鶴ゆみか作品の書評/レビュー

ブラボー! -暴走系吹奏楽列伝- (3)

念には念を入れて、もう一つ念押しして
評価:☆☆☆★★
 表紙を見れば最終的にどんな結果だったかは分かってしまうかも。表紙まで含めて一つの作品ということなのかも知れない。
 中身では、県大会の演奏の様子と、書き下ろしとして普門館での演奏前の様子が描かれている。最後の最後までトラブルなしでは演奏できなかったみたいだけれど、そういう外側の要素を加えなければ、演奏の描写を盛り上げる事が出来なかったのかな?
 後半、吾妻先生は、ただの良い指導者でした。

   bk1
   
   amazon
   

ブラボー! -暴走系吹奏楽列伝- (2)

江口先生の過去物語
評価:☆☆☆★★
 音楽を絵にするのはやっぱり難しいと思った。読者が素人の場合には特にそう思う。
 まず、元々の曲の構成を知っているわけがないので、それをコマ割りで伝えないといけない。どのタイミングでどの楽器が入って来るかとか、どのパートに注目すべきかなどの情報は、作者が知っていることは絶対の条件で、さらにそれをどう表現すれば分かりやすいかを考えなければならないから、かなり大変ではないかと思う。
 キャラクターの成長過程の表現も同様に難しいと思う。何か技が出来るようになった、という様な目に見える指標がないので、どのくらいの期間でどの程度成長したかが良く分からないし、それが妥当なのか凄いことなのかの区別もつきにくい。天才キャラならその凄さを他人と対比させれば良いのかも知れないが、鳴海の様な努力キャラの場合は、その努力を見せないといけないから、ますます表現が難しい気がした。

   bk1
   
   amazon
   

ブラボー! -暴走系吹奏楽列伝- (1)

普門館への道のはじまり
評価:☆☆☆☆★
 高校一年生、鳴海克が電車の中で凝視していた女性は、自分の高校の音楽教師だった。彼女が電車に置き忘れたトランペットを届けたのがきっかけで再び吹奏楽部に入部する気になった鳴海は、同じパートの新入生で初恋の人と同じ名前の藤原みさきと出会う。彼女に引っ張られるようにして、吹奏楽の甲子園、普門館を目指す物語の幕を開ける。
 吹奏楽と縁があったことはないので良く分からないけれど、ほとんど女子ばかりの中に男子が交じるってどんな感じか、という雰囲気が理解できる気がする。羨ましいような、辛いような。この作品で、普門館というのを初めて知りました。

   bk1
   
   amazon
   
ホーム
inserted by FC2 system