藤栄道彦作品の書評/レビュー

コンシェルジュ プラチナム (2)

ほど良い加減
評価:☆☆☆☆☆
 心理学のエキスパートとしての能力を生かし、商店街の活性化を請け負った仕事の完了まであと半年となった。関連する業務としてホテルキャピタル白金平のコンシェルジュとして仕事をする九音は、主任の十津川の仕事ぶりなどを見るにつけ、自分に足りない部分を思い知らされる。
 しかし、彼の能力は実際には超能力じみている。人の心を丸裸にし、望むとおりに誘導できるわけだ。これをサービス業に利用すれば、それは効き過ぎる。サービスする対象に対して、サービスする側に有利な選択を強いることすら出来てしまうからだ。どこまで使ってどこからは使わないか。その線引きを、今回、九音は考えることになる。

 数字の名字も大分そろって来たけど、コンプリートするまでやるのかな?


コンシェルジュ プラチナム (1)

誰よりも心が読めるけれど、それでも分からない
評価:☆☆☆☆★
 アメリカで企業コンサルタントとして成功していた心理士の九音響也は、とある一人のコンシェルジュの言葉から、ホテルマンを目指してみることにする。そうしてホテルキャピタル白金平のコンシェルジュとなった。
 このホテルでは、周辺観光地の案内を行う出張所を商店街に置き、商店街の活性化と一体化したサービスを行うことになっていた。この企画を立ち上げたのは、商店街の娘であるコンシェルジュの一条笑美。響也は自らの能力を生かして、笑美は地元の人脈を活用して、ホテルと商店街のために尽力していく。

 そんな彼らをサポートするのは、主任コンシェルジュの十津川京香。響也の様な特殊能力はないものの、お客さまに寄り添う安定したサービスを提供する彼女は、他人との関わり方を模索する響也に適切なアドバイスを与えていく。
 ホテル内部には、そんな彼らに反発する勢力もあり、地元商店街にも消極的な人々もいる。そんな中で、笑美の友人である二宮なごみ、六浦イリエ、五反田偲など、個性的な面々の協力を得つつ、元気に活動していくのだ。

 最近なにかと話題の心理学を生かしたコンシェルジュの物語。人との関わり方が分からないのに、人の心はよく読める人間が、様々な人にかかわり、彼らの心のあり方を知りながら成長していく感じのお話だと思う。

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