小川麻衣子作品の書評/レビュー

ひとりぼっちの地球侵略 (6)

体育祭
評価:☆☆☆☆★
 今回は体育祭です。

ひとりぼっちの地球侵略 (5)

楽しい夏休みの裏側で
評価:☆☆☆☆★
 アイラ・マシェフスキーの祖母が見せた夢で、広瀬岬一は十年前の大鳥希との出会いを思い出した。しかし彼は、過去よりも現在を優先することを選択する。一方、広瀬凪は表向きは平常運転を行いながらも、裏ではオルベリオだけではなく異星人全てを地球から追い出そうと考えていた。
 補習のピンチを切り抜け、無事に夏休みに突入した彼らは、楽しい夏休みを過ごす。しかしその裏側では、少しずつ変化が生じ始めていた。

ひとりぼっちの地球侵略 (4)

忘れていた真実
評価:☆☆☆☆☆
 祖母がエラメアの異星人であるアイラ・マシェフスキーに連れられ、広瀬岬一、オルベリオの異星人である先輩の大鳥希、辺境のハウス星から来たリコデムス=ハーリアトロは、アイラの祖母と面会する。
 緊張に満ちた会見になるかと思いきや、アイラの祖母は特に何を語ることもなく、3人は釈然としないまま家路につくことになる。

 しかし、帰宅を待ち受けていた広瀬凪から、10年前に彼らの両親を殺したのは大鳥希だと聞かされた広瀬岬一は、アイラの祖母から受け取った合わせ鏡を開き、10年前の記憶をたどる旅に出る事になる。その結果明らかになる真実とは?

ひとりぼっちの地球侵略 (3)

取れない時間
評価:☆☆☆☆★
 青箱高校は文化祭の準備が始まった。広瀬岬一と広瀬凪のクラスは喫茶店を行うことになり、将来、自家焙煎軽喫茶「天の海」を継ぎたい岬一は大張り切り。先輩の大鳥希との時間も取れなくなっていく。
 そんなとき、オルベリオの生物兵器を察知した、遙か昔にエラメアよりやって来た宇宙人の子孫であるアイラ・マシェフスキーがロシアからやって来る。アイラはいきなり岬一の胸を刺し、彼の回復力の高さを確かめていく。

 そして、岬一と大鳥希の仲の良さを気にする岬一のクラスメイトの少女の古賀は、ハウス星リコデムス=ハーリアトロと同じ星団連に属するユーシフト族の襲来で戦う顔になっていく岬一に、不安の表情を浮かべる。
 宇宙人と地球人が織りなす文化祭と侵略の物語だ。

ひとりぼっちの地球侵略 (2)

生物兵器の日常
評価:☆☆☆☆★
 青箱高校に入学した広瀬岬一は、先輩の大鳥希と知り合い、自家焙煎軽喫茶「天の海」を経営する祖父が宇宙人に襲われたことで、大鳥希がオルベリオの生物兵器であることを知った。そして、一度死んだ岬一は、彼女の心臓を移植させることで生き延び、彼女と地球侵略を目指すことにした。
 入院していた双子の兄である広瀬凪が退院し、大鳥希とも顔合わせをするものの、なぜか彼女は凪に対して苦手意識を見せ、岬一と二人っきりで話をしようとする。

 そんなとき、星団連に属するハウス星からやってきたリコデムス=ハーリアトロの侵略を阻止すべく、大鳥希と二人で出撃する広瀬岬一だったが、リコはなぜか特撮ヒーローの格好をしており、子供たちと親しみ、遊園地で遊んでいる。思わず、状況を忘れて楽しんでしまう大鳥希だったが…。

 広瀬凪の復帰により、日常を覚えた大鳥希と広瀬岬一の関係は、新たな局面を迎えることになる。マスコットキャラクターとしてリコが登場し、宇宙人バトルだけど何となく変身魔法少女っぽくもなってきた様な…。いやいや、次巻はもっとドロドロな展開になる予感もする。

ひとりぼっちの地球侵略 (1)

安らぎを求める絆
評価:☆☆☆☆★
 広瀬龍介、広瀬凪と広瀬岬一の双子という三兄弟は、祖父に育てられ成長してきた。龍介は祖父が経営する自家焙煎軽喫茶「天の海」の隣の洞谷堂書店に就職し、女癖の悪い広瀬凪が入院している間に、地味で印象の薄い弟である広瀬岬一は、青箱高校に入学した。
 しかしその初日に、奇妙なかぶり物をした二年生の女子である大鳥希に、岬一は声をかけられてしまう。普通であれば女子に声をかけられるがごときイベントは凪のものなのだが、どうやら彼女は珍しく岬一だけに用事があるらしい。だがその少女は彼に、宇宙人と会ったことはないか、と聞いてくる。

 教師の介入で大鳥希は逃げ去り、後には訳の分からない広瀬岬一が残された。しかしその夜、彼の家に怪物がやってきて、彼の祖父を飲み込んでしまう。その場に現れたのは、あの少女、大鳥希だった。

 見た目は可愛らしい女の子は、実は怪力の宇宙人でしたという、「最終兵器彼女」の様な空気感をたたえた作品に思える。
 ひとりぼっちで地球侵略に送り出されたという彼女は、子どもの頃から侵略のためにだけ育てられ、自分以外の他者と関わった経験を持たない。だから、自分の心臓を分け与えた相手である岬一に対し、自己の延長線上として信頼できる存在としての他者という位置づけで、親近感を抱くようになる。

 だが岬一から見れば、彼女は日常に入り込んできた異物。日常の延長線上で、少しずつ着実にやりたいことを成し遂げていきたいと考えている岬一にとっては、非日常というのは忌避すべきモノでしかない。
 しかし実際に接する非日常の権化であるはずの希は、決して彼に非日常の側面を見せず、穏やかな日常の中でのみ、岬一との交流を続けていこうとする。でもそれは欺瞞であり、いずれは破綻する時を迎えるのだ。

 彼らの出会いの時に起きた出来事や、凪の病気との関係など、色々な要素が絡みついて展開していきそう。

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