石田敦子作品の書評/レビュー
アニメがお仕事! (5)
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画面のこちら側と向こう側。こちら側にいる人間にとっては、クレジットに名前がのると言うだけで恵まれた人間のような印象を受けてしまう。しかし、向こう側もやはり現実の世界。画面に描き出される世界がどんなに素晴らしくても、それだけでは生きられないのだろう。
どれほど大きな夢や希望をその胸の内に抱えていたとしても、それだけで生きていけるほど、人間というのは強くないと思う。自分がしたことを誰かが認めてくれるから、褒めてくれるからこそ、もうちょっと頑張ってみようかな、と思えるものだ。現実に侵された夢は、いつの間にやらしぼんで消えてしまう。
出来ることが少しずつ増えていくたび、これまでは気にする余裕も無かったことに気づかされてしまう。一つハードルを乗り越えたイチノに立ちふさがる次のハードル。さて、どうする?
アニメがお仕事! (4)
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三鷹さんの説得を受けて現場に復帰させてもらうことになった二太。湯田上の心に応えることを決意した矢先、予想もしていなかった出来事が起こる。
いなくなった原画マンの仕事を引き継ぐことになったイチ乃は、初めての仕事に戸惑う。ぶつかり続ける壁。描かなければ生活ができない現実。自分の技量への不安…。見失った自分の立ち位置を取り戻すことはできるのか?
あまりにも色々なことが起こりすぎて、息つく暇がないほど。製作の仕事のスピード感が感じられます。
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