鳥野しの作品の書評/レビュー
オハナホロホロ (2)
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いつまでも固定された関係なんて続かない。雨宮みちるにはコールセンターのスーパーバイザーとなるチャンスが巡ってくるが、その責任ゆえに受けるか否かで躊躇してしまう。南雲麻耶には桑原英資から積極的なアプローチがかけられるものの、みちるとの生活を壊したくないし、キープするというような選択をしたくないので、自ら離れようとする。
そんないろいろを写し取るように、保育園でのゆうたの行動には、見逃せない兆候が現れ始める。それを気にした保育園の望月先生は、色々と指摘をしてくるようになるのだが…。
子供は何も気づかないようで大人のいろいろなことを細かく見ているものだという話。特に、自分を守ってくれる存在には気を使って、時には無理な我慢をしてしまうこともあるだろう。そしてそのことに大人が気づけるかどうかは、大きな分かれ目になる。
刹那的な生き方から、もう少し先を見据えた生き方への転換を図ろうとする人々。しかしそれは、今の奇跡的なバランスの上に成り立つ生活を捨てる未来に繋がっているのかも知れない。
オハナホロホロ
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翻訳家の南雲麻耶の家には同居人が二人いる。シングルマザーのみちるとその息子のゆうた。5年前に麻耶のもとを飛び出していったみちるが、息子を連れて戻ってきたのだ。
ひとつ上の階に住むヒロも加えて、血の繋がらない4人は家族みたいに暮らしている。でも、血でもない、婚姻でもない、ぼんやりとしたものだけで繋がっているので、ある日突然、不安になったり、つながりが切れそうになったりもする。そんな彼らをつなぐ、今はもういなくなったものとは?
息子のゆうたはほとんどしゃべらない、独特の世界をもつ不思議生物なんだけれど、すごくかわいらしい。その母親のみちるも、子供がいる子供という感じで、色んな実態を捉えている気がする。証のない人間関係を描く物語だ。
羽海野チカの絵やコマ割りと特徴が似ている印象があります。
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