吉田親司作品の書評/レビュー

ペニンシュラの修羅

玉の輿を狙うシスターたち
評価:☆☆☆☆★
 メルシュ新教を奉じる神聖メガロード連邦がザルツランド帝国を走狗として侵攻してくる気配を察知した、メルシュ旧教を奉じるペニンシュラ王領女王エマルカ・ダークネスは、かつての英雄にして彼女が反逆者として放逐した元婚約者の聖賢騎士イートン・マーシャルを再び最前線に立たせるべく、使いを出すことにした。
 かつての師である聖ダルカ武闘修道院のマザー・カレレンに命じて使者とさせたのは、破戒修道尼僧(ビッチシスターズ)と呼ばれる、足技主体のシスター・マリカ、弓矢が得意なシスター・ハイナ、神方術(マジカルタオ)シスター・墺芭(ディーパ)の3人だ。修道院でも問題児の3人は、イートンに献上する性奴隷として選ばれたのだが、本人たちはその運命を知らない。同行する会計奴隷タック・テンダースは、いつそれがばれるのか、ばれたらどうなるかビクビクものだ。

 だがようやくたどり着いた先で巡り合ったイートンは、両腕が義手ながら大層な美丈夫で、3人の修道女は玉の輿目当てに策略を繰り広げる。しかしタックが本題を切り出したところ、イートンはにべもなく拒絶したのだった。

 宗教に基づく対立という世界観と、ファンタジー世界における戦略という舞台を整えながらも、基本的にはビッチな修道女たちによるラブコメを主体としている。イートンのセリフからは、作者はどんだけ女に痛い目にあわされてるんだよ!、としか思えない。
 ラブコメや、変身による萌要素の強調は、販売戦略と密接に紐づいているのであろう。

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