ろくごまるに作品の書評/レビュー

桐咲キセキのキセキ

謎がいっぱいの物語
評価:☆☆☆☆★
 桐咲鬼七郎に仕える遊撃部長Kは、彼が働く塔に訪れた桐咲キセキと出会う。そして彼女の翠の瞳をみた彼は、10年以上前の記憶を思い出す。その記憶に突き動かされるように、キセキが参加する桐咲一族の当主を決める闘いメデュースに参加してキセキをサポートすることになる。
 キセキの友人、黒鶴景雲館の藤堂夢月もなりゆきでメデュースに参加するのだが、その闘いは奇怪でよくわからないものだった。そして、キセキがメデュースに参加する理由、アルカナムとは一体何なのか?また、遊撃部長Kの過去に隠された秘密とは?

 世界観や設定に謎がいっぱいで、いまのところほとんど解き明かされもしないので、非常に評価に困る感じの作品だと思う。舞台も様々な所に飛び、展開的にもつながりがあるのかも一瞬よく分からなくなる。でも、つまらないというわけでもなく、きちんと最後まで読ませる力はある。
 悪魔だという江沼博士と助手のエリスは、バビロニア神話の創世記エヌマ・エリシュから取られているようなのだけれど、果たしてそれが物語の展開と何か関係するのか?とりあえず次巻は刊行されるとのことなので、それを楽しみに待ちたい。

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