咲香里作品の書評/レビュー

8♀1♂ (1)

祖父にあてがわれる妻候補
評価:☆☆★★★
 木下財閥総帥の孫である木下紳一郎は、部屋に閉じこもりゲームをする生活を好んでいた。将来の夢もなく、木下財閥を継ぐ気も無く、何もしなくてもどうにかなると思っている。
 だが、そんな孫の不甲斐なさに呆れた祖父は、木下紳一郎に指定した屋敷で暮すように厳命する。そこに向かった木下紳一郎が見たのは、屋敷で共に暮すことになる島本美優、宮本華、宮沢結衣、上原みどり、松本愛、岩清水ナナ、三枝楓、葉山レイという8人の女の子たちだった。

 8人の少女たちはオーディションにより決定された木下紳一郎の妻候補であり、彼が選びさえすれば誰でも結婚できるという。ただし、結婚が決まるまでは性交渉は禁止。それを破ればこのハーレム生活は終わってしまう。思春期の少年がこの誘惑に耐えられるのか?

 何の裏もなく持てる男がいるわけもなく、彼女たちには相続する財産の半分が与えられるという。そのことを知った木下紳一郎はショックを受けるのだが、彼女たちから彼も少女たちを信じていないだろうと言われ、愕然としてしまうのだった。
 しかし、青春ものとしてもエロマンガとしても微妙かな。

はじめてだってば! (3)

そう簡単にはとまれません
評価:☆☆☆☆★
 バドミントン部の大道加奈とつきあい始めた野球部の高木啓介だったが、色々とじらされっぱなし。ここぞというときにはどうしても邪魔が入ってしまう。しかし、天然で恋愛について真面目に考えたことがなかった加奈も、野球部のエース岩崎に恋しているマネージャーの中澤裕美や、自宅に寄宿しているライターの朝丘に憧れる桐島れみらと友だちになることで、心の障壁が下がってきたみたい。
 そんな高校生5人がお泊まり会をすることに。いつもとは違う環境で、誰も止める人がいない状況の中、いったいどこまで行ってしまうの?

 シリーズ完結巻。女性作者だということと関係あるのかも知れないが、きちんとゴムをつける描写を繰り返すところがひと味違うかも。

はじめてだってば! (2)

3タイプ取り揃えてみました
評価:☆☆☆☆★
 高校球児の高木と、天然おバカキャラの加奈。付き合い始めてはみたものの、初めてのことばかりでちょっと加奈はしり込みしちゃう。でも、いろんな人のいろんな恋愛を見ることで、だんだん心の準備ができて来たみたい。でもそんなとき、高木にちょっかいを出す美人・桐島れみが現れ…。
 そして野球部で恋愛禁止を掲げる鉄血マネージャー・中澤裕美の恋にも進展の気配が…。

 秘密を共有するとなぜか仲良くなってしまう女の子スキルで、高木と加奈のランチタイムは段々とにぎやかになっていく。
 段階を踏んでいく正統派の可奈、禁欲ルートの裕美と来て、れみは奔放ルートへ向かうのか?

はじめてだってば! (1)

はじめてだから
評価:☆☆☆☆★
 バドミントン部員の16歳、天然暴走系の大道加奈と高校球児の高木。二人は初めてのお付き合いをすることになる。はじめてゆえに生じる、色々と恥ずかしいやりとり。そんな青春物語です。

 前作の「スマッシュ!」最終版でメインとなった恋愛エピソード、そしてスピンオフっぽく読切があった委員長と野球部員のエピソードなどにあった要素を引っ張ってきて、そこに青年誌的な要素を付け加えた感じの作品になっている。
 多分ラブコメを描くこと自体は作者は好きそうな印象があるので上手くはまれば面白くなるかも知れないけれど、もっとあざとくして、むしろ少女誌とかでやった方が受けるんじゃなかろうかとも思う。青年誌的には中途半端というか、キャラは少年誌寄りだしエロ要素もむき出しという感じじゃない。さて、どうなるのかな〜。

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スマッシュ! (18)

翔太たちの舞台は世界に
評価:☆☆☆☆★
 最後は少し駆け足になっての完結編。翔太たちの舞台は世界に移った。
 おまけとして、大和やハルの恋愛ストーリーも収録されている。

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スマッシュ! (17)

突きつけられる差を埋めるための努力
評価:☆☆☆☆★
 インターハイを終えた翔太は、マレーシア、インドネシア、韓国とアジア周遊武者修行の旅へ突如として出発する。マレーシアにいた神尾の助けも借りつつ、バドミントンの世界レベルを実感していく。
 この巻は翔太のレベルがアップする段階なので、バドミントンの描写がいっぱい。これまでも勝利に拘って勝負してきた翔太だが、林選手という形を取って目指すべき世界のレベルが見え、自分との客観的なレベルの開きを自覚することができたと思う。だからこその、レベル差を詰めるための武者修行という一面もあっただろう。
 そしてまず目指すのは、世界ジュニア選手権での勝利!

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スマッシュ! (16)

人生の転機
評価:☆☆☆☆★
 優飛と翔太、それぞれのシングルス準決勝戦を前にして、メンタルを揺るがすトラブルが発生。どんな状況でも、格上の相手でも常に勝つために、トラブルすらもやる気に変えて突き進んでいく。今回の表紙の絵と内容はぴったりの感じ。
 そして、本編からスピンオフした読み切りも併せて収録。むしろ本編よりもノリノリで描いている感じが伝わってくる仕上がり。やっぱり恋愛ものっぽい作品が好きなのでしょうね。

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スマッシュ! (15)

高校生バドミントン・プレイヤーの姿?
評価:☆☆☆☆★
 インターハイ団体決勝、ダブルス決勝がメインの試合。でも、この巻の本当のメインは試合の裏で繰り広げられている勝負の様だ。亜南と美羽とか、大和たちとか。
 バドミントンという競技ではなく、高校生バドミントン・プレイヤーを描くことに主眼を置くなら、それが正解なのかも知れない。でも、どちらかというとバドミントン自体の戦略性などを緻密に描いた物の方が好みではあるけれど。
 着々と高校生男子トップクラスの地歩を固めている翔太だけれど、新たに林健一という強いプレイヤーが立ちふさがるみたい。明らかに格上の相手にどうやって挑むのか、その作戦が見られる時は来るだろうか?

 おまけマンガは、イベント後の亜南と美羽、大和の様子。

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スマッシュ! (14)

バドって室内競技だから本格的にはやりづらいよね
評価:☆☆☆☆★
 翔太が夏合宿で水着女子に囲まれていたころ、大阪では優飛スター化計画が発動していた。夏に合わせたサービスシーンも終わり、ついに激しインターハイの闘いが始まる、という感じ。
 どんな競技でも競技人口が増えないとなかなか強くならないもの。逆に、ある時を境にして一気にそれまで乗り越えられなかった壁を乗り越えたりも出来てしまう。これを成し遂げるために、現実世界でも、多くのスター(候補)が作り上げられていますよね。
 こういう候補は主にルックスやキャラクター性を重視してマスコミに取り上げられるから、必ずしも実力が一番とは限らないのが悲しいところ。その点、優飛はスターになるべく生み出されたキャラクターだから、成功は間違いなし。さて、翔太は彼女を守り切れるのかな?

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スマッシュ! (13)

地獄の特訓、時々楽しい思い出
評価:☆☆☆☆★
 最近はバドミントンそのものよりも、人間関係とか、バドミントン部員にスポットが当たる場面が増えてきたなあ、と思っていた。まあそれも面白くはあるんだけれど、それだけだとバドミントンを題材に選ぶ理由にはならないわけで…と思っていたところ、合宿編でまた少しバドミントンが主役に復帰。やっぱり、あの人がいると部活が締ります。
 巻末には文化祭の様子が描かれた短編を収録。さらにおまけページの後日談も、話題が膨らむという意味で面白い。使い捨てにするにはもったいないキャラクターな気がする。

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スマッシュ! (12)

これまではあまり描かれていなかったサイド
評価:☆☆☆☆☆
 インターハイ予選、女子バドミントン部編とその後日談といった構成。男子部では太陽の台頭が少し描かれているくらいで、試合風景のほとんどは女子部のもの。以前はバドミントンのテクニック面での描写が多かったように思うけれど、最近はメンタル面での描写が多くなってきたように思う。そしてそれは試合に限らず、部活後の生活にも反映されているわけで…
 美羽と亜南の恋の始まりや、翔太と蛯沢先輩のデート、そして後輩部員たちとのやり取りなどが合間合間に挿入されています。

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スマッシュ! (2)

だいすきだから
評価:☆☆☆☆★
 優飛がなぜしゃべれないのかはまだ謎のまま。今回は、優飛のコミュニケーションツールについて考えて見たい。優飛が転向してくるシーンで携えているのはスケッチブックとマジック。翔太と二人で話している時にもそれを持っている。これって、もう少し現代的なツールに出来たのではないだろうか。
 他の本で読んだ話では、彼らのコミュニケーションツールとして、携帯電話が登場する。メール作成画面に文章を打ち込んで、それを見せるわけだ。これはとても合理的だし、実際重宝しているらしい。
 こういう細かい取材に、リアリティというのが生まれると思う。(参考:最近の雑誌掲載分では、携帯電話が使われていました。取材したんですかね?)

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スマッシュ! (1)

ひたすらくらいつけ
評価:☆☆☆☆★
 好きだという想いは障害を軽々と越えてしまうのだろうか。亜南にボロボロにされても、ひたすらシャトルを追いかけていく。圧倒的な力の差を見せ付けられても諦めない。それってすごいことだと思う。
 1巻はメインキャラクターのご紹介といったところ。ここで現れた面々が、これからどんな物語を繰り広げていくのかが楽しみ。

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