PEACH-PIT作品の書評/レビュー

ローゼンメイデン (8)

苦しさを知ってなお
評価:☆☆☆★★
 まいた桜田ジュンが、柿崎めぐと雪華綺晶の手に落ちてしまった。柏葉巴、翠星石、蒼星石、真紅は、まいたジュンを探してまかなかったジュンと合流し、協力することになる。
 一方、水銀燈と金糸雀は、みっちゃんを探す過程で雪華綺晶の分身と戦い、退けていた。

 まかなかったジュンがまいたジュンの苦労を知る話。知ってその上で、再び苦しい道にまいたジュンを引き戻す話。なぜならそこでしか、彼が本当に望むものは得られないから。

ローゼンメイデン (7)

護るための決断
評価:☆☆☆☆★
 ようやく一歩を踏み出す決意を固め、中学校へ登校しだした桜田ジュンだったが、担任教師の行き過ぎで再びクラスから浮いてしまい、さらに、長期入院患者であり水銀燈のマスターでもあった柿崎めぐが、雪華綺晶の手先となって彼の前に現れた。そしてジュンは、昏睡状態に陥ってしまう。
 マスターが襲われていることに不安を感じた金糸雀は、マスターであるみっちゃんの安否を確かめに急いで自宅へと戻る。一方、翠星石、蒼星石、真紅は、雛苺の人工精霊だったベリーベルに導かれるままに、柏葉巴への許へと向かうのだった。

 「まいた」「まかない」の話はもう終わったものと思っていたのだが、「まいた」ジュンが昏睡に陥ったことで、「まかなかった」ジュンが再び主人公として復活しそう。しかしそう簡単にいくのか…というところで次巻へとつづく。

ローゼンメイデン (6)

届かないからこそ求める
評価:☆☆☆☆★
 自分の意志で一歩を踏み出す決意をした桜田ジュンは、中学校への登校をはじめる。しかしやはりかつての辛い記憶がよみがえり、校門をくぐるだけでもきつい。周囲の心配する声すら、彼を糾弾する声に聞こえてしまう。
 それでも頑張って教室へと入り、気分を休めるために向かった屋上で、ジュンは水銀燈のマスターである柿崎めぐと出会う。病院でも学校でも自分は囚われていると話すめぐは、どこか様子がおかしかった。

 求めても得られない渇望は、時に狂気を生む。それを満たす誘惑に唆される。たとえたくさん持っていたとしても、欲しいものが一つでも欠けていたら、それを持っている他人を羨ましく思う。そうやって追い続けていれば、いつまでも満たされることはない。
 結局、自分の手にあるもので満足できれば、それは十分に幸せなのだと思う。でもなかなかそうは割り切れないんだろうなあ。

ローゼンメイデン (5)

帰還後に控える壁
評価:☆☆☆☆★
 のりが待つまいたせかいへと戻ってきたジュンと翠星石だったが、翠星石の暴走で、蒼星石や真紅、金糸雀とは離れ離れになってしまった。しかもnのフィールドとの道を開く鏡にもひびが入ってしまう。果たして彼女たちは無事に戻ってくることができるのか?

 そしてまいたせかいでは、ジュンには学校へ復帰するという大きな壁が立ちはだかっていた。ローゼンメイデンたちの言葉や、これまでの経験が彼の背中を押そうとした時、またひとつの転機が訪れる。

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ローゼンメイデン (4)

選択肢にあふれた世界
評価:☆☆☆☆★
 蒼星石の提案、まかなかったジュンの決断、まいたジュンの努力、そしてローザミスティカの力という要素が結集して、ついに道が開かれる。まかなかったジュンにはこれまで見えなかった、選択肢にあふれた世界が広がり始める。
 これで、まかなかったジュンの物語は決着がついたのかな。

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ローゼンメイデン (3)

ドール集結
評価:☆☆☆☆★
 翠星石の乱入により、4体のドールが集結することになる。そして、巻かなかったジュンに突如提示される、各ドールとの契約という選択肢。
 これまでは自分を囲い、自ら選び取るという行動を示してこなかったジュンは、完全に正しいと保証された選択肢のないとき、何を基準に行動するのか?

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ROZEN MAIDEN (2)

かなり遅刻ぶちかましましたけれど
評価:☆☆☆☆★
 まかなかった世界のジュンは、現在の自分を諦めてしまっていた。しかし、真紅が来たことにより生じた変化に動揺し、自分を変えてくれる何かとして、二体目のドールを作成し始める。それが罠とも知らずに。
 だが、その行為は、自ら変化しようとする気持ちも同時に生み出しつつあるのかも知れない。そして最後に、あのドールが推参!

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Rozen Maiden 新装版 (7)

希望と絶望と意志と
評価:☆☆☆☆★
 蒼星石と雛苺の喪失感を埋めようとして金糸雀が連れて来たマスターみっちゃんが、ジュンにドール服を発注しネットオークションに出品する。仕立てたドール服が高値で売れたことに自信を得たジュンは、学校に復帰するための勉強を開始する。
 ジュンが前に進もうとあがく一方、置き去りにされた感覚を抱いた蒼星石と真紅は、寂しさを感じながらもジュンに迷惑をかけないように、自分達だけでアリスゲームへと挑むのだった。真紅たち最大のピンチにジュンはどうするのか。物語はいったんの終幕を迎えます。

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