藤真拓哉作品の書評/レビュー

魔法少女リリカルなのはViVid (11)(都築真紀)

囚われる過去
評価:☆☆☆☆★
 無限書庫探索で明らかになる、アインハルト・ストラトス、高町ヴィヴィオ、ジークリンデ・エレミア、ファビア・クロゼルグの祖先であるエレミアクラウス・G・S・イングヴァルト、オリヴィエ・ゼーゲブレヒト、ヴィルフレッド・エレミア、魔女クロゼルグの歴史は、ゆりかごの聖王誕生の過程に迫る。
 そして自らの来歴を知ったアインハルトは、ますます自らの心を閉ざしていくのだった。それを見たヴィヴィオは、大切な友達であるアインハルトの目を覚まさせるため、高町なのはの協力を得て特訓に励む。

魔法少女リリカルなのはViVid (10)(都築真紀)

もうひとりの因縁
評価:☆☆☆☆★
 アインハルト・ストラトス、高町ヴィヴィオ、ジークリンデ・エレミアの過去の関わりを明らかにするため、無限書庫へとやってきた一行だったが、彼女たちと同じように過去で関係する魔女ファビア・クロゼルグが、エレミアの手記を手に入れるため襲撃してくる。

 インターミドルの猛者である少女たちだったが、ファビアの予想外の攻撃にあっさりと拘束され、服を剥かれて全裸にされてしまうのだった。

魔法少女リリカルなのはViVid (9)(都築真紀)

因縁を乗り越えるために
評価:☆☆☆☆☆
 インターミドル地区予選エリートクラス四回戦。アインハルト・ストラトスは、「地上最強の十代」ジークリンデ・エレミアと対戦することになった。アインハルトの血統である覇王クラウスと、ジークリンデが記憶を継いでいる黒のエレミアは、高町ヴィヴィオが後継である聖王女オリヴィエとの関係に因縁を持っていたことから、試合は荒れ模様の展開を見せ始める。
 過去の記憶に振り回され、目の前の相手ではなく、因縁の相手の黒のエレミアとして立ち向かうアインハルトに対し、ジークリンデは自らの経験を踏まえ、彼女に対して諭しとなる敗北を与えようとする。だが、アインハルトも、自分を支えてくれる人々の声を思い出し、踏ん張って戦うのだった。

 そして物語は、彼女たちの過去を探るために無限書庫へと向かうことになる。

魔法少女リリカルなのはViVid (8)(都築真紀)

敗れたその後に
評価:☆☆☆☆☆
 高町ヴィヴィオ、ゴーレムマイスター・コロナに続く、初等部トリオ最後の一人であるリオ・ウェズリーと、トップファイターの一人、番町ハリー・トライベッカとの死闘が、ついに決着の時を迎える。
 そして、初めて敗戦の味を味わい、一晩過ぎたヴィヴィオの胸には、これまでにはない思いが去来していた。

 インターミドル地区予選エリートクラス四回戦。覇王アインハルト・ストラトスの対戦相手は、「地上最強の十代」ジークリンデ・エレミアだ。彼女の祖先である黒のエリミアが、覇王クラウスとオリヴィエの関係に因縁を持っていたことから、試合は荒れ模様の展開を見せ始める。

魔法少女リリカルなのはViVid (7)(都築真紀)

激しいド突き合い
評価:☆☆☆☆★
 高町なのはとフェイト・テスタロッサ・ハラオウンを保護者に持ち、スバル・ナカジマらに師事した高町ヴィヴィオと、八神はやての後見の下、ヴィータらの指導を受けたミウラ・リナルディの対戦は、激しい近接戦闘の決戦となった。
 一撃必殺の威力を持つミウラと、高速機動のカウンターを持ち味とするヴィヴィオの戦いは、お互いに相手の持ち味を殺しあう展開となり、決め手を欠く削り合いが続く。その熱戦の結末は?

 そして次なる対戦は、番町ハリー・トライベッカとリオ・ウェズリーの対戦だ。電気と炎両方の属性を持つ変換資質である「炎雷」と「春光拳」という対術を組み合わせて前年度の実力者に立ち向かうリオに対し、ハリーは意味不明のタフネスと前年からの努力の積み上げでそれをねじ伏せようとする。

 ヴィヴィオ戦の決着は意外といえば意外だ。しかし、エミュレーターによる再現とはいえ、精神に対する衝撃は現実として残るわけだから、後遺症に悩まされる選手もいるんじゃないのかな?

魔法少女リリカルなのはViVid (6)(都築真紀)

一緒に歩くために立ち上がる
評価:☆☆☆☆★
 文系格闘というのはいつからついたキャッチコピーなのかな?どの辺の要素を文系と称しているのか分からないけれど…頭を使って戦うのは当然のたしなみだと思うけどね。

 覇王アインハルト・ストラトスと、ゴーレムマイスター・コロナの対決からスタートする。圧倒的にアインハルトが有利との下馬評を覆し、コロナはゴーレム創成で、そしてゴーレムマイスターの裏技ともいうべき技術で、アインハルトに迫っていく。そしてその姿は、覇王としてのアインハルトに辛さを感じさせる戦い方でもあった。

 雷帝ヴィクトーリアと聖王教会の修道士シャンテの決戦や、ヴィヴィオとミウラの決戦など、魔法あり、格闘ありの大勝負が繰り広げられる。

魔法少女リリカルなのはViVid (5)(都築真紀)

衣装ボロボロになる激戦が始まる
評価:☆☆☆☆☆
 インターミドル地区予選は、ノービスクラス、スーパーノービスクラスの戦いをあっさりと終え、エリートクラスへと進んだ。ここから登場する対戦相手は、誰もが強豪。自分より格上の相手にも、何とか戦術を練って戦いを挑まなければならない。
 ヴィヴィオの本格的な戦いはちょっと持ち越しで、八神家の弟子であるミウラ・リナルディや、番町ハリー・トライベッカ、そしてアインハルトとコロナの対決などが描かれる。

 所で意外に読みごたえがあるのが、番外編である「鉄槌の騎士、想う」だ。ヴィーダ視点でこれまでの出来事を夢に振り返りつつ、辛いことを思い出したりなんかもして、色々あるけれど今がずっと続けば良いと思うお話だ。
 なのはとの関係に触れつつ、最後でお約束の展開とする構成も、きまっていると思う。

魔法少女リリカルなのはViVid (4)(都築真紀)

相手が強ければ強いほど燃えるぜ!
評価:☆☆☆☆☆
 合宿を終えてミッドチルダに帰還したヴィヴィオ、リオ、コロナ、アインハルトのインターミドル初参加組は、それぞれが足りないところを補い長所を伸ばすために、インターミドル選考会開始までの二ヶ月間で、個別特訓を行うことになる。コロナはゴーレム召喚・操作の精度向上、リオは春光拳と炎雷魔法強化及び武器戦闘、ヴィヴィオは格闘戦技向上及びカウンター特訓、アインハルトはスパーリングによる実戦経験の積み上げといったメニューだ。
 各人のデバイス、ヴィヴィオのセイクリッドハート、八神一家が作ったアインハルトのアスティオンも、それぞれが出来ることを頑張っていく。そうして特訓期間も過ぎ去り、いよいよ選考会が開始される。彼女たちは予選を突破し、本選に出場することが出来るのか?強力なライバル達も登場する。

 戦うキャラは全て女の子たちだけれど、中身は努力・友情・勝利の古いタイプの熱血少年漫画だ。ライバルが現れ、仲間と協力し、特訓によって実力を向上させ、最後に勝利を掴む。
 しかし努力が全て勝利につながるとは限らない。ヴィヴィオたちが現実の前に叩きのめされるのか、あるいは高い壁を乗り越えてしまうのか。予選の戦いは次巻から始まる。

 個人的には格闘漫画としては描き込みが多すぎる気がしなくもない。画面の情報量が多すぎて、スピード感などが表現しにくいように思う。いやまあ、キャラが女の子なので、かわいい服も着せたいし、美しい画面にしてあげたいのだけれど、内容と絵面のバランスが結構難しい分野のようですね。

魔法少女リリカルなのはViVid (3)(都築真紀)

少女たちのガチンコバトル
評価:☆☆☆☆★
 合宿のメインイベントは、2チームに分かれての模擬戦だ。ヴィヴィオ、リオ、エリオ、なのは、スバル、ルーテシアの青組と、アインハルト、コロナ、フェイト、ティアナ、ノーヴェ、キャロの赤組に分かれて対決する。その勝敗とは…。
 そして物語は次の展開へと進む。10歳から19歳までを対象とした公式魔法戦競技会インターミドル・チャンピオンシップへの参戦だ。今年10歳になったヴィヴィオも参加する予定で、この合宿で自分の方向性を自覚したアインハルトも参加することにする。問題は古代ベルカ式仕様のデバイスの手配なのだが…。

魔法少女リリカルなのはViVid (2)(都築真紀)

みんなで合宿!
評価:☆☆☆☆★
 ヴィヴィオの前期試験が終了したタイミングで、高町家とテスタロッサ・ハラオウン家、ナカジマ家は合同で強化合宿休暇へと出発!行き先は、ルーテシア・アルピーノの住む無人世界カルナージだ。今はバラバラの職場にいる旧機動六課のフォワード陣も大集合して、みんなで楽しく遊び、トレーニングをする。
 その合宿に誘われたアインハルト・ストラトスは初めは渋っていたものの、ノーヴェに説得されて付いて来た所、ビックリ仰天!そこにいるのはAAクラス以上の現役魔導師たちだった。大いに刺激を受け、ヴィヴィオとのトレーニングにも熱が入る。

 巻末には魔法少女リリカルなのはStrikerS以降のあらすじ資料集を収録。また、Fate/stay nightとのコラボ漫画も収録されている。

魔法少女リリカルなのはViVid (1)(都築真紀)

次世代の格闘魔法少女
評価:☆☆☆☆★
 高町なのはとヴィヴィオが出会ったJS事件から4年が過ぎた。小学4年生となったヴィヴィオに、なのはとフェイト・テスタロッサ・ハラオウンからプレゼントされたのは、自分専用のデバイスだ。
 そんな彼女の前に、アインハルト・ストラウスという中学1年生の少女が現れる。彼女はヴィヴィオの母体である聖王オリヴィエと同じ古代ベルカ時代を生きた覇王イングヴァルトの血統に属する少女だった。彼女はその記憶の後悔を引き継ぎ、自らの拳を振るう。

 機動六課も解散し、かつてのメンバーはそれぞれの部署で活躍中。そして物語の中心は、次の世代へと移っていく。
 格闘少女の学園バトルものという感じの物語になっている。戦闘シーンは少女のままだったり、大人バージョンに変身したり。

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