渡航作品の書評/レビュー

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (14)

評価:☆☆☆☆☆


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (13)

評価:☆☆☆☆☆


クオリディア・コード (3)(Speakeasy)

評価:☆☆☆☆☆


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (12)

評価:☆☆☆☆☆


どうでもいい 世界なんて 2: ークオリディア・コードー

評価:☆☆☆☆☆


クオリディア・コード (2)

評価:☆☆☆☆☆


どうでもいい 世界なんて: ークオリディア・コードー

評価:☆☆☆☆☆


クオリディア・コード

評価:☆☆☆☆☆


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (11)

いびつな平穏
評価:☆☆☆☆☆
 バレンタインデーを間近に控えた奉仕部は、葉山にチョコを渡したいという依頼を受けることになる。しかし彼は平等に誰からもチョコを受け取らないのが信条だ。そこで、彼が自然にチョコを受け取れるように、バレンタインイベントを企画することになる。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (10.5)

ある冬の出来事
評価:☆☆☆☆☆
「そのうち、材木座義輝にでもできる簡単なお仕事がたぶん見つかる。」
 材木座がラノベ作家を目指すのに挫折して、出版社の編集になるとか言い出す話。

「きっと、一色いろははお砂糖とスパイスと素敵な何かでできている。」
 なぜか八幡をデートに引っ張り出す一色いろはの回。

「絶対に破れない締め切りがそこにはある。」
 生徒会の残予算でフリーペーパーを作ろうとする話。雪乃と結衣の話。

「こうして、比企谷家の夜は更けゆく。」
 小町を最後に出しておいた感じ。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (10)

見えない道
評価:☆☆☆☆☆
 年末年始。妹の比企谷小町の合格祈願に出かけた比企谷八幡は、雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣と初詣をすることになる。その帰り道、雪ノ下陽乃と葉山隼人にあった3人は、雪乃の母親と会ってしまう。
 これがきっかけとなり、総武高校では雪ノ下雪乃と葉山隼人の仲を邪推するうわさが一気に広まった。それに加え、進路希望を葉山隼人が明らかにしないことが重なり、三浦優美子らのグループで、かすかな不和が広がっていく。

 奉仕部として葉山隼人の進路希望を探ることになったものの、本人への直接アプローチは無駄に終わり、手詰まり感が漂ってくる。それを打破するために比企谷八幡が取った方法とは?

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6.5)

そう簡単に変われない
評価:☆☆☆☆☆
 文実委員長の相模南が引き起こした事態がきっかけとなり、比企谷八幡のクラスにおける地位はますます低下した。その微妙な空気が、学年の女王である三浦優美子をイラつかせ、雪ノ下雪乃や比ヶ浜結衣に懸念を抱かせる。
 平塚静発案の新たな業務として奉仕部に課せられたメール相談への返信。材木座義輝や海老名姫菜、雪ノ下陽乃からの相談を適当にさばいていると、城廻めぐりから依頼が届く。体育祭を盛り上げ、勝ちたい、と。またもや実行委員会の手伝いをすることになる3人だったが、その委員長として祭り上げたのは、相模南だった。

 相変わらずの相模南は、体育祭実行委員会の実行班との間に軋轢を引き起こす。そして彼らのサボタージュを招くのだった。陥っていく負のスパイラル。比企谷八幡は、葉山隼人、戸部翔、戸塚彩加、川崎沙希らを巻き込み、事態の変化に乗り出すのだった。

「ぼーなすとらっく! そのクリスマスキャンドルの灯が揺れる時……。」
 9巻後のクリスマスエピソード。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (9)

繋がるためのプロセス
評価:☆☆☆☆☆
 生徒会長となった一色いろはから、近隣の高校との合同イベントの企画立案のヘルプを頼まれた奉仕部。部室には帰ってきたものの、未だ致命的にすれ違ったままでいる雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣に配慮し、比企谷八幡は依頼としては断ったものの、自分一人で依頼を受ける。
 そうして参加した会合は、相手高校の生徒会が主導する、議論することを目的とするような、まとまりのないものだった。

 すれ違い続けた状況を憂えた平塚静は、比企谷八幡をドライブに連れ出し、自分の願望も込めた一つのアドバイスをする。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (8)

見つからない冴えたやり方
評価:☆☆☆☆★
 修学旅行の顛末からギスギスしてバラバラになってしまった奉仕部に、顧問の平塚静から新たな依頼が持ち込まれる。生徒会長の城廻めぐりが選挙管理委員としてポカミスをしてしまい、勝手に立候補届を出された一色いろはの立候補が受理されてしまったというのだ。手続上、それを取り消す方法はない。
 他の会長立候補者もおらず、このままでは選挙は信任投票になる。一色いろはの希望では、当選するのも当たり前すぎて格好悪いし、自分のせいで不信任になるのも恥ずかしいから嫌だという。その話を聞いた比企谷八幡は、自分が泥をかぶることで不信任になる方法を提案するのだが、雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣に却下され、それぞれ別の方法で解決にあたることになった。

 比企谷小町に異変を察知されるものの、現状を改善する方法は見つからず、奉仕部の事態は悪化するばかり。そんなとき、偶然出会った雪ノ下陽乃の企みで、比企谷八幡が中学時代に告白した相手と、葉山隼人を含むダブルデートがセッティングされてしまう。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (7.5)

諦めるにはまだ早い
評価:☆☆☆☆★
 短編二本と掌編四本、イベント限定ドラマCD脚本を収録した短編集だ。

「こちらとしても彼ら彼女らの行く末に幸多からんことを願わざるを得ない。」
 顧問の平塚静に降りかかってきた仕事を、雪ノ下雪乃、比企谷八幡、由比ヶ浜結衣が手伝うことになってしまった。その仕事とは、タウン誌の若者結婚式特集の記事だ。自分が縁遠いため、どうしても記事が書けないらしい。
 そこに、何故か比企谷小町まで加わって来て、彼女たちの嫁度を競う大会となってしまう。

「未だ、彼らは帰るべき場所を知らない。」
 柔道部に出戻った先輩のせいで、部員の多くが辞めていく事態になってしまった。奉仕部は新入部員募集の手伝いをすることになるのだが、柔道部の現状を見た部員たちは、柔道部の現状を変えるべきとの結論に至る。
 そこでまたもや比企谷八幡の企画により、ゆるいノリの柔道大会が開催することになった。葉山隼人や材木座義輝を仲間に加え、柔道大会に参加する比企谷八幡の危険な目論見とは?

「Short Story」
 ある日突然、顧問の平塚静の企画で、奉仕部に相談メールが送られてくるようになった。雪ノ下雪乃、比企谷八幡、由比ヶ浜結衣は、それらの相談にゆるく答えていく。

「ぼーなすとらっく! 比企谷小町の計略」
 由比ヶ浜結衣の誕生日会の後の一幕を描く。大体ゲームセンター。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (7)

厭う変化
評価:☆☆☆☆☆
 文化祭も終わってしばらくが過ぎ、比企谷八幡に向けられる忌避の視線も少なくなってきた。もうすぐ修学旅行。戸塚彩加と班を組む比企谷八幡だったが、奉仕部に持ち込まれて依頼に悩まされることになる。
 その依頼とは、葉山隼人の取り巻きの一人である戸部翔が海老名姫菜に告白するサポートをして欲しいというものだった。雪ノ下雪乃は一度は断ろうとするのだが、由比ヶ浜結衣がノリノリで、結局、依頼を引き受けることになってしまう。

 しかし、しばらくすると今度は海老名姫菜が比企谷八幡を訪ねて来て、とある依頼をしていくのだった。

 修学旅行先の京都を舞台に繰り広げられる、友達同士をくっつけようとする恋愛イベント。だがそれを面白がる人だけではなく、現状維持を望んで何もなかったことにしたいと考えている人もいる。流されるまま、なんとなく協力する比企谷八幡ではあったが、最後にはまたしてもピエロな役回りを演じることになるのだった。
 そのことに反発を見せ始める、雪ノ下雪乃や由比ヶ浜結衣は、二人の心情の変化を表している。

 ボーナストラックは、文化最後の打ち上げネタです。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6)

迂遠なやり取りに耐えられない一直線
評価:☆☆☆☆☆
 役割決めのホームルームをさぼった結果、比企谷八幡は文化祭実行委員にされてしまった。戸塚彩加に何でも良いと言い置いてしまった結果、平塚静が職権で決めてしまったのだ。同じく委員となった、クラス第2位の女子グループのリーダーである相模南と向かった先で、生徒会長の城廻めぐりと、雪ノ下雪乃に迎えられる。
 見栄で文実委員長に立候補した相模南は、奉仕部に相談にやってきて雪ノ下雪乃に実務を丸投げ、文実副委員長につけて、自分はクラスの出し物の準備に入り浸りになる。クラスの出し物は、海老名姫菜超演出の、星の王子さま(腐)だ。王子さま役は戸塚彩加、ぼくは葉山隼人である。

 由比ヶ浜結衣は三浦優美子と共に制作進行広報宣伝と裏方に回り、川崎沙希は衣装作りに一所懸命。その間、比企谷八幡は文実で雑用係に明け暮れていた。文実は雪乃と生徒会執行部、そして遊びに来た雪ノ下陽乃の力で何とか回っているものの、委員長が率先してクラスに行っているため、委員の参加率は極めて低い。そのうち、葉山隼人までやってきて、仕事を抱え込む雪乃に対し、人に頼ることも必要だとの大合唱をし始める。それを聞いている八幡がとる、彼らしい捨て身の解決策とは?

 ここまで後ろ向きに描写される高校の文化祭というのも珍しい。あまりにも社会の現実を写しているようで、なんか泣けてくる。その中で、一人悪者になって、思いっきり傷つきながら、文実を回す役割を果たす八幡を支えるのは、彼がしたことの本意を理解してくれる人々がいるおかげだ。もっとも、それ以外の人間からは蔑視されることになるわけだが。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (5)

踏み出す前の準備期間
評価:☆☆☆☆☆
 夏休みもあと二週間。比企谷八幡はあれから雪ノ下雪乃に会っていない。彼女が姉の雪ノ下陽乃に連れられ、ハイヤーで、かつて八幡と由比ヶ浜結衣が関わった交通事故を引き起こしたのかも知れないハイヤーで走り去ってから。
 しかしぼっちにはそんなことは関係ない。いつもと同じように、家の中で過ごしていると、由比ヶ浜結衣が犬のサブレを預けにやってくる。家族旅行中、妹の比企谷小町が世話を引き受けたのだ。おかげで八幡の家の猫のカマクラは常に臨戦状態だ。

 予備校で名前も忘れかけた川崎沙希に声をかけられ、彼女の弟の川崎大志の相談に乗ったり、戸塚彩加と遊びに出かけて何の因果か材木座義輝に遭遇したり、従妹の結婚式場で深淵を覗き込んでいる平塚静を見かけてしまったり、奉仕部の活動が休みの間も、比企谷八幡の夏休みはこれまでと少し違っている。
 でもそんなのは全て錯覚だ。これまでと同じ日々を超える何かが、ぼっちに起きるはずも無い。そうやって予防線を張っておくのが、精神衛生上正しい生き方なのだ。

 だが、他人と関わると言うことは、そうやって割り切れない感情と向き合わされると言うことでもある。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (4)

千葉村で夏休み!
評価:☆☆☆☆☆
 夏休み。ぼっちの夏は自宅を警備して終わる。そんな比企谷八幡が妹の比企谷小町に千葉に行くと連れだされて出かけてみると、そこにいたのは彼がメールを無視し続けていた総武高校奉仕部顧問にしてアラサ―独身の平塚静だった。そして共にいた由比ヶ浜結衣や雪ノ下雪乃、戸塚彩加と共に連れて行かれた先は、群馬県の千葉村だった。
 サボった材木座義輝を除き、奉仕部部員と有志である葉山隼人、三浦優美子、海老名姫菜のスクールカースト最上位メンバーが行うのは、小学校の林間学校のサポートボランティアだ。リア充のヤツらの言動にあてられつつ、雑用係を勤める八幡だったが、そこで彼は、グループから無視されている少女、鶴見留美を目にとめる。

 味噌ピーは埼玉でも給食に出たよ。ソースは俺。そして、ひとかどの女性を何者でもないものに堕落させるなんて、腐った目の持ち主は一味違うわね。不定冠詞の場所が違うのは、単なる間違いかツッコミ待ちか?

 そして物語は、まるで誰かの過去をなぞった様な少女の登場で、代償行為的な側面を帯び始める。しかし、全体を主導するのは何故か八幡なので、おためごかしな言動もなければ、華麗な美しい解決も訪れはしない。ただ現状をぶち壊すだけで、その後の選択を行うのは本人の意思に任せられるのだ。
 彩加は秀吉ポジションに収まりそうになり、雪ノ下陽乃の登場で、葉山と雪乃の過去が明らかになり、そして新たなイベントの種がまかれることになる。

 本当に、普通の人間が一番怖い。でも怖い話ばかりではなく、結衣とのフラグイベントも大量発生するよ。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (3)

伝えなければ伝わらない
評価:☆☆☆☆★
 総武高校奉仕部に少しだけ異変が発生した。3人目の部員である由比ヶ浜結衣が、部室に一週間も顔を出していないのだ。彼女は比企谷八幡と同じクラスなので顔を見ない訳ではないのだが、むしろそれが原因。八幡がクラスでぼっちになっている理由のひとつである、入学当初の入院の原因が、結衣の飼い犬サブレを助けたせいだということが共通認識となり、一方的に結衣が引け目を感じてしまったのだ。
 部長の雪ノ下雪乃は、いつもの冷徹な表情をしつつも、結衣が来ないことでどこか寂しそう。そんな空気を読んだのか読まないのか、顧問の平塚静は、雪乃と八幡の勝負に、新たなレギュレーションを追加する。

 そんな訳で、八幡と結衣の関係再構築、再スタートのためのエピソードになる。その過程で、八幡と比企谷小町、雪乃、戸塚彩加、材木座義輝などとの、一緒に遊んだり、軽いトラウマを掘り起こしてみたり、意外な一面を見たりするエピソードが描かれる。
 そして、結衣の次は雪乃ですよ、という様に、彼女の姉の雪ノ下陽乃が、良好ではない家族関係をにおわせつつ登場するのだ。

 巻末には、ドラマCDの脚本を小説化したという、ぼーなすとらっく!「たとえばこんなバースデーソング」が収録されている。内容は、本編を経て関係が修復された結衣を囲んで、誕生日パーティを行ったカラオケ店でのお話。

 今回も、ぼっちの傾向があった人には、確実にトラウマをえぐるようなエピソードが数々紹介される。また、懐かしのマンガネタやアニメネタなどもちらほらと散見される。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (2)

そこに至るまでには様々な出来事がある
評価:☆☆☆☆☆
 総武高校にある奉仕部は、生徒の悩みを聞いて解決の手助けをするという名目を持つ、実際は奇矯な生徒を隔離するための部活だ。生活指導の平塚静にそこに叩き込まれた比企谷八幡は、部長の雪ノ下雪乃と反目しつつ、由比ヶ浜結衣と馴染んだり馴染まなかったりしつつ、生活している。
 そんな彼の学校における潤いは、戸塚彩加の存在だ。とても可愛い、でも男子。材木座義輝というオタクが仲間意識を持ってなついて来るが、知ったことではない。

 そんな奉仕部に、クラスのリア充代表格である葉山隼人が依頼を持ってくる。クラスに流行っている、友人を中傷するチェーンメールを何とかして欲しいらしい。雪ノ下雪乃の経験に基づく強攻策理論により、クラスでは空気のような存在でありながら、頑張って探りを入れた比企谷八幡が至る真相とは…。
 そして、妹の比企谷小町に相談をしていた川崎大志から、彼の姉で八幡のクラスメイトでもある川崎沙希の謎の深夜の行動を探るように依頼された奉仕部は、彼女の行動を探るために潜入活動を開始するのだが…。

 自分にとって都合の良い展開は確実に罠だから信じない。そういう考え方が精神の奥底に染み付いてしまわざるを得ない人生を送ってきた比企谷八幡に、果たして目の前の幸運を掴み取る甲斐性はあるのか?
 周囲の問題に巻き込まれ、それを体当たりで解決しつつ、高校生活を過ごす残念な人々の日常が描かれる。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

ボッチでなんか文句があるか?
評価:☆☆☆☆☆
 比企谷八幡には体育の時に組む相手もいない。とりあえず余った人と組むのがいつものパターン。好きな人と組めとか言われても困る。でも、それが辛いとは思っていない。どうせ人間は死ぬまでひとりなのだから、友だちなど所詮は幻想にすぎない。
 そんな主張をレポートにしてしまえば、やはり教師としては黙って見過ごせない。生活指導の平塚静につかまった八幡は、奉仕部というところに突っ込まれる。そこにいたのは、見た目は謎めいた美人だけれど、歯に衣着せぬ直截な毒舌で人の心を折る女、雪ノ下雪乃。当然友だちはいない。

 成り行き上、奉仕部の活動として生徒のお悩み相談をどちらか多く解決できるかを競うことになった雪乃と八幡は、平塚静らが送り込んでくる生徒のお悩み相談に乗ることになる。
 八幡クラスの中心グループにいながら他人の顔色をうかがって暮らす由比ヶ浜結衣、中二病の言動が痛い材木座義輝、見た目はまるで女の子なのだけれど、テニスが強くなりたいと思っている男の子の戸塚彩加。そんな人たちの相談に乗るうちに、仲間が増え、友情の輪が広がっていく…なんてことあるわけがないよね、だって現実は厳しいもん。


 というわけで、作中の台詞のいくつかはボクも言ったことがあるセリフだったりするのが悲しい。…いや、悲しくない!

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