浦沢直樹作品の書評/レビュー

MASTERキートン Reマスター(長崎尚志)

おじさんキートン
評価:☆☆☆☆☆
 10年前に欧州文明の起源とみられる遺跡を発掘し、それで博士論文を提出して学位を取り研究に専念するために探偵を廃業しようとするものの、残務整理で様々な事件に駆り出され、学界からは半ば無視されて落ち込む。しかも娘の百合子は…と、ちょっと白髪が目立つようになってきたキートンの活躍と苦悩のオジサンぷりが描かれる。

QUEST1 眠り男
QUEST2 親愛なるアントニヤへ
QUEST3 マリオンの壁
QUEST4 ハバククの聖夜
QUEST5 女神とサンダル
QUEST6 オオカミ少年
QUEST7 マルタ島の女神
QUEST8 栄光の八人

MASTERキートン 完全版 (1)(長崎尚志)

魅力あふれる人間のドラマ
評価:☆☆☆☆☆
 平賀・キートン・太一は、ロイズの保険調査員(オプ)をしながら、考古学者として遺跡発掘を夢見ている。彼はオックスフォード大学を卒業し、SAS隊員としてフォークランド紛争に参加したり、曹長としてサバイバル教官をしていた時期もあった。その頃のつながりや経験は今も生きていて、そのおかげでキナ臭い事件に巻き込まれることもある。この物語は、そんなキートンを取り巻く社会、そして人間について描いた作品だ。

 原作者としてクレジットされていた人物の友人である大物原作者の圧力によって、長らく重版がかけられない状態にあったとうわさされていた名作が、ようやく完全版として刊行されるのは喜ばしい限り。問題は解決したのかな?

BILLY BAT (4)(原案:長崎尚志)

ようやく戻ってきたけれど
評価:☆☆☆★★
 ようやくケヴィン・ヤマガタの生きる時代に戻って来て、リー・ハーヴェイ・オズワルドの物語が始まる。
 歴史上、コウモリに人生を左右されてきた人物たちのように、ケヴィンもつぶされるのか。あるいはコウモリの予言の力を超えていくのか。

 物語は動き出したのだけれど、そのスピードはゆっくりで、どこに向かうのかもよく分からない。

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BILLY BAT (3)(原案:長崎尚志)

踊るのか、踊らされるのか
評価:☆☆☆☆★
 ケヴィンのストーリーが続いていたことが分かって一安心。戦国時代の伊賀の里に話が飛んでびっくりしたけれど、一貫したつながりがあったらしい。
 巻物を巡る争いは決着。さて次はどこへ?

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BILLY BAT (2)(原案:長崎尚志)

人と共にある存在
評価:☆☆☆☆★
 ケヴィンを歴史の闇に引きずり込んだコウモリは、二千年前にも現れていた。神の似姿を語り、一人の男を密告へと導く。かと思えば、五十年前のニューヨークでは、時代に引き離された花嫁と花婿を再開させる。そして、四百年以上前の日本にも。
 コウモリの導く未来はいずこに向かう?

 ストーリーの断片が続く第二巻。

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BILLY BAT (1)(原案:長崎尚志)

突然放り込まれる歴史の闇
評価:☆☆☆☆★
 日系アメリカ人のケヴィン・ヤマガタは、自分の描いている漫画のキャラクターと同じものが日本に既にあると知り、作者の許諾を受けるため、GHQ占領下の日本に再渡航する。ところが、問題のコウモリの絵を探すうちにトラブルに巻き込まれ、結果、下山事件(*)を預言する漫画に出会ってしまう。
 人の歴史の分岐点に現れるコウモリとは何なのか?

(*) 初代国鉄総裁下山定則が轢死体で発見されながら、詳細不明のまま迷宮入りした事件。その後、真相を推理する作品が多数生まれる。

 読者もケヴィンと同じ立場で、まったく何も見えないところに放り込まれるので、どこに向かっているのか、何が言いたいのかも良く分からない状態がずっと続く。ただそこにあるのは、明確に未来が示されているにも拘らず感じる、現在の不透明感のみだ。
 既に実績がある作家のみに許される、じっくりとした作品展開だと思う。

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