稲垣理一郎作品の書評/レビュー

アイシールド21 (37) (画:村田雄介)

誰もが戦いを挑むことは出来る
評価:☆☆☆☆★
 今回の影の主役は葉柱と雲水だった気がする。
 飛びぬけた才能を持った人間たちの中で、凡人がどう振舞うか。分を弁えてひっそりと生きる雲水と、能力のなさは自覚しながら内から沸き起こる衝動を抑えきれず挑む葉柱。どんなにがんばってもみんなのヒーローにはなれないかも知れないが、少なくとも何もしなかったと後悔する事はないし、誰かのヒーローにはなれるかも知れない。
 もう少しセナたちの地道な努力が見たかった気もするが、惜しまれるうちに終われた方が良いのかな?

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アイシールド21 (36) (画:村田雄介)

才能v.s.努力
評価:☆☆☆☆☆
 クライマックス目前、対アメリカ戦の開幕です。人種の違いによる生まれながらの才能の差に対して努力で立ち向かう事が出来るのか、という対決が何組も作られています。
 これは実際の人生でもよく感じる問題でもあります。個人的な考えで言うと、確かに才能の差というのはあって、それにより到達できない領域というのも確かにあるとは思います。でもそういう領域は、頂点近くの本当に先の先にあるので、大概の人はそんな領域を見るところまで辿り着くことはありません。なぜなら、その前に努力を諦めてしまうからです。才能の壁という言葉を言い訳にして。
 この物語では、そんな言い訳を口にする選手は登場しません。いや、一度は口にするかも知れませんが、決して諦めることはしません。そんな努力をし続けられる才能を持った選手たちがどこにたどり着くのか、決着は次巻です。

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アイシールド21 (35) (画:村田雄介)

暴走特急、金剛阿含
評価:☆☆☆★★
 ワールドカップユース大会に向けて日本のドリームチーム立ち上げ開始。日本国内の強い奴は出しつくしてしまったので海外に強敵を求めて出て行ったのだろうが、大会が終わったらどうするのだろう?そのまま終了するのか、世代交代という事でまた一からやり直すのか、現時点ではよく分からない。
 今回の主役は何と言っても金剛阿含。誰も抑えることができないそのキャラクター性は、ストーリーを予定調和から大きくはみ出させる…と思ったのだけれど、結局は元の路線に戻ってしまった。駆け足でトーナメントは進み、次巻は対アメリカ戦のはじまり。

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アイシールド21 (21) (画:村田雄介)

遅すぎるということはない、ダメということもない
評価:☆☆☆☆☆
 雪光の初出場での活躍は?とか、色々注目すべき場面はあると思うけれど、ここではセナとまもりの関係の変化について書いてみたい。
 だめだめなセナは私が守らなくっちゃ、というのが当初のまもりのスタンスだったが、セナがアイシールドであることが発覚して、それが間違った接し方だということに気づき、がんばるセナをサポートする、応援するという立場に変化していったわけですよね。そして、本巻でのまもりの見方は再び一歩進んで、”頼れるセナ”というものに変化したと感じました。それが、「勝って…」という台詞なんだな、と。
 守りから見れば180度の転換を果たしたセナ。フィールドに立つ相手選手からはいったいどう見られているのか。阿含から見たセナが変わっていく様を楽しみたいと思う。

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アイシールド21 (20) (画:村田雄介)

単色の世界
評価:☆☆☆☆☆
 天才に見える景色はどんなものだろう。何でも光り輝いて見える世界は真っ白で、意外につまらないものかも知れない。退屈な日々をほんの少し楽しくしてくれる世界を求めて、全てをなぎ払う。
 神龍寺と泥門の戦いは、才能と努力のぶつかり合いという様相を呈してきた。圧倒的な才能の前に、なすすべも無く崩れ落ちかける泥門。圧倒的逆境を跳ね返して、過去の借りを返すことができるのか…。次の巻に続きます。

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アイシールド21 (19) (画:村田雄介)

認めて見えるもの
評価:☆☆☆☆☆
 己を知れば百戦すれども危うからず。自分に自信を持っている人間が、自分の至らなさを認めることはとても勇気がいることです。大抵はごまかして終わってしまいます。でも、それではそこで終わりになってしまうと思います。  だから、今回のボクのベストシーンは瀧が自分自身を自覚するところ。自分の得意な土俵に持ち込んで勝負しなくちゃ。これでまた一人頼れるメンバーが増えたのかな?
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