梶川卓郎作品の書評/レビュー

信長のシェフ (20)(西村ミツル)

評価:☆☆☆☆★


信長のシェフ (19)(西村ミツル)

評価:☆☆☆☆★


信長のシェフ (18)(西村ミツル)

評価:☆☆☆☆★


信長のシェフ (17)(西村ミツル)

評価:☆☆☆☆★


信長のシェフ (16)(西村ミツル)

評価:☆☆☆☆★


信長のシェフ (15)(西村ミツル)

評価:☆☆☆☆★
設楽ヶ原の戦いの顛末 そして信忠へ

信長のシェフ (14)(西村ミツル)

暗鬼
評価:☆☆☆☆★
 明智光秀を自分の居場所にすると見定めた果心居士こと松田は、光秀に対し信長の行動を予言して信頼を得ようとする。その予言通りに進む事態に、いずれ自分が信長を討つ時が来るかもしれないという不安を抱き、光秀の心は晴れない。
 迅速に動かない光秀を後押しするため、徳川と織田の間に亀裂を入れようとする松田は、武田勝頼による高天神城攻めに信長が援軍を出さないという流言をまくのだった。

信長のシェフ (13)(西村ミツル)

屏風の約束
評価:☆☆☆☆★
 信玄亡き後、家督を継いだ勝頼の体制を探るため、祝いの挨拶に同行することになったケンだったが、既に武田は織田との戦争に向けて準備を終えていた。

 武田との戦に備え、当面の安定を得るため、上杉との同盟継続に動くことになった秀吉に伴い、京で土産物を手に入れ、謙信に会いに行くことになるのだが…。

信長のシェフ (12)(西村ミツル)

もう一人の未来人
評価:☆☆☆☆★
 本願寺との交渉を無事終えたケンだったが、新たな困難が迫っていた。そしてそれは、松永久秀と共にやってくる。ケンと同じ店で働いていた松田が、歴史を知っている利点を生かし、果心居士として侍っていたのだ。
 信長への紹介を迫る松田に対し、ケンはそれを断ってしまう。そのことがもたらす災禍とは?

信長のシェフ (11)(西村ミツル)

一掃
評価:☆☆☆☆☆
 本願寺の僧兵に捕らえられた楓だったが、朝倉に関する情報を伝えることはできた。それを利用して、織田信長は朝倉義景を急襲、追撃して朝倉氏を滅亡へと追い込む。そして戦いは、妹お市の嫁いだ浅井長政攻めへと移り変わっていくのだった。
 本願寺の顕如から届いた楓の立場を追及する問い合わせに対し、信長は光秀とケンを派遣する。

信長のシェフ (10)(西村ミツル)

政治闘争
評価:☆☆☆☆★
 武田信玄が世を去り、織田信長の天下を阻むものはいなくなった。最後の仕上げは、信長包囲網を組み上げた足利義昭を排除することだ。信長はケンと明智光秀を将軍のもとに遣わす。
 顕如とようこのもとに潜り込んだ楓からの情報で、信長による改元を阻止するため、権大納言の山科言継を口説こうとしていることを知った信長は、光秀とケンに命じ、先に山科言継を籠絡しようとする。そのための道具立てとは?

信長のシェフ (9)(西村ミツル)

帰参
評価:☆☆☆☆★
 武田信玄と武田勝頼のもとに拘留されていたケンと夏だったが、ケンは命がけの言葉で夏を解放することに成功する。
 その後、武田信玄より脇差を与えられ解放されたケンは、織田信長の盟友である徳川家康の領地へと転がり込む。しかしそこは、長篠の戦の舞台となる場所であった。

 そしてケンは、決意を以て織田信長のもとに帰参する。

信長のシェフ (8)(西村ミツル)

薬食同源
評価:☆☆☆☆★
 織田信長に従い、夏を連れて京へと上ったケンは、信長と顕如の和睦の場で最高の料理を作る。しかし、顕如の料理人となったようこが、肉豆蒄(ナツメグ)を大量に入れたマカロンを作り、それを食べた信長は昏倒させられてしまう。
 大切な和睦の場で座を外したままにすることは、今後の信長に健康問題を抱かせてしまう。果たしてケンは信長を座に復帰させることが出来るのか?

 武田信玄は、ケンの活躍を聞き、秋山信友に命じてケンを暗殺しようとする。夏と共に拉致されたケンは、生きるために、秋山信友に自分の価値を認めさせようとするのだった。

信長のシェフ (7)(西村ミツル)

古き世の大掃除
評価:☆☆☆☆☆
 浅井朝倉連合軍を退けたものの、一向一揆衆や比叡山延暦寺の僧兵に忠臣・森可成を失った織田信長は、松永久秀を呼び寄せて安土城築城の補佐の任を下しつつ、比叡山延暦寺の焼き打ちを命じる。
 女子供も含めた焼き打ちという非常な命令に、精神的支柱を失っている家臣一同は動揺を見せる。信長の本心を探るように木下藤吉郎から命じられたケンは、濃姫からのアドバイスを受け、信長の本心を質すのだった。

 そして、本願寺の顕如の女料理人ようこの下へ密偵として行くよう命じられた楓に対し、ケンは菓子作りの手ほどきをする。

信長のシェフ (6)(西村ミツル)

最後の言葉を託す料理
評価:☆☆☆☆☆
 織田信長の不意を突いた浅井朝倉連合軍の京への道を遮るため、宇佐山の森可成は寡兵での応戦を余儀なくされた。千宗易と共に森可成の下にいたケンは、森可成を助けるために死地に向かおうとする。しかし…。

 本願寺の顕如、一向一揆衆、浅井朝倉連合軍、比叡山僧兵と、周囲を敵に囲まれた状況に置かれた織田信長は、次巻が経ちより不利な状況に陥るのを防ぐため、敵を切り崩して対処することを思いつく。そのために駆り出されるのは、ケンだった。
 そして、本願寺が抱える女料理人ようこの正体とは?

信長のシェフ (5)(西村ミツル)

織田信長包囲網
評価:☆☆☆☆☆
 夏を岐阜に連れていく許可を織田信長からもらったケンは、森可成と共に堺へ赴く。そこで堺の豪商たちを説得するため、宣教師が作ったというパオンを再現しなければならなくなった。しかし、堺の豪商たちの妨害に会い、小麦以外の材料を手に入れることができない。
 一方、本願寺の顕如は、これまでの織田信長恭順の姿勢を変え、一気に敵対行動に移ろうとしていた。その影には、織田信長を嫌う足利義昭と、ケンと同様に未来の料理を作る女の姿があった。

 千宗易という新たな道連れも加わり、物語は順調に加速していく。

信長のシェフ (4)(西村ミツル)

超越の代償
評価:☆☆☆☆★
 織田信長の命により、裏切った義弟である浅井長政の真意を確かめに向かったケンだったが、信長の妹のお市に正体を見破られ、護衛についてきた楓にも見捨てられた結果、虜囚となってしまう。危うく首を落とされるというとき、ケンの脳裏によぎったのは京の鍛治師である夏の笑顔だった。

 お市のとりなして即刻の打ち首は免れたものの、生き残るためには、お市の娘である茶々が嫌いな肉料理を食べさせなければならない。しかも、包丁なしで料理をさせられるという無理難題のおまけ付きだ。このピンチをケンはどう切り抜けるのか?

 死を意識したことで、その対極にある生と、それを成し遂げる料理について思いを深くしたケンは、また、人として生きるのに大切なものを改めて自覚する。そしてそれは、信長との関係をより強固にすることにもつながるのだ。
 周囲の人間と異質であるという事は、その人を孤独にする。孤独に耐えられるほど、人は強くは作られていない。無理をおして孤独を貫こうとすれば反動が来る。ゆえに、孤独を逃れるチャンスがあるならば、それは掴んで離さない方が良いのだろう。

信長のシェフ (3)(西村ミツル)

食べることは生きること
評価:☆☆☆☆☆
 越前・朝倉義景を討伐するために兵を挙げた織田信長だったが、それは妹であるお市が嫁ぎ先であり、朝倉家に旧恩がある義弟・浅井長政のメンツをつぶす行為でもあった。連戦連勝の余勢を駆る金ヶ崎で長政挙兵の報を受けた信長は、羽柴秀吉と明智光秀を殿とし、壮絶な退却戦に臨む。
 その道中、ケンと二人で落ちのびることになった信長だったが、足を挫いてしまい、地元民に一晩の宿を頼むことになる。戦乱のため武士を疎み、食うものもなく痩せ衰える子どもをただ見ているしかない父母に対し、ケンが差し伸べる手の生み出す食べ物とは?

 時勢を見て信長から距離を置く様に勧める家臣を持つ徳川家康を説得するための料理、そして浅井長政の許に潜入させられたケンが作る料理。いずれも主の意図を読み、本人ですら自覚していない気持ちを表現する料理であるからこそ、真情を持って相手に届くのだろう。
 そんなケンに絶体絶命のピンチが訪れる!

信長のシェフ (2)(西村ミツル)

心を折る料理
評価:☆☆☆☆☆
 北畠具教の籠城する城を攻める織田信長は、和睦交渉の席に出す料理を作ることをケンに命じる。それは、織田を田舎者と見下す北畠の心を折る料理だ。信長の意を汲んだケンは、伊勢の海の幸を使って、それを皿の上に表現する。
 戦は終わり、信長はその報告に京へと赴く。もちろん、ケンを引き連れて。その目的は、将軍・足利義昭に自らの立場を思い知らせること。ケンは信長の意を過不足なく料理を作っていく。

 血を流さない戦場で、刀ではどうにもできない心を切りつける皿を生みだすケン。その皿は、信長の意向通り、とても攻撃的な料理になっている。
 徐々に、信長の大きさに魅せられていくケンだったが、その前に、明智光秀、徳川家康ら、歴史に名を残す武将が次々に現れる。歴史の結末を知るケンは、ただ料理を作りつつも、次第に懊悩の色を濃くしていくのであった。

信長のシェフ (1)(西村ミツル)

戦国の世のシェフ
評価:☆☆☆☆☆
 西洋料理人の格好をしたケンは、気付くと戦国時代の京都でいた。雑兵に追われ川に飛び込んで逃げたところを、鍛冶師の女、夏に拾われる。彼女の家でまかないをして生活していたが、その評判は京の街に広まり、その噂を聞きつけた木下藤吉郎が織田信長を連れてケンのもとへとやってきた。
 夏の命をたてに岐阜へと来るよう命じられたケンは、夏に別れを告げ岐阜城へと出仕する。そこで信長は、ケンに料理頭となることを命じた。当然、いまの料理頭はそれに反発、ケンと料理の真剣勝負をすることになる。

 「大使閣下の料理人」「グ・ラ・メ」と同様に、ホストがゲストに伝えたいメッセージを読み取り、それを料理に込める料理人の活躍が描かれる。美味しいまずいだけが問題なのではなく、何故いまその料理なのかが問題なのだ。なぜなら、料理の味は、食べる人物・場所・タイミングによって千差万別に変化するのだから。
 ひとまず、信長の下で生き延びたケンは、戦場の過酷さを知り、そして自分自身の進む道を求めてあがくことになる。

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