冬川基作品の書評/レビュー

とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (13)(鎌池和馬)

評価:☆☆☆☆★


とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (12)(鎌池和馬)

評価:☆☆☆☆★


とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (11)(鎌池和馬)

並行する事件
評価:☆☆☆☆★
 見たい夢を見られるインディアン・ポーカーにまつわる出来事のラインと、予知能力者・美山写影にまつわる事件を追うラインの二つが同時進行する。

とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (10)(鎌池和馬)

取り戻した友情
評価:☆☆☆☆☆
 木原幻生は、御坂美琴を瞬間的にレベル6に進化させるため、打ち止め(ラストオーダー)にウイルスを打ち込んでミサカネットワークにクラッキングを仕掛け、外装代脳(エクステリア)をインターセプトして心理掌握(メンタルアウト)を奪った。
 食蜂操祈は、偶然現れた上条当麻に暴走を開始した御坂美琴を任せ、木原幻生から外装代脳(エクステリア)を取り戻そうとする。一方、御坂美琴の暴走を引き起こしている警策看取を追う白井黒子だったが、未だその居場所をつかむことができない。第七位の削板軍覇も介入し、大覇星祭の裏側で起きていた危機に終幕が訪れる。

とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (9)(鎌池和馬)

大切な友達
評価:☆☆☆☆☆
 大覇星祭の最中に起きた、シスターズ誘拐事件。佐天涙子や初春飾利、そして白井黒子まで、食蜂操祈の記憶操作によって御坂美琴との関係を忘れてしまい、能力戦で婚后光子という犠牲者も出てしまった。
 怒り心頭の御坂美琴の前に現れた警策看取は、初春飾利と御坂美鈴を人質にとり、御坂美琴に対してシスターズの行方を問う。

 何かがかみ合わない。初春飾利がパソコンに残した手がかりから、食蜂操祈の居場所を突き止めた御坂美琴は、彼女に事情を問いただすのだった。
 食蜂操祈の能力の秘密と、それを利用しようとする人物の陰謀が描かれる。

とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (8)(鎌池和馬)

封じられた彼女の力
評価:☆☆☆☆☆
 大覇星祭の真っ最中に事件は発生した。競技の対戦相手の中に紛れ込んでいた敵の攻撃により、たまたま不在だった御坂御琴の代わりに参加していたシスターズが高熱を発し、拉致されてしまったのだ。一日過ぎてようやくそのことに気づいた御坂御琴は、大覇星祭を密かに抜け出して情報を収集、残された痕跡から、拉致に第五位の超能力者、食蜂操祈が関わっていると推測する。
 だが彼女の能力は、精神操作系の能力で、御坂御琴の周囲の人物たちは既に操作されていた。佐天涙子や初春飾利、なにより白井黒子にまで存在を忘れられてしまい、常盤台中学の校長からは監視まで付けられてしまう。

 黒子の代理でバディとなった婚后光子の協力を得て、見張りの付けられた自分の代わりに捜索を担当してもらうものの、彼女も敵と遭遇し、さらには湾内絹保や泡浮万彬も巻き込んだ、大能力戦が繰り広げられることとなる。

 御坂御琴のレールガンは強力だけれど、そこそこ強力な能力を駆使して敵と戦うというのも、なかなかに戦略性が垣間見れて良いもの。今回は御坂が早々に封じられてしまうため、そういう戦いが繰り広げられる。敵のゲスっぷリがなんともいえない。

とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (7)(作:鎌池和馬)

強烈な登場
評価:☆☆☆☆☆
 一方通行のレベル6計画と御坂御琴、上条当麻の戦いはクライマックスを迎え、再び常盤台中学の日常編へとストーリーは戻って来る。まず登場するのは、常盤台中学へ編入して来た婚后光子だ。彼女と御坂御琴の出会い、常盤台内での派閥抗争などが描かれる。
 そしてその派閥抗争で最大派閥を率いるのが、第五位の超能力者、食蜂操祈だ。精神系の能力者である彼女は、同じ中学生のはずなのに、とある部分で御坂御琴を圧倒する。どこかは言うまでもあるまい。

 佐天涙子や初春飾利を巻き込みつつ、大覇星祭の影で何やら陰謀が繰り広げられるようだ。

 初めに婚后光子が登場して、相変わらず強烈なキャラだなと思っていたら、その後でもっと強烈なキャラが登場してびっくり。食蜂操祈の瞳の星も気になるけれど、他人を操って敵に差し向けるという、御坂御琴が嫌いそうなキャラ設定になっている。
 食蜂操祈を女王様と慕う取り巻きたちのちょっとしたつぶやきに、きちんと理由付けがされる細かな構成が流石と言える。

とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (6)(作:鎌池和馬)

本編への合流
評価:☆☆☆☆☆
 幼少期の御坂御琴がDNAマップを提供したことにより始まってしまった絶対能力進化計画を妨害し、彼女のクローンたちは平穏を手にした…と思っていたのも束の間、いまだ計画が続行中であることを、10031号の言葉で知ってしまう。
 計画の根幹を担っているはずのツリーダイアグラムにバグを仕込むべく、施設に潜入した御坂が知った事実は、彼女に絶望を抱かせるのに十分なものだった。

 そして、そんな絶望に囚われ自暴自棄になる彼女の前に、まるでヒーローのように登場するのが上条当麻。彼は彼女の悪夢を払い、アクセラレータの幻想をぶち壊すことができるのか?
 外伝の物語は、ついに本編のストーリーと合流した。

 合間合間に挟まれる、御坂の小さい頃のエピソードや、アクセラレータが実験に協力し始めたばかりのエピソードなどが良いと思う。

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とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (5)(作:鎌池和馬)

絶望と仮初めの希望、そして
評価:☆☆☆☆☆
 絶対能力進化計画の遂行を阻止しシスターズをこれ以上は殺させないため、御坂御琴が急ピッチで研究所襲撃を進めて行く。しかし、あとわずか2拠点というところで彼女の前に立ちふさがったのは、第四位の超能力者、原子崩しの麦野沈利を擁する「アイテム」だった。
 蓄積される疲労、自分と同程度の能力者を相手に、御琴の勝ちの目はあるのか?

 原作では関わっているように見えないキャラクター達が、ここでは直接ぶつかり合う。御琴と学園都市の暗部のつながりは、思っていたよりもかなり深いのかも知れない。
 そして、絶望と仮初めの希望を抱く彼女の前に現れるのは、あの人しかいない。

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とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (4)(作:鎌池和馬)

残せたのはさようならの一言だけ
評価:☆☆☆☆☆
 本巻から御坂美琴のシスターズとアクセラレータの物語に話題は転換する。
 自分だけの確かな現実を築き上げるわけでもなく、『樹形図の設計者』という人の手により作られし神の預言に従っているだけという免罪符を振りかざし、倫理観のかけらもない実験を進める人々。一度動き始めてしまった計画は、少々の妨害では止まることはない。超電磁砲のパーソナルリアリティは、この流れを止めるだけの力を発揮できるだろうか。

 ストーリー構成が素直で分かりやすい。マネーカードを拾うという導入から始まって、布束砥信との遭遇、シスターズ計画の認識、そして、シスターズとの交流と、偶然と噂話から実験にまでたどり着くのは、ご都合主義という見方も出来るけれど、綺麗な流れであるように思う。そして、シスターズへの愛着のポイントとなる缶バッチの入手に至るストーリーも、これまでの流れから逸脱しておらず自然だ。
 本編から結末は分かりきっているのだけれど、そこに至るまでの御坂美琴の苦悩がこちらのメインになるのだろう。

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とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (3)(作:鎌池和馬)

自分だけの現実
評価:☆☆☆☆☆
 『幻想御手(レベルアッパー)』事件のクライマックス。自らの信じるところを為す強烈な一撃は、自らを見失った学生たちに信じるところを取り戻させた。
 そして少しだけ日常編。美琴と黒子の生活、黒子と飾利の出会い。

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とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (2)(作:鎌池和馬)

学園都市の闇への入口
評価:☆☆☆☆☆
 佐天涙子が『幻想御手(レベルアッパー)』を入手し、事件の渦中に入り込んでしまう。ここからは、超能力が当たり前に存在する学園都市にあって、無能力者がどれほど肩身の狭い思いをしているか、どれほど能力を渇望しているかが感じられる。これと対比して、同じ無能力者ながら、望んで事件の中に飛び込む上条当麻の特異性も浮き彫りになるだろう。
 そして、『幻想御手(レベルアッパー)』の開発者の登場により、学園都市の能力開発における暗黒面も少しずつ表出してくることになる。

 本体表紙は若干ネタバレを含むので、中身を読み終わってから見た方が良いかも知れない。

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とある科学の超電磁砲―とある魔術の禁書目録外伝 (1)(作:鎌池和馬)

魔術の見えない世界
評価:☆☆☆☆★
 電撃文庫「とある魔術の禁書目録」のスピンオフ作品であり、同作に登場する学園都市<超能力者>第三位の御坂美琴の視点で、学園都市の科学サイドでの出来事を描いたもの。だから、上条当麻は登場するけれど、インデックスは出てこない。
 本巻では、御坂美琴と上条当麻の出会いのあたりから始まって、能力を使った連続爆破などの事件と、その背後にある『幻想御手(レベルアッパー)』と呼ばれる能力を上昇させる存在がほのめかされている。
 構成的に言うと、最強の能力者の一人である御坂美琴が無能力者である上条当麻にあっさりとあしらわれムキになって突っかかり続けるパートと、ジャッジメントの白井黒子、初春飾利や、その友人の佐天涙子との交流に関するパートに分かれている。特に後者は、本編では描けない、能力者の葛藤や悩みなどに着目しており、本編の世界観を補完する役割を担っている様に思える。

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