末次由紀作品の書評/レビュー

ちはやふる (41)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (40)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (39)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (38)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (37)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (36)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (35)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (34)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (33)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (32)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (31)

評価:☆☆☆☆☆


ちはやふる (30)

全国大会の裏側で
評価:☆☆☆☆☆
 全国大会で瑞沢が戦っているその日、太一は周防の能力の秘密を探るテレビ番組の収録に付き合っていた。そこに、若宮詩暢が登場する。彼女の意図とは?

ちはやふる (29)

人生の選択
評価:☆☆☆☆★
 全国大会東京都予選決勝リーグが始まった。ちはやが成長してものの太一を欠く瑞沢高校かるた部は決め手を欠き、ヒョロ率いる北央学園は一年生を三人も含みながらも、圧倒的なチーム力を見せる。果たしてどの学校が近江神宮への切符を手にすることが出来るのか。
 そんな中、太一は名人・周防久志のもとで練習を続ける。彼の小さな声が大きく聞こえるようになってきた太一の成長のあかしとは?そしてクイーン・若宮詩暢は、初めてのアルバイトの経験から、自分の人生を左右する選択を迫られるのだった。

ちはやふる (28)

欠けた柱
評価:☆☆☆☆★
 部活に復帰する気力を取り戻した千早だったが、東京予選は十将とされてしまい出番がない。さらには参加者増大に伴う進行早期化のためのルール変更に戸惑いを見せるのだった。
 そして巻末四コマでは、まさかの福井予選会が描かれる。

ちはやふる (27)

恩返し
評価:☆☆☆☆★
 太一の告白を断ってダメになる千早。折悪しく、かるた部には新一年生たちが入部してくる。一方、新は学校でかるた部を立ち上げようとしていた。

ちはやふる (26)

恋愛要素多め
評価:☆☆☆☆★
 周防久志の五連覇と、来年の挑戦を宣言する綿谷新を見て、真島太一は帰宅する部員たちよそに一人残り、翌日開催された高松宮杯大会に出場して、綿谷新と対戦することになった。その結末は?

 バレンタインデーなどを経て新年度になり、新入部員を迎えたい綾瀬千早だったが、彼女は驚愕の伝言を受け取ることになる。

 恋愛要素多め。

ちはやふる (25)

決意と共に迎える新年
評価:☆☆☆☆★
 名人戦・クイーン戦は最終戦を迎えようとしていた。永世名人目前の周防久志と原田先生、クイーン若宮詩暢と元クイーン猪熊遙の戦いの結末は?
 そしてその戦いを見守った綿谷新、綾瀬千早、真島太一は、新たな一年を決意と共に迎える。

ちはやふる (24)

王者の不調
評価:☆☆☆☆☆
 いよいよ名人戦・クイーン戦が始まった永世名人目前の周防久志と原田先生、クイーン若宮詩暢と元クイーン猪熊遙の対戦は、戦前の予想を裏切り、挑戦者サイドが先行する展開となった。
 風邪をひいてしまい、ニコニコ動画経由で対戦を見守り初心者に解説する綿谷新を思い、顔を赤くする綾瀬千早だったが、目の前の失調する若宮詩暢をサポートすべく、控室を訪問する。しかしその時、不用意な一言が若宮詩暢の調子をさらに崩させることになるのだった。

ちはやふる (23)

四つのパターン
評価:☆☆☆☆☆
 名人戦・クイーン戦の挑戦者が決定した。永世名人を目前にする周防久志が迎え撃つのは原田先生、クイーン若宮詩暢に対するのは元クイーン猪熊遙だ。
 ベテランの勝負術に翻弄された綿谷新は、一瞬、自分の目指すかるたが分からなくなりかけるものの、綾瀬千早をみて立ち直る。

 そして、何故か周防久志に気に入られた綾瀬千早は、彼が所属する会の練習に誘われる。一緒についていく真島太一は、そこで名人の本質を知ることになるのだった。

ちはやふる (22)

私も昔はイケメンだった
評価:☆☆☆☆☆
 名人戦・クイーン戦の挑戦者決定三番勝負が始まる。名人戦は東日本代表が原田先生、西日本代表が綿谷新。一方、クイーン戦は東日本代表が猪熊遙、西日本代表が逢坂恵夢。綾瀬千早にとっては、ごく最近対戦した二人が挑戦者決定戦にコマを進めたことになる。そう思うと複雑な気分だ。
 何故か、ベテラン勢に評判の悪い原田先生と対戦することになった綿谷新は、原田先生の気概に圧倒され、あくまで気の利く若手として振舞ってしまう。一方、感じの良さが持ち味の猪熊遙は、自分の最盛期を知らない若手と対戦し、かみ合わない感じを味わっていた。

 そして会場に姿を現す、永世名人に王手をかけた周防久志。彼の登場は何をもたらすのか?

 原田先生の若い頃の姿が登場し、誰これ?と叫んでしまいそうになる。新の祖父の綿谷始名人も…ボケ老人の姿しか見てないからなぁ。2巻連続、ベテランメインの展開が続きすぎ。でも、それもイイ。

ちはやふる (21)

ベテランの執念
評価:☆☆☆☆☆
 名人戦・クイーン戦の東日本予選および西日本予選が始まった。将来、教師を目指すことにした綾瀬千早は、クイーン戦よりも瑞沢高校の修学旅行を優先する一方、綿谷新に強烈ななライバル意識を抱く真島太一は、修学旅行を放棄して、東日本予選に挑んだ。
 西日本予選会場に姿を現した名人周防久志とクイーン若宮詩暢。周防久志と会った綿谷新は、将来の名人であることは認められるものの、自分の相手にはならないということを暗に付きつけられ奮起する。しかし、東日本予選での真島太一を意識し、彼に抱いていた自分の心理を思い知らされた途端、普段の調子が一気に崩れてしまう。

 一方、東日本予選では、真島太一以外にも、白波会を主宰する原田先生が、45年のキャリアの集大成を見せるような快進撃を続けていた。果たして、挑戦者決定戦にコマを進めるのは誰になるのか?

 表紙から分かるように、原田先生が気炎を上げます。そして、桜沢翠のライバルであり、元クイーンでもある猪熊遙34歳が、母親としての自分と、クイーンを目指す自分自身とのジレンマに陥る姿が描かれます。こういう負のスパイラルに陥ると、なかなか自分ひとりで抜け出すのは至難だろうね。そんな彼女を助ける意外な人物にも注目!

ちはやふる (20)

恋の分岐点
評価:☆☆☆☆☆
 名人戦・クイーン戦の前哨戦となる吉野会大会A級決勝戦は、白波会の同門対決となった。綾瀬千早に何としても勝ちたい真島太一は、いつもと札の配置を変え、奇策で千早のスピードを封じつつ、自身にプレッシャーをかける。それを見守る綿谷新は、もやもやした思いを感じていた。
 瑞沢高校の修学旅行と時を同じくして開始された、名人戦クイーン戦の西日本予選会場に、名人周防久志とクイーン若宮詩暢が姿を見せる。一方、東日本予選では、驚愕の事態が起きていた。

 千早が初めて太一を認識したことで、新が本気で参戦しようとしてくる構図が何とも。実力があっても運がない人というのは、ことごとくタイミングを外してしまうものらしい。もう少し早ければ、とか、あのとき勝っていれば、とか、そんな感じだ。
 色々ネタばれになりやすいので、あまり書けません。

ちはやふる (19)

一つの座を巡る執着
評価:☆☆☆☆☆
 名人戦・クイーン戦の前哨戦となる吉野会大会A級準々決勝には、白波会四名、福井南雲会二名が残った。綾瀬千早の対戦相手は、四連覇の経験を持つ前クイーンの猪熊遙だ。真島太一は須藤と、原田先生は村尾慎一と、坪口さんは綿谷新と対戦する。
 広島県かるた協会所属の専任読手、廣田幸一郎六段の読み上げのもと繰り広げられるのは、それぞれの能力を振り絞って行われる激戦だ。山城理音との勝負で音の聞き分けをつかみ始めた千早は戦いを有利に進めるのだが、全盛期の感覚を取り戻し始めた猪熊遙に、さらに深い聞き分けの妙技を見せつけられる。各勝負の行方は?

 ママにしてクイーンを目指す猪熊遙の描き方に凄く力が入っている。子供が競技場に入ってきてからの、自分を自覚していく流れなどはその最たるものだ。親であっても個であるという人生観みたいなものが前面に出て圧倒する。
 そんな彼女に相対する千早を支えるのは、自分自身ではなく、自分自身をこの場所まで連れてきてくれた誰かに対する信頼だ。それは、若宮詩暢であり、綿谷新である。そこに真島太一という名前が入っているのかは、今はまだ分からない。

ちはやふる (18)

新たなステージで得る価値観
評価:☆☆☆☆☆
 右手を負傷して使えず、しかし左手でかるたの練習を続ける気満々な綾瀬千早は、真島太一のツテを利用して、桜沢翠率いる富士崎高校の合宿に参加する。彼らが二人だけで参加できるようにしたのは、二人の恋路に興味津々の大江奏だ。
 西田優征ら瑞沢高校競技かるた部の他のメンバーも翠北会合宿で鍛える中、綾瀬千早は山城理音との三連戦を仕組まれ、クイーン戦の前哨戦とばかりにやる気を見せる。だが彼女はまだ気づいていなかった。彼女の傍に居る人物が、彼女の知らない選手へと変化しようとしていることを。

 一方、全国高校かるた選手権大会A級個人戦優勝をした綿谷新は、そこで見た団体戦にかける選手たちの姿から、自分もかるたの裾野を広げるために、そして、千早たちと団体戦でも勝負するために、仲間を募ろうと頑張っていた。
 そしてかるたの秋。勝利するという経験がもたらした変化は、他の部員たちにも変化を波及させていく。強さが広がっていく瑞沢高校競技かるた部のメンバーも多く参加する吉野会大会。そこで彼らは、さらに上をいく強さとぶつかり、つながる意味を感じていく。

 名人戦・クイーン戦がついに現実のものとなり、猪熊遙など、またもや新たな強者たちが登場する展開になっている。だがそんな強者たちに対戦する千早たちは、自分のかるたを見つめ直す機会を経て、孤独な戦いと、それを励ましてくれる仲間たちの存在のありがたさを感じ始めている。
 年代に拘わらず、かるたを愛するという一点でつながる、少しずつ価値観の異なるものたちのぶつかり合いがまぶしい。そんなまぶしさを目の当たりにするかるたを知らない人間が、彼女たちに何をいうことが出来るのか。そこには創作者と読者の関係に対する暗喩が秘められているようにも感じた。

ちはやふる (17)

無限遠へ向けて積み重ねる努力
評価:☆☆☆☆☆
 全国高校かるた選手権個人戦決勝。瑞沢高校かるた部からは、B級決勝に真島太一、C級決勝に駒野勉、D級決勝に筑波秋博が残った。綾瀬千早も西田優征も残れなかったA級の決勝は、現クイーン若宮詩暢と、綿谷始永世名人の孫である綿谷新という対決だ。
 大江奏や花野菫が真島太一らの対戦がある部屋での観戦に残るのは当然として、クイーンを目指しているはずの千早も、クイーンの対戦ではなく、太一の応援に回るという、かるた命の女としては奇妙な選択をした結果、それまで無心に戦って来た太一に変な欲が出てしまい、大崩れになってしまう。

 一方、周防久志名人を倒してくれる逸材を探す運営側は、永世名人の孫ということで綿谷新に期待しつつも、一年半というブランクは小さくないと冷静な判断を下していた。しかし、目の前で繰り広げられる二人の戦いは、戦前の予想を大きく覆すものとなっていた。

 やはり絵柄がかなり変化している気がする。キャラクターの目が大きくなったのだろうか?見つめられると呑みこまれそう。しかしそれは、キャラクターたちのエネルギーが増して来ている証左でもある。
 これまでの描写は才能を持つ選手たちの独壇場であったかるたという世界においても、才能を努力で凌駕しようと積み上げ続ける選手たちがおり、そしてそれは確かに才能を崩すことが出来るということを、結果を以って示す構成となっている。

 天賦の才は確かに存在するが、体に刻み込んだ努力の反復は、天賦の才に至近に迫ることもできる。しかし、その前にひとは壁の前に屈しがちであり、そこまで挑み続けるということ自体が、ひとつの才能と呼べるのかもしれない。

ちはやふる (16)

戦う理由
評価:☆☆☆☆☆
 全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会団体戦は、瑞沢高校競技かるた部の優勝で幕を閉じた。創部2年目の快挙だ。しかしその代償は決して小さくはなく、綾瀬千早の利き手である右手の人差し指は、剥離骨折のような状態になってしまった。
 だがそれでも、団体戦優勝がまぐれだったと言われないために、大切な仲間の価値を下げないためにも、千早は全階級制覇の目標は変えない宣言をする。

 A級には千早と西田優征、B級には真島太一、C級には大江奏と駒野勉、D級には花野菫と筑波秋博。顧問の宮内妙子が見守る中、個人戦の戦いが始まる。
 そんな千早をA級で迎え撃つのが、クイーンの若宮詩暢と、幼なじみの綿谷新だ。彼らの圧倒的な実力に、千早は慣れない左手で挑まなければならない。そしてその前に、千早が一回戦で当たるのは、明石第一女子の夕部慶子だ。そのパワフルなかるたに、千早は対抗する術があるのか?

 団体戦などお遊びだという若宮詩暢が圧倒的大差で勝つのは当然として、綿谷新も余裕の表情で勝ち上がっていく。その胸に秘めているのは、優勝して推薦で東京の大学に行くという野望だ。
 一方、圧倒的不利な状況に追い込まれた千早だったが、普段と違う状況は、彼女に普段気づけないことを気づかせてくれる。まるでそれは、この怪我がより高見に上るための何者かの差配であったかのようだ。

 そしてB級で戦う太一の姿は、いつもとはまるで違うもの。その一皮むけた姿と、いつもの姿の描き分けが、まるで別人のように見事になされている。新といい太一といい、今巻の男の子は余裕を見せてくれるね。

ちはやふる (15)

追い詰められていく中で
評価:☆☆☆☆☆
 近江神宮は勘学館浦安の間、全国高等学校かるた選手権大会全国大会決勝。瑞沢高校と富士崎高校の対戦は、中盤を迎えていた。大江奏を怪我で欠き、また、山城理音との接触で、綾瀬千早までもが右手人差し指を負傷してしまった!戦況は全カード富士崎高校がリードし、絶体絶命の大ピンチ。
 一方、綿谷新との接触で、不本意ながら団体戦を見学することになった現クイーン、若宮詩暢は、苛立ちを隠せないでいた。圧倒的実力ゆえに孤高の頂にたたずむ彼女にとって、仲間と馴れ合いながらするかるたは邪道。だが、千早の戦いを目にすることで、彼女の心にも変化が訪れる。

 個々の対戦相手で見れば、誰もが明らかに格上。自分が負ける要素を数え上げていけば、キリが無い。しかし、そこであきらめるのならば、初めから勝負する理由も無い。僅かずつでも自分が勝てる部分を見出し、瑞沢高校かるた部員は相手との差を縮めていく。
 あきらめそうになっても、自分の勝利を信じている人がいる限りは全力を尽くす。そして勝機を見出していく。勝負にかけるひたむきさがが光る巻だと思う。

ちはやふる (14)

次々現れる強敵たち
評価:☆☆☆☆☆
 机くんと肉まんくんが表紙だ!これほど金色の背景とかけ離れたキャラで大丈夫か?いいえ、大丈夫です。今巻では、肉まんくんはイマイチだけど、机くんはめちゃめちゃ活躍します。その活躍方法は様々で、それは試合での活躍でもあるし、試合に活用できるほど蓄積された彼のノウハウでもありますけれど。
 綾瀬千早が西日本代表と勝負したり、千早以上に感じの良い子と対戦している頃、身分を偽って出場した罰を受ける綿谷新は、現クイーンの若宮詩暢と一緒にいた。団体戦はかるたが好きではない人がやることと言い切る詩暢に対し、新は彼女に、団体戦の中だからこそ見られる人材もいると説くのだった。

 千早の対戦相手になるキャラの濃さが相変わらずすごい。頂点に立つ若宮詩暢のセンスはもはやご存知の通りではあるが、今回はキャミソールやパンツにまでそのセンスが及んでいることが明らかになった。
 また、西代表の逢坂恵夢のブラックな性格と表に出にくい意地の張り合いとか、山城理音の才能を背景とした圧倒的な自信と自負とか、キャラクターそれぞれが、それぞれの持ち味を持っていて、それを武器にして戦うという戦略が描かれているところが、よく調べて考えられているなと思える。まあボクは本当のところは知りませんけれどね。

 自分を主張しながらも、全体のために引くべきところは引く。その心映えが最も美しい絵だと思える作品だ。

ちはやふる (13)

太陽のような笑顔が見たい
評価:☆☆☆☆☆
 決勝トーナメントを直前に控え、完全にサポート要員のポジションに納まりつつある駒野勉(机くん)に対し「次も机くん抜きのメンバーで行こう」と発言し、机くんの発奮を促そうとする西田優征(肉まんくん)。
 少しおかしくなってしまったチームの空気に、いつもはオーダーを決めたりしない綾瀬千早も肉まんくんに同意する発言をする。彼女の真意はどこにあるのか?

 机くんにも同じチームの仲間として戦って欲しくて、サポートに逃げて戦う気持ちを失って欲しくなくて、あえて憎まれ役を演じる肉まんくんだけれど、その思いは半分正しくて、半分正しくない。サポートのために観戦に専念するメンバーだって、正選手と同じくらい真剣に頑張っているんだ。
 でも、サポートメンバーには、勝敗に絡まないという気分の軽さがあるのもまた事実。肉まんくんの身を呈した想いを受け取り、瑞沢のメンバーは一丸となって決勝トーナメントに挑む。

 しかし、準決勝には、クイーンを目指す千早にとって避けられない強敵が登場する。その実力と、不思議な雰囲気の前に、自分のペースをつかむことができない千早。そんな彼女を助けるのは、隣に座る大江奏と、先生がくれた言葉だった。

 表紙は一面のひまわりの中に、太陽のような千早の笑顔がいっぱい。見ているだけで元気が湧いてくるかも。
 おまけ4コマは、1ページに4本詰め込まれている。全て性別転換ネタです。

ちはやふる (12)

それぞれの役割を担って
評価:☆☆☆☆☆
 瑞沢高校かるた部は、ちょっとした出来事で出鼻をくじかれながらも、スタメンとなる選手だけでなく、バックアップする選手たちも全国優勝を目指して自発的に活動を始める。表舞台に立つ5人だけが主役なのではなく、チーム全体が主役となるのが団体戦なのだ。
 そんな瑞沢の初戦の相手は、一癖も二癖もあるチームばかり。いつもとは違う雰囲気に、ちはやたちは混乱させられてしまう。

 一方、ちはやたちの応援に近江神宮にやって来た綿谷新は、現クイーンの若宮詩暢と再会し、団体戦に対して否定的な言葉をかけられる。その影響もあったのか、新は、とあるルール破りをしてしまうことになるのだが、それが取り返しのつかない結果を導いてしまいそうになる。
 新や詩暢に気をとられず、ちはやは団体戦の目標を達成することが出来るのか?

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ちはやふる (11)

洗練され安定しはじめる力
評価:☆☆☆☆☆
 瑞沢高校対北央学園の決勝戦。大将の綾瀬千早は、敵方の大将・甘糟に対して、若宮詩暢の強みである正確さを模した技で挑むが一歩及ばない。後半になり、周防久志と同じ感じの良さで対抗するが、チーム間の勝負は接戦状態になってしまう。

 今回は「団体戦は個人戦」という原田先生の言葉の、個人戦の面を強く押し出しすぎてしまった。しかしその後悔も、母親の後押しによって脱し、舞台は全国、近江神宮へ。
 感じの良さだけで飛び出していた荒ぶる力だった千早から、正確さと感じの良さを突き詰めて身につけようとする、正しい力を備えた千早に成長することができるか?綿谷新や若宮詩暢との再会の舞台で、どんな勝負を繰り広げるのだろう?

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ちはやふる (10)

近江神宮に連れてって
評価:☆☆☆☆☆
 瑞沢高校かるた部のメンバーたちが高校選手権の都予選に挑む。去年は二年生たちが受けた洗礼を一年生たちが受ける中、チーム自体は順調に勝ち進んでいくのだが、思わぬ強敵が千早たちの前に立ちふさがる。

 後半の主役は太一。努力に裏打ちされた実力は折り紙つきながら、決定的に運がないと言われる彼の戦いが描かれる。
 孤独に自分と戦っていると思い込んでいるところに投げつけられるタオルは、彼を見ている仲間がいると言う証。その気持ちによって解き放たれた彼の新たな姿がここにある。

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ちはやふる (9)

部活の面を強調したストーリー展開
評価:☆☆☆☆☆
 圧倒的な強さを見せた名人周防久志。その強さに対する反応は、奮起や諦念など様々だ。新は同じ舞台に立とうとする強い意志を見せ、千早は名人の能力に圧倒されかける。そんな彼女にやる気を取り戻させるのは、普段はあまり目立たないあの人なのだ。
 そして学年は変わり二年生となったかるた部の面々は、新入部員獲得のためのミッションに挑むのだが、新要素の追加は団結していた部内に微妙な不協和音を引き起こす。彼らは同じ目標のためにまとまることができるのか?

 競技の面よりも部活の面を強調したストーリー展開になっている。新キャラの一人は一瞬登場する作品を間違えたのかと思っちゃった。でも、千年前の人たちが現代に来たら、あんな感じになるのかも知れないですね。

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ちはやふる (8)

伝染していく喜び、悔しさ
評価:☆☆☆☆☆
 名人位・クイーン位への挑戦者を決定するための大会に出場した千早と新、二人の勝敗の行方はもちろん気になるところだけれど、競技かるたの頂点に立つ名人・クイーンに挑むために、なりふり構わず猛進する選手たちの熱い決意と覚悟を見て欲しい。そして、熱闘の末に選ばれた者と選ばれなかった者との悲喜こもごも。
 そして、この戦いは直接参加していない太一やかなにも影響を及ぼす。同じ舞台で戦って勝つと決めたからこそ敢えて一歩引く選択や、歌を愛するからこそ視野に入れる選択がある。そしてここには、ごまかしや逃げの姿勢は一切ない。

 そんな挑戦者達を迎え撃つ頂点の二人。若宮詩暢にはちょっとした異変が生じている。そして、圧倒的な強さを誇っている若宮すらも気にせずにはいられない、最強の名人、周防久志の防衛戦が始まる。

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ちはやふる (7)

壁に手が届くからこそ知る挫折
評価:☆☆☆☆★
 名人位・クイーン位挑戦者決定戦予選を前に競技かるたに復帰した新。その戦う姿に触発され、かるたへの気持ちを新たにする千早。複雑な思いを抱えながらも、仲間の助けを借りつつ、彼らは努力を重ねていく。
 だが、努力した先にあるのが必ずしも勝利とは限らない。名人位・クイーン位を目指す競技者たちは、その高みに近づけば近づくほど、挫折する瞬間にも近づいていく。かつては仰ぎ見た背中が地に墜ちたとしても、その背中を乗り越えて、飽くことなくてっぺんを目指し続けることができるか?新と千早の挑戦が始まる。

 団体戦の熱い戦いが一段落ついて、名人位・クイーン位を目指した個人の戦いがメインになってきた。部活風景や他のメンバーとの関わりが減っていくのは少し淋しいけれど、その分、若宮詩暢など、目指すべき相手がいい味を出してきてくれている。長い戦いになりそうだ。

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ちはやふる (6)

畳の上に飛び散る汗の価値を知る
評価:☆☆☆☆☆
 競技かるたは正月の新聞やテレビのニュースくらいでしか知らないし、小倉百人一首にしてもせいぜい十首知っているかというところ。"ちはやふる"と言えばどちらかというと落語をイメージしてしまうボクだけれど、この作品は面白い。

 面白いという感情は、自分の常識、こうあるはずだという思い込みの斜め上を現実がいくから感じる。だから、全然知らないことを知った時に面白いとはあまり感じないと思う。それは知識を得るというだけに過ぎない。
 では、この作品で外される常識は何か。それは、かるたが地味で暗いという、何となくのイメージである。だがここで知らされるのは、競技かるたが記憶力を競うだけでなく、聴力や反射神経、集中力や体力などを必要とする、れっきとしたスポーツであるという事実である。
 そして明るさ。主役の一人であるちはや自身の華やかさも一役買っているのは事実であろうが、和服やそれを着る者の美しさであったり、何より、短歌自体にすら色を見せてくれる。初めに登場するのは、ちはやの唐紅。今回登場するのは、なにわえの芦の緑。無味乾燥に思える短歌を鮮やかに彩り、その背景に潜むエピソードまで引き出してくれる。

 この巻で一押しのストーリーは、かなちゃんと机くんの対戦だと思う。もちろん、ちはやや太一たちの勝負も良いのだけれど、高校からかるたをはじめた素人の二人の対戦という事で、それぞれの努力の跡や必死に戦術を練っている様子が分かりやすい分、競技かるた自身に引き込まれる感じがする。やっぱり、負けて、悔しがって、それでも一番を目指して挑戦する姿は格好良いなあ。
 競技かるたは、若い方が有利そうではあるけれど、老若男女対等に競える種目の様です。

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