ハノカゲ作品の書評/レビュー
魔法少女まどか☆マギカ[魔獣編] (1)(Magica Quartet)
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まどかが円環の理となり去った世界における見滝原の魔法少女たちの姿を描く。時期的にさやかにまつわるエピソードが中心となっている。
魔法少女まどか☆マギカ (3)(Magica Quartet)
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TVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」9話〜12話のコミカライズ版。本筋に影響を及ぼさないところはばっさりカットして、きれいにまとめた感じ。描写も1巻に比べればアニメ版に準拠した表現になっている。
ワルプルギスの夜など、魔女の表現が、魔法少女が姿を変えた存在であることが分かりやすい表現となっているなど、コミック版としての表現も盛り込まれていて、まどかに身近な範囲での表現としては分かりやすくなっていると思う。一方で、歴史上での魔法少女という視点は、ちょっとぼやけてしまったかもしれない。
エピローグの部分もアニメと同じ内容を表現しながら、より明るい表現にしたところは、賛否が分かれる気がする。
また、表紙下、本体の表裏紙には、合体技を繰り出す魔法少女たち(打ち切り)が描かれている。
魔法少女まどか☆マギカ (2)(Magica Quartet)
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魔法少女となった美樹さやかの前に、新たな魔法少女・佐倉杏子が現れる。彼女は魔女と魔法少女、人間の食物連鎖を説き、魔法は自分のためだけに使うべきだという。巴マミを模範とするさやかはその言葉に反発し、対決姿勢を強めていく。
さやかが魔法少女となる代償に祈った、幼なじみの上条恭介の奇跡的回復。十分に悩んで決断したはずだったけれど、マミがかつて言った言葉は、後になるほど、さやかに痛みを感じさせていく。
一方、その様子に心を痛めるまどかは思い切った手段に訴えるのだが、それは魔法少女の新たな秘密を暴くことになるのだった。
TVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の第5話〜第8話に準拠したコミカライズ版。美樹さやかの苦悩にスポットライトが当てられる…はずなのだが、やはりそのあたりは少し物足りない。希望があるから絶望があるので、一度きっちり持ち上げてやらないと、落差が大きくならないのだ。
アニメの構成では、冒頭シーンやさやかが魔法少女となる描写などが、あとできっちりと伏線で効いて来る。コミックでもそういう仕込みをしておいて欲しいのだが…。ただ、1巻よりは明らかに良くなっているとは思う。
魔法少女まどか☆マギカ (1)(Magica Quartet)
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市立見滝原中学に通う鹿目まどかは、キャリアウーマンの母・詢子と、専業主夫の父・知久、そして弟のタツヤと暮らす、中学二年生。でも、友だちの美樹さやかと出かけたCDショップで、不思議な生き物・キュゥべえと、その命を狙う転校生の暁美ほむらに出会い、この世界には、魔女と戦う魔法少女がいることを知ってしまう。
魔女の結界に捕われそうになったところを、魔法少女の先輩、巴マミに助けられ、彼女に憧れを感じたまどかとさやかは、キュゥべえに魔法少女にスカウトされたこともあって、マミの魔法少女生活を見学しながら、魔法少女になるかを決めることにする。
転校生のほむらは何を考えているか分からなくて不安だったけれど、頼りになるマミ先輩と一緒ならば、どんな状況でも安心!そんな気持ちで魔法少女見習いの生活を過ごしていたのだが…。
TVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」第一話〜第四話に準拠したコミカライズ版だ。ただし一話が30頁強なので、ストーリーは相当に圧縮されている。それにも拘らず、担任のエピソードが削られていないのは解せない。
個人的には、マミ活躍の描写を増やして彼女に憧れるまどかを強調してから、3話ラストのカタストロフィに持っていく構成で1巻を締めるのが良かった気がする。他にも、マスケット銃で連発しているなど、キュゥべえに感情があってメフィストフェレス的な表現がしにくいなど、微妙な表現方法も散見される。
まじめにコミカライズしすぎることで、漫画的な表現はどうあるべきかを煮詰めていない印象が、どうしても拭い去れない。おそらく、アニメを見ていない人は、この作品を面白いとは思えないのではないだろうか?
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