大高忍作品の書評/レビュー

マギ (18)

総力戦
評価:☆☆☆☆★
 レーム帝国によるマグノシュタット侵略を跳ね返すため、学長のマタル・モガメットを中心とする魔導士たちは防御結界と魔法兵器で対抗する。たが、シェヘラザード率いるレーム帝国には、人の力の究極であるファナリス兵団がついていた。
 目の前で繰り広げられる凄惨な戦いをおさめるため、アラジンは封印を解いてマギとしての力を発揮しようとする。そのルフの奔流を見守る人々の中には、アリババの姿もあった。

 レーム帝国とマグノシュタットの総力戦の様子が繰り広げられる。

マギ (17)

魔導士の正義
評価:☆☆☆☆☆
 マグノシュタット学院でコドル1となったアラジンは、レーム帝国のマギであるシェヘラザードからのスパイであるティトス・アレキウスと共に、マグノシュタットで非魔導士が隔離されている現状を見てしまう。反発する彼らに対し、学長のマタル・モガメットは、それまで自身が見てきた魔導士迫害の歴史を彼らに見せるのだった。
 魔導士迫害の歴史と、非魔導士たちの非合理的な行動の歴史を見た学生たちの間に、魔導士国家の建設の是非に対する議論が巻き起こる。

 そして世界は、マグノシュタットを舞台とした、レーム帝国と煌帝国の衝突へと突き進んでいくのだった。

マギ (16)

魔導士の秘密
評価:☆☆☆☆☆
 マグノシュタット学院の第一学年を終了し、コドル1となったアラジンの前に、ティトス・アレキウスと出会う。彼はアラジンと同じく、ルフを封じる宝石を身につけていた。
 レームのティトス、エリオハプトのスフィントスと共に、マグノシュタットの秘密に迫ろうとするアラジンは、国民等級が五等の人たちの姿が地上に見えないことに気づくのだった。

 アラジンが出会ったマグノシュタット学院の学長マタル・モガメットは、まるで好々爺のように見える。そんな彼を凶行に追いやる理由とは何なのか?魔導士の秘密が明らかになってくる。

マギ (15)

幕開け
評価:☆☆☆☆☆
 自身の身のうちに宿る新たな魔力の操作方法を学び、魔装を手に入れるためにレーム帝国で剣闘士を目指すアリババは、腕試しのためにトトという少女と戦うことになる。しかし、無一文になり空腹のアリババはあっさりとやられ、行き倒れてしまう。
 自分のルーツを求めて暗黒大陸を目指すモルジアナは、属州カタルゴでトランの民に助けられ、大峡谷と呼ばれる、深淵の谷を渡り、故郷を目指すことにしていた。いつまでも終わりの見えぬ谷を下った暗闇で、彼女はユナンという人物に出会う。そして、モルジアナに、煌帝国の皇帝が崩御したと教えるのだった。

 煌帝国で表舞台に姿を見せ始めるアル・サーメンと、それに対抗する、練紅炎を中心とする皇帝の子供たち。その中でも別の道を歩もうとする練白龍。そして、マグノシュタットで魔法使いとして実力を顕し始めるアラジンと、様々な勢力が準備を整え始めた。衝突は不可避!

マギ (14)

帝国の真実
評価:☆☆☆☆★
 アラジン、アリババ、モルジアナの3人は、それぞれの目的を果たすためにシンドバッドの治めるシンドリアを離れ、旅立つことにした。アラジンは魔法の勉強をするためにマグノシュタットへ。アリババは魔装を身につける訓練として剣闘士になるためにレーム帝国へ。モルジアナは故郷を一目見るために旅立つ。
 しかしその途上で、子供たちを手先に使う海賊の大聖母に襲われ、母親を慕う気持ちに付け込まれた練白龍は操られてしまうのだった。そして、彼の幼少時代に起きた、その後を運命づける出来事を思い出させられることになる。

 モルさんの微妙な感情が現れる前半と、しごかれるアラジンが新鮮かも。

マギ (13)

国家の思惑、個人の想い
評価:☆☆☆☆★
 マグノシュタットを支配していたムスタシム王国の元王女ドゥニヤを看取り、アラジンは闇の金属器と黒いルフ、アル・サーメンについて調べる必要性を強く感じていた。煌帝国の練白龍もザガンを手に入れ、帰国を待つ身。モルジアナも、自分が生まれた土地について思いを馳せている。
 そんな中、アリババは魔装の訓練を余念無く積みつつも、練紅玉とシンドバッドの戦いを間近に見てから、自らの力の足り無さを痛感するようになった。そしてよりいっそう、シンドバッドへの依存度を高めていくかに見えたのだが、アラジンたちが旅に出ることを知り、少し考えを改める。

 船にて旅立ち、シンドリアからアクティアへ向かう四人を待ち受ける試練とは?新たな戦いの旅が始まる。

マギ (12)

シンドバッドの思惑
評価:☆☆☆☆★
 トランの民の住む島に発生したザガン迷宮を無事に攻略したアリババとアラジン、モルジアナと白竜だったが、迷宮から外に出た途端、新たなアル・サーメンの刺客に襲撃されてしまった。力を使い果たしやられるしかないと思ったそのとき、助けにやってきたのは彼らの師匠であるシャルルカン、ヤムライハ、マスルールたち、シンドバッド王の八人将だった。
 一方その頃、シンドリアには煌帝国のマギであるジュダルがやってきて、シンドバッドを誘う。ジュダル以外のマギであるユナンとシェヘラザードを含めた、3人のマギに加えて、新たに生まれた4人目のマギであるアラジンに、ジュダルも興味津々なのだ。

 そしてアル・サーメンは、シンドリアにいる王の器たちに、新たな呪いをかけてくる。アリババたち仲良し3人組にも新たな転機の訪れが…。
 初回限定おまけに、「ビックリマギ☆シール」が3枚ついてくる。言うまでもなく「ビックリマンシール」のパロディ品だ。

マギ (11)

悪とは呼べない敵
評価:☆☆☆☆★
 ザガンの迷宮攻略に挑むことになったアリババとアラジン、モルジアナと白竜。しかしザガンが規格外の性格だったこともあり、ほどほどに面倒な事態になる。そんな彼らの前に現れたのは、アル・サーメンの刺客である闇の金属器たちだ。
 眷属器に目覚めて魔力を使い果たしたモルジアナを抱え、まだ魔装を使いこなせていないアリババと、一行の中で最も実力的に劣る白竜がどうやって対抗するのか?

 そして敵も、単なる悪というわけではない。彼女たちを闇の眷属器使いとしたのは、ルフをそこまでおとしめなければならなかった状況でもあるのだ。それを知り、彼女たちを救いつつ、いかに排除するか?王の器とマギの力が試される。

マギ (10)

誰かの再来
評価:☆☆☆☆☆
 シンドバッド王の依頼で、トランの民の住む島に発生した迷宮の攻略に赴くことになった、アラジンとアリババ、モルジアナ、そして練白龍の4人。ザガンの迷宮は、聖門に近づく島民を容赦なく取り込み、そして誰も外へと出していなかった。
 アモンの剣を使いこなせるようになったアリババと、魔法の使い方を覚えたアラジン、そして眷族器の覚醒間近なモルジアナは、着々と攻略を進めるのだが、白龍はその進度に付いていけない。しかし何か屈託を抱える彼は、仲間の助けを頑なに拒み、ただひとりの力で攻略を成し遂げようとする。

 またもはぶち切れ寸前のモルさん襲来。問答無用の容赦ない攻撃が白龍に加えられる。
 それにしても迷宮内部の謎の生き物たちの生態には独特の感覚が炸裂し、見ている方も一瞬の油断もできない。そして攻略寸前までいった時に現れる妨害者の存在。

 おまけマンガの白龍と姉の白瑛がおもしろい。

マギ (9)

引き継がれるもの
評価:☆☆☆☆★
 シンドリア王国の食客となったアラジンとアリババは、シンドバッド王から八人将を紹介され、魔法と剣術、それぞれの修行を薦められる。そしてモルジアナには、アリババの金属器の眷属となる金属の選定を薦めるのだが、その結果として彼女が選んだ金属とは…。
 そしてシンドリア王国に、煌帝国から使節がやってくる。その正使に付き添っていたのは、アリババたちもよく知る人物だった。彼らの目的とは…?

 アリババたちのしばしの休息。そして彼らが目指すべき未来の参考となるシンドリア王国の繁栄の様子が描かれる。そんな休息と修業の時間を経た後には冒険が待っているもの!新たな冒険が始まる。

マギ (8)

ルフが伝える真実の想い
評価:☆☆☆☆☆
 黒いルフを操る秘密結社の名前が明らかにされた。アル・サーメン。彼らはカシムを黒いジンへと変貌させ、魔装を身につけ始めたアリババを執拗に狙う。黒いマギのジュダルも現れ、シンドバッドが金属器を持たない今、黒いルフの苗床となりつつあるバルバッドで、彼らに勝てるものはいない。
 そんな絶望的な状況の中で、アリババは抗うことをあきらめない。モルジアナたちの力を借りて、せっかく良い方向に進み始めたバルバッドを、黒いジンに取り込まれたカシムを取り戻そうと足掻き続ける。

 そのとき、希望のルフを従えてやってきたのは…。

 バルバッド編、感動のフィナーレ。それなのに、そのあとに続くシンドリア編の出だしでは、思いっきり落としてくれます。
 おまけまんがの崩れたモルジアナも、妙に味があって最高!

   bk1
   
   amazon
   

マギ (7)

希望の光、復讐の闇
評価:☆☆☆☆★
 ジン・ウーゴにマゴイを与えすぎたことで力尽き、深い眠りに陥ってしまったアラジン。その意識は、聖宮という場所に誘われていた。
 その頃、煌帝国により完全隷属化の寸前まで追い込まれていたバルバッド王宮に乗り込んだアリババは、兄王アブマドと対峙し退位を要求していた。そしてその場には、煌帝国第八皇女・練紅玉も現れ、国家間の契約の迅速な履行を要求してくる。そこで繰り出すアリババの秘策とは?そして、シンドバッドはいかなる手をうってくるのか?

 平和に向けて歩みだしたかに見えたバルバッドには、再び黒い影がさしかかります。

   bk1
   
   amazon
   

マギ (6)

アリババの示す覚悟
評価:☆☆☆☆★
 黒いルフを扱うマギ、ジュダルを制したジン、ウーゴくんがとどめを刺そうとした時、彼の仲間である煌帝国の皇女にして迷宮攻略者の練紅玉が現れる。彼女の操るジンの金属器の攻撃により、大ダメージを受け笛の中に戻ってしまうウーゴくん。アラジンは彼を助けようと魔力を込め続け、自身も倒れてしまう。
 シンドバッドの仲介により、一旦は引いたものの、バルバッド王国に食い込んだ煌帝国の根は枯れることがなく、王たるアブマドの大失政の影響もあり、国は滅ぶ寸前。みんなはアリババに期待するのだが、肝心の彼は何か自信をなくしていて、その期待に応えられるか分からない。その間隙を突いて、カシムが再びアリババの前に現れる。

 アラジンの一時退場、そしてそれを埋めるようなアリババの成長第二弾が見どころです。覚悟を決めて挑むことが出来るか、アリババ!

   bk1
   
   amazon
   

マギ (5)

初めて出会う同類
評価:☆☆☆☆★
 モルジアナの奮闘によってアラジンと再会したアリババの口から、カシムと霧の団との関係が語られる。それを盗み聞きして事情を知ったシンドバッドは、アリババに王宮へ向かい直談判することを提案する。
 バルバッド王との会談後、集まるアラジンやアリババたちの前に、黒いルフを纏うマギ、ジュダルが現れる。

 マギ同士の戦闘や、ジンの金属器や眷属器を用いた戦いがメインになってきた感じ。アリババが地べたから這い上がるような構造はあまり変わっていないのだけれど、そちらの印象が少し薄くなってきたような気がする。
 どちらかと言うと、当初の冒険ものっぽい雰囲気が好きなので、安易にバトル漫画にはなって欲しくないと個人的には思う。

   bk1
   
   amazon
   

マギ (4)

バルバッドへの道
評価:☆☆☆☆★
 バルバッドへの道をふさぐ盗賊を退治するため、国軍も攻めあぐねているという難攻不落の砦を単身で襲撃するモルジアナだったが、奴隷商人の罠にはまり捕らえられてしまう。そこで出会ったのは、奴隷に落ちた頃の幼い自分を思い起こさせる一人の少女だった。

 アラジンもアリババも、新登場するシンドバッドすらも差し置いて、大活躍するモルジアナです。彼女には、"女の子だから"と言って戦力外にしてはいけません。機嫌がすごく悪くなります。
 アリババは自分の故郷でしがらみに捕らわれてハマってしまっている様です。彼に対し、アリババは、そして心の鎖から解き放たれたモルジアナは何ができるのでしょうか。

   bk1
   
   amazon
   

マギ (3)

自らを見出すとき
評価:☆☆☆☆☆
 ダンジョンから飛ばされ、遥かかなた、草原に生きる騎馬民族の集落に落ちたアラジンは、ルフを見ることができる老婆と出会う。その大きく包む優しさに触れ、自分とは何かという問いに対する答えを見出しつつアラジンだったが、その集落には、巨大帝国の侵略の手が迫っていた。
 何も持っていないと思い込んでいたアラジンが、実はたくさんのものを持っていたのだということを気づかされることにより、彼が進むべき道を見出していく。言葉で示すだけでなく、行動によって示すことに価値がある。だからこそアラジンも、素直に受け入れることができたのだろう。

 さてその頃、もう一人のダンジョン脱出者のモルジアナは、故郷を目指すキャラバンの仲間となっていた。

   bk1
   
   amazon
   

マギ (2)

僕はきみが大好きなんだ
評価:☆☆☆☆☆
 力を使いすぎて眠り込んでしまったアラジン。彼を守ろうとするアリババだが、領主ジャミルとその奴隷モルジアナとゴルタスにアラジンを奪われてしまう。何とか取り戻そうと奮闘するアリババだが…。第七迷宮攻略編の完結。

   bk1
   
   amazon
   

マギ (1)

アラジンとアリババの出会い
評価:☆☆☆☆☆
 ジンの金属器を持った少年アラジン。警戒心というものがまるでなく、誰のところにもするりと入り込んでしまうような彼は、迷宮攻略を夢見る少年アリババと出会う。アラジンの持つ不思議な力を見たアリババは、迷宮攻略にアラジンを利用しようと考えるのだが…。
 二人の第七迷宮攻略のはじまり。

   bk1
   
   amazon
   
ホーム
inserted by FC2 system