須河篤志作品の書評/レビュー

不器用な匠ちゃん (2)

面倒な人間関係
評価:☆☆☆★★
 武器オタクであることを周囲に隠していた江ノ島歯科医院に務める歯科技工士の藍川ェ乃だが、趣味仲間であるアトム会の渡会歩がきっかけで、同僚に趣味がばれそうになってしまう。
 趣味をデコスイーツ作りと偽り危機を脱する藍川だったが、その彼女がアトム会のメンバーに惚れてしまい、面倒なことになってしまう。愛する武器のことだけを考えていたい藍川だったが、長谷部智彦や長谷部睦希も含めた恋の輪の中に取り込まれていく。

不器用な匠ちゃん (1)

秘密の趣味がばれちゃった
評価:☆☆☆☆★
 江ノ島歯科医院に務める歯科技工士の藍川ェ乃には、周囲の女子たちには絶対秘密の趣味がある。それは、武器フィギュアを作ることだ。古今東西、あらゆる武器を忠実に再現し、それに合わせたフィギュアを製作する。20歳になる今まで、この趣味を理解してくれた人はいない。
 そんなある日、工具を買いに行ったお店で会った渡会歩に、偶然、趣味全開の部屋の中身を見られてしまい、それを職場にばらさない代わりに、彼の部屋へと連れて行かれることになった。渋々ついていくと、そこに広がっていたのは、鉄道ジオラマだった。

 流れでジオラマの人形製作を手伝わされることになった藍川ェ乃は、同じ趣味仲間の長谷部智彦や長谷部睦希を紹介され、アトム会という会合に参加することになる。

 まず、弱みを握って無理矢理相手に言うことを聞かせるのは、強要とか脅迫と言います。立派な刑法犯罪です。そして気になるのが、フィギュアやジオラマの書き込みが甘いこと。書き込みが甘いのは許容するにしても、フリーハンドで書いたような曲がった線路とか、質感のない武器とか、一応そこに主眼を置いているはずなのに、絵が雑に過ぎる。愛情があまり感じられない。結局のところ、工芸をだしにして恋愛ものを書きたいだけなので、無駄に手間をかけたくないというのが見え見えだ。
 ネタとしては面白いと思うし、マンガとしてもつまらないと言うわけではないのだけれど、せっかくスポットを当てた領域ゆえに、もう少し気合いを入れて書いて欲しかった気がする。

ホーム
inserted by FC2 system