岩明均作品の書評/レビュー

ヒストリエ (10)

評価:☆☆☆☆★


ヒストリエ (9)

憧れの地での再会
評価:☆☆☆☆★
 エウメネスは、元老アンティパトロスに命じられ、フォーキオンに対する工作のため、憧れのアテネへと向かう。そしてそこで、少年期に出会った人物と再会することになるのだった。

ヒストリエ (8)

アテネの海軍
評価:☆☆☆☆☆
 マケドニア王フィリッポスは、パルメニオンを主将とする部隊にペリントス攻略を任せ、自らが率いる軍勢でビザンティオンを攻めた。書記官エウメネスはマケドニア王フィリッポスの許で軍議に参加する。
 堅牢な両都市の攻略にマケドニア軍が手をこまねいていたところ、フィリッポスの許にペリントス攻略海軍がアテネの将軍フォーキオンの前にもろくも破れ去ったことを伝えてくる。そしてそれに対する対応をエウメネスが進言した直後、ビザンティオンにフォーキオンの率いる海軍が現れるのだった。

 様々な戦いと犠牲の末、マケドニア軍は首都ペラに帰還する。

ヒストリエ (7)

地歩を固める
評価:☆☆☆☆☆
 マケドニアの王子アレクサンドロスの内面に棲むもうひとつの人格ヘファイスティオンの存在を、書記官見習いとなったエウメネスは知る。それはフィリッポスの第四王妃オリュンピアスの不義が生んだ、逃避の証だ。
 フィリッポスから将棋の改良を命じられたエウメネスは、4面を2面に簡略化し、ルールを簡略化して分かりやすく、しかし面白くしていくのだった。やがて数年がたち、書記官となったエウメネスは、マケドニアの使者として、カルディアを再訪する。

 取った駒を使える将棋は創作だよね?

ヒストリエ (6)

マケドニアの宮廷事情
評価:☆☆☆☆☆
 フィリッポスの将軍パルメニオンの娘の嫁ぎ先アッタロス家に居候し、マケドニアの風習を学びながら書記官見習いとして働くことになったエウメネスは、早速、フィリッポスの第三王妃フィリンナの子アリダイオスにおもちゃを作ってやったり、様々に雑用を申しつけられる。
 モロッシア出身の第四王妃オリュンピアスの子アレクサンドロスの御意を得、文官にも拘らずネアルコスと共に騎馬を習うことになったエウメネスは、元老アンティパトロスと将軍パルメニオンを筆頭とする勢力争いが宮中にあり、さらに、アレクサンドロスには驚くべき秘密があることを知ることになる。

ヒストリエ (5)

飛躍をはらむ出会い
評価:☆☆☆☆☆
 カルディアに帰還したエウメネスは、屋敷の跡地で旧友トルミデスと兄ヒエロニュモスに再会した。旧交を温め、養父母の墓参りも済ませ、気になる人たちのその後を知ったエウメネスは満足したのだが、彼を追いやった人々はそれを信じなかった。
 養父ヒエロニュモスに直接手を下したゲラダスはエウメネスを襲撃し、アンティゴノスの家臣メナンドロスに連れて行かれた先では、ヘカタイオスに包み殺されそうになってしまうのだった。

 そしてエウメネスは、マケドニア王フィリッポスに出会い、彼の書記官見習いとして登用されることになる。

ヒストリエ (4)

初めての時さまざま
評価:☆☆☆☆☆
 生まれたときからサテュラの許婚であるティオスのフィレタイロスの長男ダイマコスは、彼女たちの住む村に領土的な野心を燃やす。次男テレマコスの密告によりそのことを知ったエウメネスやバト、村長たちは、村を守るために戦うことを決意する。
 いくらかつては防衛戦を日常の様に繰り広げたとはいえ、その時代からは久しい。それにギリシアの組織化された軍と戦った経験はない。死を覚悟したサテュラは、その想いを遂げようとする。

 一方、初陣に知らず知らず沸き立つエウメネスは、数的劣勢を覆すための策謀を仕掛けるべく、わざと手傷を負って敵陣に潜入するのだった。

 そして時間は始まりへと至り、青年エウメネスの物語が繰り広げられることになる。

ヒストリエ (3)

一転、また一転
評価:☆☆☆☆☆
 エウメネスの父であるヒエロニュモスを部下のヘカタイオスに謀殺された結果、カルディアのエウメネスはその出自がスキタイ人であることを明かされ、奴隷身分に落とされることとなった。そんな彼を買うことになったのは、アテネとは真逆に位置するオルビアのゼラルコスだった。
 少年期を過ごしたカルディアと、そしてかつての友人たちと別れ、エウメネスはオルビアに向かう船に乗せられる。ゼラルコスからアンカタイオス(チョウザメ)の卵の塩漬けを振る舞われ、案外よい人かと思ったのも束の間、船上にてとてつもない騒動に巻き込まれることになる。

 危ういところで難を逃れ、パフラゴニアのティオス近くの開拓村に拾われたエウメネスは、かつての怪猫と同じ名前の少女サテュラと出会うのだった。

ヒストリエ (2)

転落、そして順応
評価:☆☆☆☆☆
 カルディアの高利貸テオゲイトンの奴隷のスキタイ人トラクスが巻き起こした事件が、エウメネスの人生を全く違うものへと変えていく。それは、当時の階級制度からの転落だ。
 事件を利用して、エウメネスの父であるヒエロニュモスをの財産を奪う計画を思いついた部下のヘカタイオスによりはめられた少年エウメネスだが、急激な自身の変化にも瞬く間に順応し、自分の人生を歩み始めていくのだった。

 そして明かされる、エウメネスの夢に現れるバルバロイの女剣士の正体とは?

ヒストリエ (1)

彼はなぜ祖国を追放されたのか?
評価:☆☆☆☆☆
 紀元前343年、ペルシア帝国からヨーロッパへアリストテレスが逃げ戻った頃、カルディアを威嚇包囲するマケドニア軍の間をすり抜ける一人の青年がいた。その名はエウメネスだ。
 廃墟となった、少年時代のエウメネスが多くの時を過ごした図書室の姿を見ながら思い起こすのは、当時の自分の姿と、夢に見る、舞うように剣をふるいギリシア人を圧倒していくスキタイ人の女性の姿だった。

 マケドニアのアレクサンドロス大王に仕えたカルディアのエウメネスについて、プルタルコス「対比列伝」では詳しく語られていない、彼が祖国を追われた理由について、彼の出自についての解釈を付け加え、それに基づく少年時代を描いている。
 トラキアにおける奴隷狩りの様子や、メディア王国の最後の王アステュアゲスが重臣ハルパゴスにした惨い仕打ちなど、死体を描かせると相変わらずインパクトがある絵柄だ。

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