宇宙兄弟 (31)
- 評価:☆☆☆☆★
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宇宙兄弟 (30)
- 評価:☆☆☆☆★
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宇宙兄弟 (29)
- 評価:☆☆☆☆★
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宇宙兄弟 (28)
- 評価:☆☆☆☆★
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月の裏側で行方不明になったシャロン望遠鏡のアンテナ探し
宇宙兄弟 (27)
- バッシングの嵐
- 評価:☆☆☆☆★
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ISSでALSの原因となる物質の結晶化実験に明け暮れるせりかにピンチが訪れる。以前、作業のねじ込みを狙って近づいてきた製薬会社の人間が、その腹いせにネットで悪評をばらまき、それがバッシングの嵐を生み出す。その流れに反応した文部科学大臣が、実験の中止を求めだし…。遠く月にいるムッタは何を思うのか。
宇宙兄弟 (26)
- 相次ぐ異常
- 評価:☆☆☆☆★
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大気圏を離脱し、ISSとすれ違い、月着陸船とのランデブーを果たした六太たちジョーカーズは月へと向かう。ところがその時、シャロンに異常が発生する。
シャロンの容態についての連絡を受けつつ、何もできない六太は、いよいよ月着陸シークエンスに入っていた。ところがその時、月着陸船オクトパスを異常が見舞う。
宇宙兄弟 (25)
- 発射前のセレモニー
- 評価:☆☆☆☆★
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いよいよムッタが月に向けて出発する時が来た。そして直前にもたらされる変更は吉兆かあるいは凶兆か。
発射前のセレモニーが繰り広げられる。
宇宙兄弟 (24)
- 本当の姿
- 評価:☆☆☆★★
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ジョーカーズの訓練からカルロ・グレコが姿を消した。そのことについてエディ・ジェイと話した南波六太は、カルロの本名がルチアーノといい、死の淵に瀕しているマフィアの父リベリオ・ゴッティに会いに行ったことを確信する。
カルロの代わりにモッシュが訓練に参加するものの、性格的に他のメンバーとはかみ合わず、訓練では何度も墜落を経験してしまう。
そしてPRのための訪日をしたムッタは、久々にシャロンに会うのだった。
宇宙兄弟 (23)
- 過去からのメッセージ
- 評価:☆☆☆☆★
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伊東せりかがISSミッションへ向かう日が近づいてきた。日本から母親を呼んだせりかは、過去からのメッセージを受け取る。
一方、南波六太が所属するジョーカーズには問題が発生していた。
宇宙兄弟 (22)
- 初心を取り戻せ
- 評価:☆☆☆☆★
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プログラムマネージャーのゲイツから、金子シャロン博士の月面望遠鏡計画計画を開始するCES-66に“ジョーカーズ”がアサインされる最後のチャンスとして、一億ドル以上のコスト削減案を考えるか、あるいは伊東せりかの夢であるISSを破棄する署名を集めるかという条件を出された宇宙飛行士の南波六太は、逆に、ISS存続の署名を集め始めた。
当然、ゲイツの怒りを買ってしまう事になるわけだが、一縷の望みを託して、ISS存続の希望を日本に求める。一方、ムッタの言葉で初心を思い出しつつあるゲイツは、とある懐かしい店へと顔を出していた。
舞台はしばし日本へ。懐かしの面々が主役となっている。
宇宙兄弟 (21)
- 夢の前に立ちふさがる官僚組織の罠
- 評価:☆☆☆☆☆
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CES-62の月面ミッションにアレスIで旅立ったビンスを管制室でサポートするキャプコム担当宇宙飛行士の南波六太は、金子シャロン博士の月面望遠鏡計画計画が始まるCES-66にムッタを含む“ジョーカーズ”がアサインされることを願っていた。しかし、バトラー室長の推薦にも拘わらず、プログラムマネージャーのゲイツの提案で、飛行経験と知名度がある宇宙飛行士で構成されたチームがアサインされることになってしまった。
伊東せりかのISSミッションへのアサインを喜ぶ間もなく、月面でのシャロン望遠鏡ミッションを諦めきれないムッタはゲイツへ直談判し、一億ドル以上のコスト削減案を提示できれば、ジョーカーズをアサインするとの言質を取るのだった。
少しずつでもコスト削減案を積み上げる努力を続けるムッタに、ゲイツは悪魔のささやきを与える。そしてそれは、せりかの夢を絶つことに繋がりかねない提案だった。果たしてムッタの選ぶ道は?
宇宙兄弟 (20)
- 夢の結実
- 評価:☆☆☆☆☆
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CES-62の月面ミッションにアレスIで旅立ったビンスを管制室でサポートするキャプコム担当宇宙飛行士の南波六太は、ビンスとピコの夢を乗せた月着陸船“RICK”にまつわる話を思い出していた。片田舎の炭鉱の街で出会った、宇宙を目指す3人の少年の夢が、いま、結実する。
NASAを去った南波日々人がいつか合流することを信じ、金子シャロン博士の月面望遠鏡計画にアサインされることを目指して、日々の業務に全力投球するムッタだったが、その計画が始まるCES-66に、ムッタを含む“ジョーカーズ”のアサインを提案するバトラー室長に対し、プログラムマネージャーのゲイツが反対票を投じる。その理由とは?
飛行機に乗って計画書を読むムッタとか、日常の小ネタが差し挟まれて面白い。夢が叶ったビンスたちに対し、ムッタたちの夢は叶うのか?
宇宙兄弟 (19)
- ぬぐい去れない前科
- 評価:☆☆☆☆☆
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ビンスのバックアップクルーとして、月面ミッションの訓練に参加することになった南波六太は、アリゾナでの訓練を終えてヒューストンに戻った。管制室でのキャプコム担当宇宙飛行士として、着陸誘導の訓練をするためだ。久しぶりに真壁ケンジや伊東せりかと会い、日常を満喫するムッタだったが、ヒビトには危機が迫っていた。
パニック障害を乗り越え、復帰のための試験もクリアした南波日々人だったが、バトラー室長の援護もむなしく、プログラムマネージャーのゲイツの反対が協力で、ヒビトの宇宙復帰は厳しいものとなる。そしてヒビトは姿を消してしまい、心配したムッタは自分の訓練に身が入らなくなるのだった。
ケンジがアサインされるミッションがとてもチャレンジング。でもそこに有人で行く意味って、どのくらいあるのかな?
宇宙兄弟 (18)
- 本当のチームへの第一歩
- 評価:☆☆☆☆☆
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月面での自己によりパニック障害になってしまった南波日々人の宇宙飛行士復帰を決める試験が始まった。数多くの人々の後押しによりここまでこぎつけたヒビトだったが、正直、まだ不安はぬぐいきれていない。そんな時、彼の許に現れたのは…。
一方、ビンスのバックアップクルーとして、月面ミッションの訓練に参加することになった南波六太は、アリゾナの荒野にいた。ところが、一緒に訓練をする仲間たちは、いずれも一癖も二癖もある宇宙飛行士ぞろいで、ちっともまとまる気配がない。
そんな苦労をムッタがしていること、シャロンはNASAへとプレゼンにやってきていた。一度はリジェクトされた月面望遠鏡の建設計画を推進するためだ。果たして彼女の夢は叶うのか?
比較的順調に進んできたヒビトが初の壁を乗り越える瀬戸際にあるのに対して、常にトラブル続きのムッタは、宇宙飛行士になってからも苦労の連続だった。そしてようやく、月へ行くという夢が現実に手が届くところまで着たにも拘らず、その仲間達はバラバラで、とても一緒に月に行けるとは思えない。
ムッタは何とかみんなをまとめようと努力しようとはするのだが、目に見えるリーダーシップなどは持ち得ないムッタにはそれはできない。だがNASAには、そんなミッションをこなせるリーダーが存在するのだ。
ひとつのミッションを成功させるためには、数多くの人の貢献が必要だ。そしてその実行者たる宇宙飛行士にも、協調という概念が要求される。しかし元々、とんがった人が宇宙飛行士になるともいえるわけで、その要求自体が矛盾を孕んでいるともいえなくない。そこを乗り越えることが、宇宙への第一歩と言えよう。
宇宙兄弟 (17)
- 復活を目指して
- 評価:☆☆☆☆☆
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NASA月面基地プログラムマネージャーのウォルター・ゲイツとJAXAの田沼の思惑が結びついた結果、南波日々人は前戦から外されてしまった。そこから脱出して宇宙飛行士に戻るため、少数の協力者を得てヒビトはリハビリを続ける。
そんなある日、ブライアン・ジェイの墓前で吾妻滝生に会ったヒビトは、とあるアドバイスを受ける。そしてヒビトの心の中に住むブライアンの答えも、吾妻と同じものだった。
宇宙飛行士に復帰できるか、あるいは二度と戻れないか。その境界となる試験が間近に迫る。
宇宙兄弟 (16)
- 初めての衝突
- 評価:☆☆☆☆☆
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海中に建造された訓練施設アクエリアスIIにおいて、仮想月面での建設訓練に従事することになった南波六太は、先輩のジョージ・ラブ、アンディ・タイラー、そして真壁ケンジとチームを組む。しかしこのチーム分けには、NASAのある思惑が隠されていた。
そのおかげで、初めて衝突するムッタとケンジ。ムッタはシャロンとの約束を果たすことを想定して電波望遠鏡の建設を主張し、ケンジは任務達成の効率を優先し、無駄なものは作らないように主張する。
一瞬、ケンジの主張に流されそうになるムッタだったが、自分が背負っているものを思い出し、互いの主張を満たす最適解を求めて、ムッタは動き始める。
宇宙兄弟 (15)
- 急がば回れのロシア生活
- 評価:☆☆☆☆☆
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月面での事故で死にかけたことにより、南波日々人はパニック障害を引き起こしてしまった。ヒビトの復帰を気にかける宇宙飛行士室長ジェーソン・バトラーは彼に時間を与え、先輩宇宙飛行士の吾妻滝生は、ロシアの英雄イヴァン・トルストイにヒビトを託す。
イヴァンの娘オリガと知り合い、彼女の現在の踊りと、そこに至るまでの過程を知ることで、日々人は復活のために、一歩一歩、小さくでも前進することを決意する。
一方、熱意が認められた南波六太は月ミッションを前提とした訓練に挑むことになる。
宇宙兄弟 (14)
- 全力の回り道
- 評価:☆☆☆☆☆
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伊東せりかの志と、自分の夢の実現のために、最も早い宇宙へのルートを断ってしまった南波六太がアサインされたのは、事故にあったローバーの改良をするための技術チームだった。月へのあまりの回り道に絶望に閉ざされそうになるムッタだったが、ビンセント・ボールドらの言葉を受け、今できる最善を尽くそうと心に決める。
前職の自動車会社、JAXA、NASAと、総力を結集して実現させる、低コストの解決策とは?ムッタのやる気は、宇宙飛行士室長ジェーソン・バトラーの心を動かすことが出来るのか?
宇宙兄弟 (13)
- 一流のやり方
- 評価:☆☆☆☆☆
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次に始まったのは、T-38の飛行訓練だ。精神状態が不安定だったせいもあり、筆記試験が追試となったムッタに割り当てられた教官は、デニール・ヤングじいさんだった。その無茶苦茶な指導にムッタも投げ出しかけるのだが、あるきっかけで、デニールについていくことを決意する。
一方、夢の実現に端緒をつけ始めたばかりのシャロンを襲った、ALSという悪夢。彼女自身は気丈に振る舞うが、そんな姿を見て、ムッタもヒビトも、彼女のために早く夢を実現させたいと思い始めるのだった。
いよいよ訓練期間が終わり、宇宙飛行士としての活動が始まる。
宇宙兄弟 (12)
- 立ち込め始める暗雲
- 評価:☆☆☆☆☆
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いよいよ「カムバックコンペティション」が始まる。当日の天候のおかげで、ムッタたちE班は最後までてんやわんやの大騒ぎ。しかしそのラストでは、意外な人物の動向を知ることも出来てうれしい限りだ。
そしていよいよ、ヒビトの地球帰還の時が迫る。その裏側では、長年の夢を実現すべく、シャロンの活動も始まっていた。すべてが順調に進んでいるように思える先に見える、かすかな不安の影。それを指摘することになるのは…。
宇宙兄弟 (11)
- 制約の中の最善
- 評価:☆☆☆☆☆
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ついにNASAで始まった基礎訓練。初めての訓練は、砂漠の中を行軍するサバイバル訓練だ。その最中、新田零次がひきこもりの弟から電話がかかってくる予定の携帯電話を紛失し、当日のリーダーだった南波六太は、キャンプ地に荷物を置いて後の二人だけでの引き返しという方法を決定する。それは吉と出るか凶と出るか?
そして到着した先で開始される訓練は「カムバックコンペティション」への参加だ。キャンサットを打ち上げ、パラシュートで落下させ、自動操縦のローバーをゴールへと向かわせる。宇宙開発の全ての要素が詰め込まれた競技なのだ。
それだけに、一朝一夕では勝利はおぼつかない。サポート役として参加する技術者の力量にゆだねる部分も大きいはず。それなのに、ムッタたちE班につけられたのは、全くやる気のない酔っ払いに見えるピコ・ノートンという技術者だった。
限られた情報と資金の中で、最善の結果を求めて模索する。性能のギリギリを追求するために失敗する。全てはそれに命を託すモノを帰還させるため。その想いがないものが宇宙開発に関わっていることはないだろう。
宇宙兄弟 (10)
- ついに始まる訓練
- 評価:☆☆☆☆☆
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宇宙飛行士室長ジェーソン・バトラーが訓練教官に指名したビンセント・ボールドは、軍人上りの宇宙飛行士だ。神経質そうな見た目と、せっかちな性格、他人に厳しい目線を向ける訓練教官は、初めからムッタを蔑視しているように見える。
そうして始まった訓練は、のっけから厳しいものだ。砂漠の真ん中に放り出されたムッタたちは、チームを組んでサバイバルを行うことになる。その道中、誰よりも宇宙飛行士への道を急いでいるように見える新田は、携帯電話の着信ばかりを気にしている。その理由とは、そしてムッタの対応は?
宇宙兄弟 (9)
- 距離を超えて結びつく想い
- 評価:☆☆☆☆☆
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月でヒビトとダミアンの乗ったバギーがクレーターに転落、ダミアンの体温維持装置の循環水が凍結し、永久影にいるダミアンには凍傷、そして死亡の危機が迫る。自分を見捨てるように言うダミアンに対し、ヒビトはまだチャンスは残っていると言い、彼を助けようとして自分の酸素タンクを破壊してしまう。残された酸素残量は80分だ。
一方、事情を知ってJAXAにやって来たムッタは、かぐやIIの未解析画像データから再構成された三次元マップを見て、ヒビトが戻ってくるであろうポイントを示す。それはNASAに伝えられるのだが…。
月面と地上、約38万キロメートルもの物理的距離を乗り越え、宇宙飛行士の生還という最大の目的を成し遂げるため、彼らの想いは結実するのか?
シャロンとの約束を果たすためにも、ムッタは2年間の基礎訓練に旅立つ。
宇宙兄弟 (8)
- 鳴らない電話?
- 評価:☆☆☆☆☆
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次々と受験生たちにかけられていく合否を告げる電話。しかし、ムッタのもとには中々電話がかかって来ない。やはりダメなのかと思いかけた午後3時過ぎ、ムッタのもとにかかって来たのは、公園まで呼び出すJAXA職員の星加からの電話だった。
一方、月の基地で任務に従事するヒビトを襲う、思わぬ危機。それをまだ、ムッタは知らない。
宇宙兄弟 (7)
- 月にしるす第一歩
- 評価:☆☆☆☆☆
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いよいよヒビトを乗せたアレスIが宇宙へと飛び立った。真っ直ぐに伸びるロケットロードを、ムッタはまぶしく見上げる。次は自分がそこを通る番だ、と思いたい。
ヒビトが月に降り立つ瞬間をヒューストンで待つことにする。そんな彼は、家族とだんらんの時を過ごす吾妻滝生の姿を見かける。勇気を持って彼に話しかけたムッタは、吾妻という宇宙飛行士の本質を初めて知った気になるのだった。
そして月に降り立ったヒビトの第一歩と第一声とは?また、いよいよ、宇宙飛行士候補生の発表が始まる。
宇宙兄弟 (6)
- 定まらない気持ち
- 評価:☆☆☆☆☆
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JAXA宇宙飛行士選抜試験も最終選抜を残すのみ。その課題は現役のJAXA宇宙飛行士による面接だ。いたずら好きの宇宙飛行士の紫三世には気に入られたらしいムッタだが、ヒビトより先に月に行くはずだったと噂される宇宙飛行士の吾妻滝生はとっつきにくい。そんな吾妻が、ムッタにひとつの質問をする。
いよいよ、ヒビトが月へと向かう打ち上げの瞬間が近づいて来た。ムッタの気持ちはまるで空模様と同じ様に、ヒビトが月へ向かうことを誇らしく思う気持ちと、弟に先を越される悔しい気持ちが相半ばしている。そんなムッタの前に、NASAの職員デニール・ヤングが現れる。
兄弟の夢の一端が実現する瞬間が、間近に迫っている。
宇宙兄弟 (5)
- それぞれの選択
- 評価:☆☆☆☆☆
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いよいよ、班のメンバーから二人を選出しなければならない。いずれも宇宙飛行士にふさわしいということは、この二週間でお互いに理解したはずだ。それでも、自分の夢を他人に譲る様な選択は出来ない。
どんな手を使ってでも次に残りたい。そのためには…そう思った時、ムッタは残りのメンバーにある提案をする。その常軌を逸したかに見える提案とは?
全てを終えたムッタは再びヒューストンのヒビトのもとへと向かう。最終選考に残ったのは、そして宇宙飛行士に求められることとは何なのか。そんな問いを胸に抱きつつ、今日も彼らは宇宙を目指して歩んでいく。
宇宙兄弟 (4)
- 信頼を崩す緑
- 評価:☆☆☆☆☆
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JAXA宇宙飛行士選抜試験三次試験は、二週間の閉鎖環境試験だ。慣れない状況、慣れない作業に苦しみながらも、徐々に立ち位置が決まってくる。しかしそれだけではテストになるはずもない。
彼らのスペースにはたった一つしかない時計が壊されるという事件が発生。正直者の古谷やすしは歯に衣着せぬ物言いで周囲を疑いだし、伊東せりかも南波六太を疑いのまなざしで見つめ出す。だが、ムッタは知っていた。真の犯人が誰なのかを…。
一方、真壁ケンジの所属する班では、彼に対抗意識を燃やす溝口が、班の主導権を握ろうとしゃかりきになっていた。おかげで班の雰囲気は険悪になり、一緒に暮らしながらも笑顔のひとつも出ない。この試験の正解は何なのか?ケンジはそれを、娘の口ぐせから思い至るのだった。
そしていよいよ、班のメンバーから二人を選抜する、苦しい選択の時が迫る。
宇宙兄弟 (3)
- 日常ではあり得ない密度、だがそれが日常の世界
- 評価:☆☆☆☆☆
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南波六太は、JAXA宇宙飛行士選抜試験三次試験に進むことが決定した。しかし、伊東せりかや真壁ケンジに比べ、自分には宇宙飛行士になる理由が薄いのではないかと考え込んでしまう。そんなときにまたも彼の背中を押したのは、シャロンだった。
そうして始まった三次試験は、二週間、閉鎖環境でタスクをこなすこと。5名ずつの三班に分けられたのだが、ムッタはせりかや最年長の福田直人、最も背が高い新田零次、言葉遣いが荒い古谷やすしとと同じ班になる。
ほとんど初めて出会った人間が、限られたスペースで、抑圧された状況で過ごす。それ自体が大変でありながら、意見を衝突させながらも説得しまとめていかなければならないのだ。しかも彼らはいずれも優秀で、必ずしも意見に優劣があるわけでもない。その状況でどんな役割を果たすのか、そこに人間性が透けて見えてくる。
そういう意味で言うと、ムッタはもちろん、福田や古谷の考え方はおおよそ見えて来た。つまり、次巻では、意外に見えて来ないせりかや、新田の考え方が見えてくるという展開になるのだろう。
宇宙兄弟 (2)
- 運も実力のうち
- 評価:☆☆☆☆☆
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宇宙飛行士選抜試験の二次試験が終了し、その結果が発表されるまでの合間を使って、南波日々人は兄の南波六太をNASAへと招待した。オジー・スミス夫妻らからヒビトのヒューストンでの生活を聞き、NASAではジェニファーらからヒビトの活躍を聞き、自分との差をあらためて感じてしまう。
一方、JAXAでは宇宙飛行士選抜試験二次試験の選考が薦められていた。当落線上からわずかに合格側に入っていたムッタだったが、彼が役員に頭突きしたという情報を仕入れて来た職員の発言で、彼は不合格に入れられそうになる。
その選考に加わる星加正は、彼がもう少し若かった頃、JAXAのセンターに入り浸っていた兄弟のことを思い出していた。
そしてその頃、アメリカではムッタが騒動を巻き起こす。
宇宙兄弟 (1)
- 夢を叶えるための第一歩
- 評価:☆☆☆☆☆
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南波六太は自動車設計で賞を取るほど優秀だったが、会社をリストラされた。日本人として初めて月に行く宇宙飛行士にして弟の南波日々人をバカにされ、役員に頭突きをかましてしまった結果だ。
その役員によって業界に悪評がふり撒かれ、失意の日々を送る中、彼のもとにJAXAから一通の書類が送られてくる。それは、宇宙飛行士選抜試験書類選考通過のお知らせだった。
弟に依頼されて母が履歴書を送った結果としての通過。六太はそれを嬉しく思いつつも、またもや失格の烙印が押されるだけだと思い、前に進むことができない。そんな彼の背中を押したのは、子どもの頃からお世話になっている隣人の金子・シャロンだった。
こうして宇宙飛行士選抜試験がはじまり、六太は伊東せりかや真壁ケンジと出会うことになる。
子どもの頃にUFOを見たことがきっかけで宇宙飛行士を夢見た兄弟。弟はその夢を叶えて宇宙飛行士となり、もうすぐ月に行く。一方、弟よりも先に行かなければならないと思っていた兄は、いつの間にか夢を忘れ、日々の生活に忙殺されていた。しかし、その日常が崩壊した結果、初めて子供の頃の夢に真剣に向かい合うことが出来たのだ。
税金を大量投入しなければ実現できない宇宙開発に関わる人間、特に宇宙飛行士の養成は金食い虫ともいえる。ゆえに、宇宙飛行士はそれにふさわしい結果を残すことが求められるはずだ。宇宙に行ったらすぐ退職などという行動は倫理的に許されない。
しかし、宇宙飛行士が自分の仕事の中に夢を見てはいけないということはない。義務を果たしさえすれば、そこから先には彼らの世界が存在しているのだ。