会に入れられることとなった。
 そんなある朝のこと、自宅の洗面所に行った鋭太の前に現れたのは、半裸の幼なじみ・千和。そしてダイニングにはフリルエプロンの彼女・真涼。姉さん、事件です。朝から修羅場です!それが鋭太の日常なのだ。

 彼女と幼なじみの修羅場でいっぱいいっぱいの鋭太の下駄箱に届けられたのは、一通のラブレター。この上さらに修羅場要因が増えてしまうのか?一体差出人は誰?そんな戸惑いに溢れる鋭太の前に、今度は真涼の妹・夏川真那が現れ、いきなり鋭太の唇を奪っていく!
 もはや鋭太にとって心休まるときは、親友の遊井カオルだけ。そんな彼にも実は女の子?疑惑が発生したりしなかったり。加えて、自演乙の会は風紀委員に睨まれ、正規の部活動に昇格するため、新たな人材、暁の聖竜姫、ヒメカ・静・ヘブンズレインこと秋篠姫香を勧誘することになる。

 さて、春夏秋と来たので次は冬!その人、冬海愛衣が携えてくるのは、果たして吉報か、あるいは凶報か?次回は夏、夏といえば合宿です。

 真涼の実家の事情の一端が明らかになりそうになるも、それをはるかに超えるイベントが、次から次へと起きてくる。フェイクは果たしていつまでフェイクなのか?誰にでも優しいのになぜか破綻しない、ラブコメの王道が示される。

踊る星降るレネシクル (4)

愛と裏切りの非日常
評価:☆☆☆☆☆
 サバイバルサマーで権利を得た女優・香山円離が下した現星柱・千陽院みらのミカホシ追放の星ノ令は、御神星教団をふたつに分けた。星ノ令の絶対性を主張する三星会会長・結城優と、星柱の権威を絶対とする舞波重蔵の対立は、ミカホシと、その外の世界の命運を賭けた戦いに向かっていく。

 そんな対立が教団中枢で続いている頃、連動レンヤは舞波すまると沙良瑞希、七曜なななの間で板ばさみになっていた。極星祭のクラスの出し物に決まった演劇「ベツノカの悲恋」で、カカセオ、ベツノカ(=ネヒリム)、カグツヒメの役をすることになったのだが、どちらとくっ付いてももう片方がひどく嫉妬するのだ。
 だが、そんなラブコメも長くは続かない。学園に現れた乾闇鳴の妹・乾乾が、ミカホシの全てを巻き込む戦いの鍵を握る。

 ミカホシで暮らしているうちにミカホシの人々を大好きになっていた連動レンヤが戦いの中に見るのは、愛か友情か、悔恨か復讐か、あるいは裏切りや別離なのか?
 彼が感じた何かは、他の誰かへと引き継がれ、そして最強レベルの星霊たちの戦いへとつながっていく。

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俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる

はいてるのか、いないのか、それが問題だ
評価:☆☆☆☆☆
 高校一年生の季堂鋭太には両親はいない。でも幼なじみはいる。それが春咲千和だ。かわいい容姿をしているのに色気より食い気の残念さはあるけれども、怪我が元で夢を断たれても立ち直って元気いっぱいな女の子だ。
 鋭太自身は、両親に捨てられ叔母さんに拾ってもらった身の上で、その原因となった恋愛をさげすみ、勉学に邁進している。だが、そんな鋭太に対し、学校で一番もてるのに告白を断り続けている帰国子女の夏川真涼が告白をしてくる。

 ところが、真涼の目的は偽装彼氏を作って、うっとうしい告白を止めること。そのために、同じ様に恋愛に興味がなさそうな鋭太をターゲットに定めたのだ。当然断る鋭太だが、真涼は偶然手に入れた鋭太の黒歴史ノートをネタに脅迫してきて、偽装彼氏とならざるを得なくなる。
 その事実に憤慨したのが、なぜか千和。ただの幼なじみなのに、鋭太に恋人ができたことを嫌がり、じぶんもモテモテになる!などと宣言する。それを聞いた真涼は、「自らを演出する乙女の会(=>自演乙)」を設立し、誰にもてたいかを言わない千和がもてるための演出をすることを提案する。  二人の間に挟まれる鋭太の明日はどっちだ?

 見た目はきれいだけれど彼氏を演じさせるために手段を選ばない黒さも併せ持つ真涼と、天真爛漫元気いっぱい少女の千和、その二人に挟まれる鋭太の、恋愛関係を目指さないようにも見えるラブコメだ。
 真涼が意外にジャンプ通で、ジョジョネタやドラゴンボールネタなどをしばしば挟んでくる。基本的に作者の描くヒロインは、トラウマ級のバックボーンを持っていることが多いので、今回もそれにもれない。
 真涼の考える作戦を疑うこともなくのせられて実行してしまう千和と、それに振り回される鋭太のあたふたぶりが面白いコメディでもある。そして、少しじんわり来る部分もあるのだ。でも、一番インパクトがあるのは、はいてない!疑惑だけどね。

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踊る星降るレネシクル (3)

やさしい嘘、目を開けて見る夢
評価:☆☆☆☆★
 夏休み終盤。沙良瑞貴を誘い海に遊びに来た連動レンヤだったが、舞波すまるや七曜なななまでついて来てしまい思惑は外れてしまう。そんながっかりの翌日。目を覚ましたレンヤの隣に寝ていたのは、幼児化し記憶も後退してしまった沙良瑞貴だった。どうやら不意打ちでランカースキルをくらってしまったらしい。
 折しも、ミカホシ学園はサバイバルサマーが始まる前日。ミカホシ全市を舞台とするランカーたちのバトルロイヤルに沙良瑞貴(9才)が巻き込まれることを防ぐため、理事長に腐海流の禁を3日間だけ解いてもらった連動レンヤは、何故かくっついて来た舞波すまるや七曜なななと共に、彼女を護ることにする。ところが、そんな時に、かつて彼女を孤児院に捨てた母親だという女、千陽院家分家の甘河静香が現れる。

 彼女の戦いの歴史の原点、人生初の敗北である孤児になった原因を生み出した人物の登場。幼児化した彼女は母親になついてしまうのだが、どうやらそこには学園理事長・千陽院狼輝の陰謀が隠されているらしく…。

 今回は、これまで登場した変態たちの中でも群を抜いた変態、レネシクルの力を自分の欲望のためにガンガン使いまくったロリコンが妙な事態を引き起こす。そしてその罠も腐海流の炎がぶち破ったと思った瞬間、星柱に関する重大な事件が起きてしまう。4巻は波乱の展開になりそう。
 GAマガジン掲載の短編「あなたが触りたいのは可愛いほっぺですか?それともメロンなあべしですか?」も収録。

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踊る星降るレネシクル (2)

これもまた一つの現実
評価:☆☆☆☆☆
 学園理事長であり星柱の兄でもある千陽院狼輝により腐海流の使用を禁じられた連動レンヤの前に、レネシクル強奪犯を追う捜査官を名乗る七曜なななが現れる。舞波分家の娘であり、舞波すまるのスペアでもある彼女は、沙良瑞貴を容疑者と睨み、彼女と親しいレンヤに接触して来たのだ。
 成り行きで捜査に協力することになったレンヤは、なななの瑞貴を追う動機に、彼女の親友であり、先の事件の時に瑞貴に挑み返り討ちにあって入院中の鞠谷小夜子の敵討ちがあることを知る。

 そんなこんなでレンヤにほったらかしにされ、なななとレンヤの親しさを見せつけられてやきもちをやいたすまるの前には、洗脳のランカースキルを持つ千陽院家の養女、莫迦奈が近づいていた。
 そして明らかになる事件の真相。そこに秘められたランカたーたちの希望と挫折とは。

 前巻ほど派手な事件は起きない。だが、自分の夢を叶える為の努力と、その前に立ちふさがる現実、そして挫折。ここにあるのは、求めても報われなかったランカーの姿だ。
 そんな、夢破れ崩れ落ちようとしているランカーに対して、レンヤはどのように相対するのか、そして彼らに何を見せるのか。またしても熱い叫びが響き渡る!

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踊る星降るレネシクル

オレの拳が真っ赤に燃える!
評価:☆☆☆☆☆
 二度と負けないと誓い、頂点を目指して強者に挑み続ける生き方を選んだ沙良瑞貴と、彼女と同門でありながら、自らの弱さによって彼女の夢を傷つけ、その後悔から闘うことを放棄した連動レンヤ。二人は中学の卒業式の日に袂を分かち、別々の高校に進む。それぞれ、師匠である「腐海の女王」が残した三ツ星の指輪レネシクルを指にして。
 それから一年後、瑞貴が昏睡状態に陥っているという知らせを受け取ったレンヤは、知らせをくれた千陽院みらの手配により、彼女が通う学園に転校する。そこは、ミカホシランキングという、レネシクルの持つ不思議な力を利用してバトルを行い頂点を目指す、そんなシステムが君臨する学校だった。そして、その学校で出会った落ちこぼれ、舞波すまるの指導をレンヤは行うことになる。

 星柱という、神を降ろす巫女の様なものを目指し奮闘するも、ドジで誰からも期待されないすまると、学園一位である瑞貴と同等の力を持ちながらも後悔により下を向くことしかできなくなっているレンヤ、そんな二人が再び上を向き、頂点を目指すための闘いの道に復帰するための物語。
 色々と突っ込みどころはあるかもしれないけれど、飛び抜けたテンションで突き進むところが読んでいて面白いと思う。

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