西村ミツル作品の書評/レビュー

グ・ラ・メ!~大宰相の料理人 (13) (画:大崎充)

新たな旅立ちへ
評価:☆☆☆★★
 最終巻。残念ながらカレーム・ドール本選の戦いが描かれることはない。まとめるためのちょっとしたイベントがあって、くるみには新たな舞台が与えられる。
 サブタイトルとは違う方向に行ってしまった時点から、本来のターゲットを見失っていたのかも知れない。

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グ・ラ・メ!~大宰相の料理人 (12) (画:大崎充)

キャラクターで勝負?
評価:☆☆☆★★
 B級グルメに取り組んだのも無駄じゃなかったんだよ、という話があって上海へ。圧倒的アウェーの中でくるみとシェリはどう戦うのか?
 久しぶりに首相がちょっとだけ出て来た。そして、大沢師匠も登場。

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グ・ラ・メ!~大宰相の料理人 (11) (画:大崎充)

中心の置き所
評価:☆☆☆☆★
 カレーム・ドール国内予選決勝はあっさりと終了し、日本国内巡業の旅に戻るくるみとシェリ。到着した横手でB−1グランプリに出場することになる。横手やきそば、八戸せんべい汁など、強豪ひしめく会場で、くるみとシェリの繰り出すB−1グルメとは?
 シェリの因縁話が出て来たことで、ことカレーム・ドールに限定しては、確実にくるみよりシェリの方の印象が強くなってしまった感じがする。このままだと、主役の座を乗っ取られてしまうぞ、くるみ!くるみの勝負にかける執念は、上っ面だけの軽いものに見えるときがあるからなぁ。

 この種の作品は、料理を中心に置くか、料理人を中心に置くかで、ぜんぜん違うものになる気がします。本作はどちらかというと料理が強い印象があるし、そっちの方向に持っていこうとしているのかな?

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グ・ラ・メ!~大宰相の料理人 (10) (画:大崎充)

日本美味しいものめぐり
評価:☆☆☆☆★
 時事政治ネタから離れて、料理大会に勝つという筋が通ったことにより、全国各地食材巡りの様な寄り道をいっぱい入れても、物語の芯がぶれなくなった様に思う。やはりストーリーは一本筋が通っていないと、まとまりがつかなくなる。
 政治から離れた結果、官邸調理室もメインではなくなり、新たに作った世界観を壊しかねない変態たちも登場する必要がなくなったし。その代わりなのか、新たな料理人が二人ほど登場する。  次巻は国内予選の決勝戦。

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グ・ラ・メ!~大宰相の料理人 (9) (画:大崎充)

食材探し+料理バトルに転向
評価:☆☆☆☆★
 政治色を思いっきり抜いて、料理バトル漫画に転向しちゃった。タイトルにそぐわない内容かも知れないけれど、何か生き生きと料理を作っているので、転向は成功の様な感じがする。予選がいっぱいあるので相当に引っ張れると思うし。
 まあ、阿藤首相に一木くるみを使いこなす力量がなかったのは残念なことだけれどね。

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グ・ラ・メ!~大宰相の料理人 (8) (画:大崎充)

描くことで何を伝えたいのかよく分からない
評価:☆☆☆★★
 野党第一党の女性党首とか、アメリカの黒人大統領とか、微妙に現実をトレースした様な構成になっているのだけれど、ワイドショー的に政治の話題を取り扱うならばやらない方が良い。旬の話題を面白おかしく扱うのは一瞬人気が取れるのかも知れないけれど、本質的には政治をバカにして見下している行為だし、政治をバカにするならば、それをサポートする官邸料理人もばかにすることになって、本来的な目的から外れる気がする。
 どんなに良い事が描いてあっても、基本姿勢に疑いの目を向けられたら、その言葉は心に響かない。

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グ・ラ・メ!~大宰相の料理人 (7) (画:大崎充)

政治物語ふたたび
評価:☆☆☆☆★
 理子をファーストレディという、実権は特にないけれど政治的には意味があってそれなりに動きやすいポジションに付けたことにより、公邸料理人とは違い、官邸料理人という微妙に動きづらいポジションのくるみが、色々と動きやすくなっている。おかげで、首相が介入したらちょっとまずいなあ、というような話題にも首を突っ込めるようになったので、ストーリーに起伏が生まれている。女の子をメインに置きつつも政治の話題を取り込む方法として、こういうのはありかも。
 しかし一方で、わたしがわたしがという性格の理子が主役になったことで、官邸料理人くるみの存在感が薄れてしまったことも事実。「政治的な料理」というものを主役にするにあたって、人間に対するスポットライトは政治家を照らすべきか、料理人を照らした方が良いのか。結構難しい問題かもしれない。

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グ・ラ・メ!~大宰相の料理人 (6) (画:大崎充)

本筋を追って!
評価:☆☆☆★★
 どんどんメインキャラが増え、それぞれにコマを割く事によって、本筋の部分が目立たなくなってしまっている気がする。絵柄は綺麗でかわいらしい系だけれど、物語自体はもっと骨太なのでは?個人的にはそういう骨太な部分が好きなので、余計なコマを使うなら、本筋を協調するのに当てて欲しい。
 もし、出版社サイトで行っているアンケートによって連載方針を決めているのならば、そういうのはやめた方が良いのでは?変に読者の目を気にするより、作家や編集者の物語にかける意気込みを見せてください。

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大使閣下の料理人 (25) (画:かわすみひろし)

未来へのまなざし
評価:☆☆☆☆☆
 この物語の本当の主人公は、大沢公ではなく倉木和也だったのだなという思いを強くした。かつての挫折から数十年。失意の中にありながらも、外交官として国益のためだけに働いてきた男に、ついにチャンスが訪れる。
 一方、倉木の弟子としての大沢は、その志を受け継ぐべく、新たな道にチャレンジしようとしていた。それぞれの決断が呼び寄せた悲しい意見の相違。果たして二人はお互いに納得して道を進むことができるのか?
 倉木がかつての偉大な政治家の言葉を思い出しながら、豆腐を切るシーンではちょっとジーンと来てしまいました。未だに未来へのまなざしを失わない。彼のような人がボクのまわりにいなくて本当に良かったと思います。もしいたら、彼についていくだけで満足してしまっていたと思うから…

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